盆や彼岸などのお墓参りに備える花として定着しているシンテッポウユリが、盆前の7月下旬、全国有数の産地であるJA松山市管内で出荷ピークを迎えた。日量最大1万本を選花しており、11月末にかけて、中四国や京阪神、中部地方へ約23万本を出荷する予定だ。
今年は春の連続的な大雨の影響で、定植時期が遅れたほか、葉枯病などの影響を受けた。しかし、梅雨明けが早かったため、十分な日照量により、昨年と同様に良質な出来となった。生産者は収穫後、輪数と長さを調製したユリを同選花場に持ち込み、作業員らがつぼみの大きさや傷、病害虫、奇形の有無などを一輪ずつ目視で確認し、13等階級に手選別している。品質が統一しているため、市場から高い評価を得ており有利販売につなげている。
生産者の高須賀透さん(64)は「例年通り最高の出来となった。暑い中、一輪一輪心を込めて作ったので、ぜひお供えしてほしい」と笑顔で話した。