2007.09.05
ロッベンのイッペン読んでみ!
「楽園」上・下巻(宮部みゆき著)
さすが大御所。
気合が伝わってきます。
「名も無き毒」よりも力の入り方が違うのが分かります。
「模倣犯」の大ヒット(映画は中○君の拙い演技でコケましたが)を
良い意味でも悪い意味でも引き摺らなければならない著者自身の苦悩を
見事に受け止め、克服したのではないでしょうか。
主人公と同じように。
テーマとしては、サスペンス物の王道である少年犯罪や猥褻犯罪など
現代日本の暗部を軸に
サイコメトラーという異次元な世界を“宮部語録”によって見事に編みこませています。
ところで「理由」とともになぜ、宮部作品は映画で大コケするのか。
それは彼女にしか書けない天才的な文章表現にあります。
会話だけを読んでいればわかる東野作品とは違い
宮部作品は、その表現の上手さ、器用さに惚れ惚れして
何度も読み直してしまうパートがあります。
女性ならではなのでしょうか。
このテイストを映画で表現するのは絶対に無理。
ましてジャニーズのアイドルには荷が重過ぎます。
でも、映画化されたら観に行きます。
たぶん。