大会パンフに大混戦必至と謳ったように
第1シードの松山工業は準々決勝で姿を消した
谷監督が受けたショックは尾を引いているそうだ
それでもエース野田が現在の単独得点王なのは皮肉である

今年のファイナリストは
ともに約半世紀ぶりの選手権優勝となる

ノーシードから勝ち上がった宇和島東はちょうど50年ぶり
1950年代の黄金期を最後に全国から遠ざかっていた古豪

ただ近年は
3年前の準優勝から4年連続でベスト4
安定した結果を残している

「その中では今年が一番弱いです笑」
就任丁度10年目、山本監督のコメントはいずれもシンプル
「ディフェンスは不安です」「ただ攻撃は面白いタレントがいます」
わずかに覗かせた自信の根拠は
有間、下谷、藤原の“スーパーカートリオ”の存在

“3分3得点”

宇東のカマイタチカウンターは
彼らがいるからこそ成り立っている

進学校で練習時間もなくスポーツ推薦の選手もおらず
遠征に行くにも模試などで実施不可能

ただ宇和島市の環境は抜群
天然、人工芝2面が揃う丸山公園
チームに与える効果は計り知れない

さらに今年から
大塚部長(元城東中サッカー部監督)と
大塚コーチ(元南宇和DF)がスタッフに加わり
「ずいぶん助かっている」のも見逃せない

対する松山北は46年ぶり

こちらも進学校の悩みは同じだ

宇和島東のカウンターについて兵頭監督は
「済美の時にできたので速さへの対応は心配してません」
「うちのセンターバックは2枚とも速いですし」と意に介さない

確かに全選手の技術が高く
下馬評では有利

唯一、不安材料を挙げるとすれば
名参謀の大西コーチ(元愛媛FC監督、南宇和日本一DF)がベンチ入りできないことか

少し話は逸れるが
Jリーグと高校サッカーの日程がバッティングしたことは
いちサッカーファンとして残念でならないし
二度とあってはならない失態だと思う

閑話休題

とにかく
明日勝ったチームだけが
半世紀の歴史を変えることができる

「決勝で負ければ1回戦で負けたも同じです」
「3年前は人生を変えよう
 学校の歴史を変えようと思って戦ったが全く変わらなかった…」
と呟いた山本監督の言葉が忘れられない

先日、海の向こうで起こった革命を支えたあの合言葉
その言葉を強く思い続けたほうが
東京行きのキップを手にすることができるだろう

“We can CHANGE!”