2016.11.14

激闘の余韻に想う事

Author: ロッベン江刺

あなたは国見高校に伝わる伝説“朝練前の自主朝練”をご存知だろうか。

早朝練習の2時間前、皆がグラウンドにやって来る前に

自主的にやっていた朝練習のことである。

「毎日やってたんでやらないと逆に調子悪くなるんですよね~」

生放送前、ニンスタ控え室でにこやかに話す元日本代表MF・三浦淳寛さん。

2度優勝した選手権全国大会中も当然のように朝4時に起きて

宿舎を出ようと玄関に下りると

小嶺監督(当時)がいて「今日はやめてくれ!」と止められたという。

「僕らの時は足をつらせることは許されませんでしたから…」

試合中呟いたアツさん(馴れ馴れしくれスイマセン)の一言に

返す言葉がなかった。

決して決勝の2チームだけに言っているのではない。

カテゴリーに関係なく愛媛の会場でよく目にしてきたことだ。

あの時のアツさんなら

倒れこんでPKをアピールする暇があったら

とっとと自分のポジションに戻っていたのではないだろうか。

あの時の国見ベンチなら

相手チームや審判に不満を言うのではなく

次の作戦を自分達のチームに伝えていたのではないか。

「国見とは違うから…」

「ニンスタの芝が長かったから…」

「今の指導は短時間でボトムアップでやるのがトレンドだから…」

愛媛サッカー史に残るような名勝負を見せてくれた

今年だからこそ自戒の念をこめて問いかけたい。

弱いんだから練習をする。

下手なんだから練習をする。

極めてシンプルな答えだ。

「他人とおなじことやっても上にはいけないでしょ」

再びアツさんの言葉が木霊する。

この放送席に座るのもカウントダウンが見えてきた今日この頃

サッカーだけの話には聞こえず私の胸にストンと落ちてきた。

下ばかりを見ていたらスーパーは存在にはなれないってことを

元日本代表に教えていただいた。

見上げると夜空にはドデカイ月が浮かんでいた。