2013.11.02
ロッベン的高校サッカーセミファイナル雑感 ~敗者の目線から~
第1試合:今治東3-2済美
生放送の関係で試合終了直後に到着
会場は熱戦の余韻が未だ治まらず湯気となり立ち上っていた
立ち見が出るほどに埋め尽くされた観客席は
容赦なく勝者と敗者を残酷に映し出していた
辛勝の今治東側は誰もが胸をなでおろし互いの健闘を称え
勝利が零れ落ちた済美側は未練を断ち切ることが出来ない
ふとグラウンドに目をやると
タッチラインの手前でオレンジのユニホーム8番を着た選手が
一人静かにピッチ中央へ歩み深々と頭を下げた
3年生最後の試合で出場は叶わなかった山本が
人知れず大会に別れを告げていた
「負けは負けです…でも、ウチの攻撃力は見せられたかなと」
ゆっくりと言葉を繋いだ済美・宮本監督
負けはしたが愛媛屈指のタレント力で
今治東を徳俵まで追い詰めた
「私が言うのもおこがましいですが愛媛のサッカーを変えたい」
「ウチにしか出来ない攻撃的なサッカーをこれからも目指して行きたいです」
守備に問題があろうが
どこにでもある没個性なチーム作りよりは
よっぽど気持ちがいい
準決勝第2試合:松山商業5-3新田
「(去年決勝で敗れた時の)忘れ物を取りに来たつもりだったんですが…」
キックオフから試合終了まで座ることのなかった小野監督
それでも前半は小気味のいいパスサッカーで見せ場を作った
18番近藤、20番井上、14番野本など
楽しみなスーパールーキーも発見
「新しい歴史のスタートが出来たんじゃないかと思っています」
3年生の想いをしっかりと受け止め継承するのが
後輩達の最初のミッションだ
さて
これで下克上大会も残すは一試合
史上初の今治東か
半世紀ぶりの松山商業か
いずれにしても歴史的なFINALになることは間違いない