Archive for 11月, 2019
えさシネマ倶楽部
「ひとよ」
子供を守る為に夫を殺した妻が
服役した15年後に
3人の子供たちに会いに行く
テーマとしては凄く面白そうだったのですが
主演の田中裕子さん…
大女優なのは承知の上で
やはり彼女が出てくると「ああ、この女性は耐える人なんだな」と
役がわかってしまう
そうなるとこっちの想像から一歩もはみ出てこないので
驚きが無い
驚きが無いと感動が無い
いわゆる吉永小百合現象ですね
しかしそこを救ったのが若き天才、松岡茉優さんです
「万引き家族」以来の相変わらずの名演技
彼女のお陰でこの映画は最後まで持っています
3.5シネマ
ロッベンのイッペン読んでみ!
「言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」
ナイツ塙宣之著
芸人シリーズ第3弾である
ほとんど読みたい本は芸人さんのものばかりである
何なら今は「劇場」(又吉直樹著 文庫版)を読んでるくらいである
なぜならば全部が名著だからである
中には凡著も確かにあるが
評判のいい芸人本で外したのを読んだことが無い
全てが良作である
なぜならは彼らは表現のプロだからである
トップオブトップの有名人でなくともかなりのハイレベルだ
いやむしろイマイチ地味な芸人さんの方が
そのクオリティは高いのかもしれない
本著はタイトル通りあのお化け番組「M-1」での勝ち方を
関東芸人目線で徹底的に分析している
誰もが憧れる漫才師最高の栄誉
その頂へたどりつこうとする姿勢はまるで求道者である
ゴルコダの丘へ向かうキリストだ
そして
あの煌びやかなステージから
見えない十字架を背負って降りてくる彼らを
目にする季節がまもなくやってくる
4ブック
ロッベンのイッペン読んでみ!
「一発屋芸人列伝」山田ルイ53世著
名著「ヒキコモリ漂流記」以来すっかりファンになり
「ルネッサンスラジオ」のリスナーにもなりました
とにかく表現力が多彩で豊か
36色色鉛筆のような
フィルミーノのゴール前での選択肢のような
ボヘミアンラプソディを思いついたときのフレディ―・マーキュリーのような
…私の表現力ではこのくらいが限界です泣
タイトル通りレイザーラモンやジョイマン、コウメ太夫などが登場し
彼らがどう一発屋になり
なぜ消えて行ったのかを著者の才能あふれる筆力で書いています
面白いのは当然、そこにわびさび、えぐみ、アイロニー、ルサンチマン、モラトリアム
全てが散りばめられています
この方も天才エッセイスト
こちらも何回も読み直しビビッとワードにアンダーラインを引きました
愛媛大学中退という親近感も加わり今や著者に心酔状態
毎週金曜の21時30分が待ち遠しい
弊社ラジオ編成局、まじ神!
4ブック
ロッベンのイッペン読んでみ!
「僕の人生には事件が起きない」岩井勇気著
不倫ばかりする他の小説を読んでいたのですが
あまり面白くなかった(こう書くと面白そうですが)ので
途中で止めてこっちに乗り換えました
お笑いコンビ「ハライチ」の澤部じゃないほうの
暗い方の芸人さんのエッセイです
帯の謳い文句通り〝日常に潜む違和感に狂気の牙をむき〟まくり
面白すぎで一人笑いをこらえきれなくなり笑ってるので
まるでホアキン・フェニックスのジョーカーのように
周りから不審がられてます
「この本が面白すぎて笑ってしまうんです。スイマセン」と書かれた
メモを持ち歩きその人に渡したいくらい
もちろん「読んだらこのメモはお返しください」と
最後に書くのも忘れずに(*ジョーカーネタバレ)
芸人さんのエッセイと言えば
オードリー・若林さんを筆頭に名著ばかりですが
こちらも評判に違わずの名作
今、2回目を読み直し
さらに面白かったところに線を引いていますw
4.5ブック
えさシネマ倶楽部
「IT/THE END そでが見えたら終わり」
怖いのは嫌だったけどチャプター1をしっかり観てから映画館へ行きました
今更ながらチャプター1はメチャクチャ面白いですね
ツッコみどころはいっぱいありましたが
最後に“chapter one”と出た瞬間
アメリカ人のようにスタンディングオベーション
まさに〝ホラー版、スタンド・バイ・ミー〟
やっぱりスティーブン・キングは天才だと納得…
したのもつかの間
どうしちまった!
やっちまったなチャプター2
ついにあの時の少年たちが27年後に再集結するワクワクと
ジャシカ・ジャスティンらB級ホラーらしくない豪華キャスティングで期待MAXだったのに
肝心のペニー・ワイズがただのエイリアンになっとる泣
顔だけ残って体はスターシップ・トゥルーパーズやん
完全に間違えてるよ
ペニー・ワイズはあのままで良かった
チャプター1であやふやにしていた謎みたいなのは
無理やり答えを出さなくてもいいのに
あれは何でなん?っていうのは
「だって説明めんどくさい」とか「だってハリウッドだから」で
あやふやにしておけばいいのよ~
となるとこちらも名作「シャイニング」の続編「ドクター・スリープ」にも
不安が募る
スティーブン、そっちは大丈夫だろうな???
2シネマ