現在の永田町のごとく2大勢力が君臨している今年の愛媛高校サッカー界。
まずは優勝候補筆頭、第1シードの松山工業。
注目はU-18JFA選抜に選ばれたFW山崎。
偶然、県総体決勝を訪れたヴィッセル神戸の幸田スカウト(南宇和高校〜愛媛FCなど)から
“しなやかさ”を評価された大型レフティー。
山崎がゴールを量産すれは得点王と4年ぶりの県チャンピオンは鉄板だ。
Jクラスの身体能力を持つDF柳など選手層の厚さはダントツ。
ただ盤石に見える松工覇権への道を曇らす大きな懸念がある。
キャプテン林晋のケガだ。
靱帯断裂で県大会出場は絶望。
林晋ショックをどう払拭するかが優勝へのカギとなる。
(江刺チェック:GK森田のキック力!)

兵頭監督&大西コーチ体制で今や堂々の強豪校となった松山北。
去年、46年ぶりという偉業を達成。
悲願の選手権出場となったが全国の芝は辛かった(松山北1-7國學院久我山)。
大敗の悔しさを晴らすべく、ほとんどの選手権メンバーが残留。
しかし、県総体決勝では松工に敗れ第2シードに“下野”。
ただ“愛媛のランパード・松本”、“決勝弾男・西原”など全国選手権を知っているメンバーは
まさに愛媛の銀河系軍団だ。
さらに大エース玉井がケガから8カ月ぶりの復帰という好材料も。
100%の復調ならば大会最優秀選手に最も近い男だ。
(江刺チェック:FW金橋のスピード!)

さて、この2大勢力に風穴をあけるのはどこなのか?

9月11日組み合わせ抽選後、松工・谷監督に
「あそこと(ゾーンが)離れて助かった〜」と言わしめたのが南宇和。
去年、準々決勝PKで敗れた悪夢は苦手意識を増幅させたようだ。
布山、千谷らを中心に熱血青年・羽田監督が作り上げた古豪を侮れば痛い目にあう。
選手権の勝ち方を最も知っている南宇和のDNAが覚醒すれば
今年もシード校潰しの嵐が吹き荒れる。
今年はなかなか力を出せていない済美。
守備面でやや不安は残るが能力の高い選手は揃う。

チームの勝利だけでなく、優れた逸材を見つける快感も選手権の醍醐味だ。
去年、FINALの舞台に立った宇和島東“早熟のスピードスター有間”。
東予の雄、第3シード・今治東から“ドリブラー伊藤”など。
いつの年も圧倒的な個人能力は我々を魅了してくれる。
もちろん我々の知らない“未知との遭遇”にも是非是非期待したい。

全国大会で長いトンネルを抜け出せない愛媛の高校サッカー。
愛媛代表になったところで満足しているわけではないだろうが
いつのまにか全国から取り残されてしまった感は否めない。
もう一度、あの輝きを取り戻そうと全ての関係者がもがいている最中だ。

例えば、松山東(第4シード)が県総体で見せた絶対に走り負けないあのド根性。
そこにこそ、光明を見出すヒントがあるのではないかと私は“信じ”ている。
時代が違うと嘆く暇があれば、いっそのこと時代を変えてやろうじゃないか。
愛媛のサッカー小僧たちよ、総選挙より熱くなれ!

(大会パンフレットより抜粋)