2022.08.23

ロッベンのイッペン読んでみ!

Author: ロッベン江刺

「Black Box」伊藤詩織著

著者の名前だけでわかる人がどれだけいるでしょうか

装丁で顔写真を使ってるので

ああ、あの性被害を受けた綺麗なジャーナリストで

たしか元TBS記者を訴えていたけど

どうなったんだっけ?

というのが大半の人の反応ではないでしょうか

失礼ながら私がそうでした

自らに起こった出来事を

自分の手で証明しようとする渾身の手記

真実を求める過程にはあらゆるところでBlackBoxがあり

その度に絶望するのですが

諦めず立ち上がる著者の叫びが聞こえてくるようです

ハラスメントが氾濫する今の時代、

大きなリスクを負って被害者本人が行動を起こした本書を

読んで少しでも勉強しておきたいと手に取りました

まあ知らないことだらけでした

刑事裁判では被告の罪を認められなくて

民事裁判では損害賠償を認められるのですが

そこに至るまでの

まさに命がけの戦いは想像を絶します

時代遅れの法律

あなたは強姦罪と準強姦罪の違いが判りますか?

既にその罪名も古いのですが・・・

中でも一番怖かったのは

容疑者逮捕の寸前でその逮捕状を握りつぶした

当時の刑事部長が今、警察庁長官になっているということです

もちろんどこまでが本当なのか

両方の意見を知ったうえで判断するのがいいのでしょうが

向こうのコメントはないというパターン・・・

たまたま彼女は美人でジャーナリストだったので

注目されてなんとか声を上げることが出来ましたが

間違いなく氷山の一角

身近で起こり得る

いや、自分に起こり得る悲劇

女性だけでなく

男性も被害に遭っていることも忘れないでいたいです

PS:終盤に調査報道の第一人者、本物のジャーナリスト

日本テレビ記者・清水潔さんも登場

この人の著書は間違いなく名著なので激しくおススメします

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