Archive for 6月, 2021
えさシネマ倶楽部
「ファーザー」
やっと書けるレベルの作品を観られました
アンソニー・ホプキンスが久しぶりにオスカー(主演男優)を獲った作品ですね
認知症の父が施設に入るまでを描いています
認知症側の目線でストーリーが始まるので
一気に惹きこまれます
ああ、なるほどこういう風になるから
娘に「アナタは誰だ?」とか「お前が時計を盗んだんだろ!」とか
いきなり怒鳴ってしまったりするんだなというのが良くわかります
そして自分もいつか行く道と気づくと恐怖を感じるようになります
さらに
怒っていたかと思ったら、急に機嫌よくハイテンションになったり
急にどん底に落ち込んでしまう様を
ホプキンスが完璧に演じています
アカデミー会員を唸らせた要因が分かります
最後は施設に入ったところでスパッと終わる手法もお見事
このまま亡くなってしまうのだろうなあと
思ってたところでラストカット
ダラダラしない
あと
これ系の作品にありがちな説教臭さもないジャスト97分
タイトルとは違い決してオジサン臭くない作品でGOODでした
4シネマ
えさシネマ倶楽部
「キャラクター」
サイコパス系の映画というのは
「完全に狂ってるけど、そうなっちゃうよね~」と思わせる“納得性”を
どれだけ高く保持できるかが大事なんです。
いきなり上からで申し訳ないですが
Fukaseさんにはそれが無かった…
ピンク頭で、首をカクカクさせて、虚ろな目でしゃべる、みたいなのは
どっかで見たサイコパスで
どっかで見たストーリーで
凡庸感が払しょくできない
まず、ホントのサイコパスならピンク頭なんて
目立つようなことするわけないやん!ってとこから納得性が低くなるのです
どうしてもアーティスト感が抜けない
名前はFukaseだけど
シリアルキラーだけが持つ
この人、闇深いな~という
“”闇Fukase感”が出せてない
SEKAI NO OWARIが透けて見えるので
ああ、がんばってるなあと白けてしまう
その点、これまで名作と言われた作品に登場するサイコパスは
どこまでも恐ろしくて
どこか寂しげで、なぜか共感できる
恐怖と畏怖とカリスマ性が共存してるんです
レクター博士のアンソニー・ホプキンスを筆頭に
「ミザリー」のキャシー・ベイツ
「セブン」のケヴィン・スペイシー
邦画にもいます
「復讐するは我にあり」の緒方拳
「冷たい熱帯魚」のでんでん
最近では「ヒメアノ~ル」の森田剛
などなど
まあ、それほど難しいんでしょうけどね
Fukaseさんと菅田将暉さんが対峙してると
このまま歌いだすのかな、新曲出来たんかなと思ってしまう
レビューで好評価を書いてるのはファンの人ですかね
厳しくいかせていただきます
2シネマで
ロッベンのイッペン読んでみ!
「雪ぐ人 “冤罪弁護士”今村核の挑戦」佐々木健一著
メディア界のテレビドキュメンタリー、調査報道の二大巨頭といえば
NHKの佐々木健一氏と日本テレビの清水潔氏。
「Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激滅させた男」(佐々木健一著)
「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」(清水潔著)
「“南京事件”を調査せよ」(清水潔著)
いずれも傑作であり大作です。
ヌルい本ばかり読んでるときに
気合いの1本!って時にお二人の著書を手にします。
今回もヌルい私にキツい一発を注入して頂きました~
ドラマタイトルにもなった
日本の刑事裁判の有罪率“99.9%”。
残りの0.1%に挑む自称“冤罪弁護士”こと今村核氏を追いかけたドキュメント。
並の弁護士でも生涯に1件無罪を取れるかどうかの日本の法廷で
今村弁護士が勝ち取った逆転無罪はなんと14件!
異常な数です。
ご存じのとおり刑事裁判で弁護士が無罪を勝ち取るのって
メチャクチャ難しい、不可能に近い上に
過払い金とか大企業、離婚などと違って圧倒的にお金になりません。
この今村弁護士もそうです。
でも己の中の正義の声に従い
弁護側としては普通はやらない“無罪の立証”を徹底的にやって
“冤(えん)を雪(そそ)ぐ”んです。
あとがきを清水潔氏が書いてます。
「本書を私の大切な蔵書の一冊に加えたいと思う」に激しく共感します。
4ブック