2007.09.24

高校サッカー取材報告 〜松山工業高校〜

Author: ロッベン江刺

< 北条フェスティバル 9/23>
結果:松山工業3−0大分鶴崎(35分×2本)

「初代得点王とMVPを狙います!」

最近の高校生はインタビューも変に平均化されていて
こういうデカイことを言える子はほとんど居なくなりました。
ただ、これがただのビッグマウスに聞こえないのが
東野君の凄さ。

ノーシードながら下馬評が最も高いこのチーム。
全てはこの男がいるからです。

いつのまにかもう高三になってました。
小学校の頃から色んな大会の決勝で
彼を実況しているので親のような気持ちです。
当時からキレキレのドリブラーだった東野君。
年上のディフェンダーを何人も抜いていました。

この日の北条フェスでも変わらぬ変幻自在のドリブルで翻弄してました。

しかし、今年の松工が恐いのは
彼一人のワンマンチームでは決してなく
2トップを組む篠崎君、サイドの佐々木君、山之内君、西川君など
みんな上手くて細かいパスワークが出来ること。

そして1対1にかなり強い。

先日の(また言ってます)愛媛FCになかった
ボールを奪い合う時にバチッと激しくいける。
篠崎君は熱くなりすぎの時はあるけれど笑。

名匠・谷監督、キッチリ仕上げてきました。

隣で試合を見ていた大分鶴崎の選手のお母さんは
「わあ、またあの10番(東野)や!」とか「18番(篠崎)の子は恐い!」とか
ずっとヒーヒー言うてました。

鶴崎は中心選手(トリニータからの誘いがあるボランチ)が居なかったので
スコア-は当てになりません。
が、インターハイベスト8のチームと互角にはやれるという事です。

「どうよ?」
と試合後の谷監督も自信の表情。

2年前。
千崎、中野、東岡、滝岡などタレント揃いで乗り込んだ選手権は
伊藤翔(グルノーブル)擁する
中京大中京に敗れ初戦敗退(中野、東岡のCBは伊藤を完璧に抑えたんですけどね)。
その中京に今月、フェスながら勝ちました。
しかも、その愛知フェスでは広島観音(2-0)、野洲(3-1)にも勝利。

この結果だけ見ると国立が狙えます。
中京の道家監督も「集中した時はかなり強い」と高評価でした。

不安材料もあります。
キャプテンでCBの川崎君が右ひざ前十字靭帯断裂で選手権は絶望。
「2年前は応援団長だったので先輩のPK負けを応援席で見てました」
「僕は出られませんが代わりの野田と、
コンビを組んでたCBの越智が僕の分もやってくると思います!」と
まだ手術したばかりの膝をじっと見つめていました。

「優秀なCBはなかなかおらんけんな〜」と
うちの担当ディレ(一応、高校サッカー経験者)が
わかったような顔で言ってましたが
川崎君の不在が逆にチームをまとめる要因になると
隙がなくなります。

初代得点王、初代MVPの行方はどうなるのか。
“アンタッチャブル・東野” 要注意です!