2022.02.09
ロッベンのイッペン読んでみ!
「ノモンハンの夏」半藤一利著
司馬遼太郎が最後に取り組もうとして急逝してしまった
歴史的大事件、ノモンハン事件
事件というよりはもはや戦争です
歴史が証明しているように
日清・日露の勝利に浮足立ったまま
狂ってしまった日本は
満州国での国境紛争からロシアと泥沼の戦いに突入
筆者は
大本営(日本)と新京(満州)、そしてヒットラー(ドイツ)とスターリン(ソ連)
の心境まで描きながら
徹頭徹尾、終始一貫して日本軍を批判しています
「三宅坂上の秀才たちの無責任さにノモンハン事件の悲惨の
許すべからず最大原因がある」
「天皇は確かに叱ったのである。それも陸軍を叱りつけたのである」
その鋭い筆先は日本軍だけではなく
ヒットラーに対しても向けられます
「強力な独裁者のもとでは良識や常識は不必要であり
必要なのはいつでも保身のための判断停止という手続きだけなのである」
痛快です
しかし
450ページに渡り日本陸軍を批判をし続けた著者の
最後の最後の一文に不気味さが残ります
「そして人は何も過去から学ばないことを思い知らされる」
あの時はドイツがポーランドに侵攻しましたが
あれから83年
今、ロシアがウクライナに侵攻しようとしています
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