祭りの後で想うこと
愛媛高校サッカーとFC今治の戦いが終わりました
「平常心でやれるかどうかだな」
これは高校サッカーの準決勝直後
帝京第五・植田監督の携帯に直接かかってきた
レジェンド・古沼貞雄さんからのアドバイスです
まさにそれで全てが決まりました
松山工業も帝京第五も初めてのニンスタでガチガチの立ち上がり
解消する為の特効薬はやっぱり先制点でした
前半16分に生まれた松工・⑧越智君のスーパーゴール
実況席の私はその瞬間、一か八かのミドルシュートが入ったんだと思っていましたが
偶然ではなかったことを後で知り猛反省しました
「ミドルが打ててなかったのでこの1週間、1年生に手伝ってもらって毎朝6時から練習してたんです!」
試合後の本人のコメントです
特別な舞台に“偶然”や“たまたま”が入り込むような余地は無いんですね
それから始まった怒涛のゴールラッシュ
史上最多得点がブラフでないことを証明する為にも
全国大会でもう一暴れてしてもらいましょう
一矢報いたとはいえ悔しさしか残らなかった帝京第五
「あの状況では攻めるしか無かったです。あと応援でこっちの声がゼンゼン選手に届かないんですよね」
自身としても初の大舞台だった植田監督
いくら人から聞いても、いくら外から見ても
実際に体験した人にしかわからないことがたくさんあります
それでも今大会を盛り上げてくれたのは間違いなく帝京第五でした
創立53年で初の準優勝
この時点で既に立派なレジェンド
進化した黄色いハードワーク軍団を来年も見てみたいものです
一方、3度目の挑戦だったとはいえ、岡田オーナーが就任し
たくさんのマスコミが押しかけた中での地域決勝大会
想像を絶するプレッシャーを背負っての戦いはFC今治の誰もが初経験でした
結果、90分で勝利していれば決勝ラウンドに勝ちぬけていましたが
その僅かな差が足りないものの全てでした
“平常心で戦えるかどうか”
ピッチ上の事だけではありません
サポーター、スタッフ、今治という地域にとってもそう
今年に賭けていただけに逃したショックは余りにも大きいけれど
今回のチャレンジが残してくれた貴重なものもあります
試合後、肩を落とした選手達を乗せたFC今治のバスを
40~50人のサポーターが拍手で見送りました
「これまではこんな見送りはありませんでしたから…」
広報の青木さんがポツリと呟きました
高校生から社会人まで
これまでにないサッカー狂想曲となった先週の愛媛
幸せなことに今年はまだ続きがあります
全ての想いを背に今度は愛媛FCがやってくれるはずです!