2007.10.04

愛媛FC練習雑感 10/4

Author: ロッベン江刺

「ダービーで勝星がなかったら、辞めようかと思っていました」

先日の四国ダービー終了後。

記者会見では、満面の笑みだった望月監督が

ポツリと洩らした一言。

公式コメントには載っていないので知る人は少ない。

聞きようによっては衝撃の言葉だ。

今日の練習後、その言葉の真意を確認してみた。

「(もしダービーで一度も勝てなかったら)誰かが責任をとらないといけないと思った」

「第4クールが勝負だと思っていたので、内容も悪くなかったし

特に(今まで課題だった)クロスの守備が練習してきた事が出来てよかった」

と続けたあと

試合後と同じ心からホッとしたというような笑顔を見せた。

同じ表情を2年前にも見たことがある。

就任初年度、J昇格を義務付けられたJFL時代。

スタートダッシュに失敗した事を夏のジュビロ合宿で直接聞いたときだ。

(就任後、心が折れかかったり、もうだめだと思った事はあったか?)の問に対し

「クビですか笑・・・自分が思いつくことは全部やろう

それでダメだったらそれ(クビ)もしょうがないかなと思ってました。

でも、選手にホントたすけられました・・・」(書籍『オレンジ色の夜明け』より抜粋)

初めて望月監督の心の奥を覗いた気がした。

「最後はどれだけ勝ちたいか・・・

喰らいついていく気持ちが強い方にボールは転がってくるんです!」

とこの時のロングインタビューを締めくくった。

モウリーニョを例に出すまでもなく

プロのサッカー監督は選手以上に不安定な職業である。

それは望月監督自身が一番よくわかっている。

「ダービーにやっと勝てたからと言って残り試合が悪ければ同じ事ですから」

「今のところ、何とか首が繋がったって事だけです」

と鼻を鳴らした。

生き残りをかけるのは選手も同じ。

「次の天皇杯もリーグ戦に繋げるメンバーで行きますし

次の日の宇和島でのサテライトも選手はアピールして欲しい」

「今週はチーム全部で勝負する日。みんなやる気がありますし。

基本は一生懸命やっている選手を使います」

「ホントは第1クールから、こういう雰囲気を作りたかったんだけど・・・

チーム作りはホント、難しいです・・・」

といつもの自嘲気味な苦笑いでその場を後にした。