Archive for 2月, 2022

2022.02.25

ロッベン江刺のイッペン読んでみ!

Author: ロッベン江刺

「This Is JAPAN 英国保育士が見た日本」ブレイディみかこ著

明屋書店本店が閉店する前に

なんとかお伺いできました

一度、拙著「オレンジ色の夜明け」を出した時

サイン会をさせていただきました

恐縮です

私が好きなのは奥の文庫コーナー

2段ほど下になってるんですよね

そこで手にしたの3冊のうちの一つです

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」以来の2冊目

そういえば先日の愛媛新聞にも生活保護基準引き下げの記事があったし

FC今治の岡田武史さんも「豊かだと思ってる今の日本で約14%の子供が

満足な食事が出来てない」と言ってたし

格差社会は目の前の現実なんですよね

ただ「ぼくイエ」の方がだいぶ読みやすくて一般受けしそうですね

3ブック

2022.02.23

えさシネマ倶楽部

Author: ロッベン江刺

先日発表された2021年キネマ旬報ランキングで一番え?と思った作品

だってタイトルが…

どうせヒロインが不幸になって大声で恋人の名前を叫ぶ、

キラキラ系でしょと思ってたのが大間違いでした

若い男女が付き合って別れるまでの話ですが

「好きな映画はね~【ショーシャンクの空】かな~?」っていう男をバカにしたり

イヤホン片方ずつで同じ曲を聞くカップルをバカにするなど

チョー共感することばかりで鷲掴みにされます

今村夏子「ピクニック」「ゴールデンカムイ」「押井守」「サイタマノラッパー」

出てくる本や映画全部見たい!と思うくらいハマりました

学生時代に付き合って大好きだと思ってても

社会という現実が二人の間に入ってくる

絶対に嫌いにならないと思ってても

浮気したわけでもないのに心が離れていく・・・

私が書くと何とチープな内容になるのだろう(´;ω;`)ウッ…

硬派な映画ファンが誰が見るかーと思う気持ちわかります

でもチョー-ト待ったーーーー!

菅田将暉と有村架純の演技と台詞がリアルなので白けないのです

観終わった後

これ、キネ旬ランクインするやつやん!って絶対納得します

一度でも、あの時のあの人と結婚してたら今頃どうなってただろう?

と思ったことがある人はオジサンでもオバサンでも見てください

オジサンの私が保証します

にしてもなんでこんなベタベタなタイトルにしたんだろ? 

あえて?

4.5シネマ

2022.02.16

ロッベンのイッペン読んでみ!

Author: ロッベン江刺

「天才」石原慎太郎著

追悼記念というわけではないのですが

愛媛とのかかわりも深い著者

田中角栄が裁ちばさみでチョビ髭を切るドアップ写真の

装丁がキョーレツですよね

「今太閤」「人間ブルドーザー」「庶民宰相」

日中国交正常化、日本列島改造論、新幹線、地方空港

博労のせがれ、小学校主席卒、愛人、妾・・・

怪物エピソードは枚挙にいとまがありません

角栄が一人称で生涯を振り返る200Pほどの

ボリュームなのでさらっと読めます

世に角栄本は五万とありますが

本著が特殊なのは

著者が角栄の金権政治を批判する急先鋒であったのに

「天才」として描いていることです

大っ嫌いだったのが

大嫌い→大嫌い→大嫌い→大好き💛

となるのはモー娘。だけじゃないようです

どこかで似ていると感じていたのでしょう

ロッキード事件も

角栄自身は最後まで騙されたと言い張ってました

で、よくよく調べてみると

アメリカに頼らない資源ルートを展開したことで

アメリカが激怒し

ロッキードで嵌めた

ってのが真相だと書いてます・・・そうなんですか?

私もイメージが変わりました

テニス場で二人が出会ったときのエピソードが秀逸で

「石原君、テニスは体にいいんだよな

お互い政治家だ。気にするなっ。まあ一杯飲もう!」と

角栄が誘ったそうです

まさに今太閤

政治家とは法律をいくつ作ったかで力量が決まりますが

角栄は40以上もあったそうで

巻末に列記されてる角栄が提案者となった議員立法を見てみると

「松山国際観光温泉文化都市建設法」というのもありました

恐るべし田中角栄

4ブック

2022.02.09

ロッベンのイッペン読んでみ!

Author: ロッベン江刺

「ノモンハンの夏」半藤一利著

司馬遼太郎が最後に取り組もうとして急逝してしまった

歴史的大事件、ノモンハン事件

事件というよりはもはや戦争です

歴史が証明しているように

日清・日露の勝利に浮足立ったまま

狂ってしまった日本は

満州国での国境紛争からロシアと泥沼の戦いに突入

筆者は

大本営(日本)と新京(満州)、そしてヒットラー(ドイツ)とスターリン(ソ連)

の心境まで描きながら

徹頭徹尾、終始一貫して日本軍を批判しています

「三宅坂上の秀才たちの無責任さにノモンハン事件の悲惨の

許すべからず最大原因がある」

「天皇は確かに叱ったのである。それも陸軍を叱りつけたのである」

その鋭い筆先は日本軍だけではなく

ヒットラーに対しても向けられます

「強力な独裁者のもとでは良識や常識は不必要であり

必要なのはいつでも保身のための判断停止という手続きだけなのである」

痛快です

しかし

450ページに渡り日本陸軍を批判をし続けた著者の

最後の最後の一文に不気味さが残ります

「そして人は何も過去から学ばないことを思い知らされる」

あの時はドイツがポーランドに侵攻しましたが

あれから83年

今、ロシアがウクライナに侵攻しようとしています

4ブック