今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、一般社団法人Dog for Life Japan代表理事でドッグトレーナーの砂田眞希さん。犬と共により幸せで充実した生活を送るためのお手伝いをコンセプトに活動される砂田さんに、愛媛ではまだ数少ない介助犬や聴導犬からペットとしてのワンちゃんについてなど幅広いお話を伺いました。
佐伯)お話を伺っていますと、補助犬たちによって連れていらっしゃる方の暮らしが大きく変わっていたいということですので、もっと本当に活躍をして欲しいし、私たちもそれに対して正しく理解したいなという思いが強くなりました。
砂田)ありがとうございます。
佐伯)でもどうしてこうなかなか認知度が日本では上がらないんでしょうか?
砂田)やっぱり働く犬っていうのがあんまり社会に馴染んでないっていうのが一番じゃないかなとは思うんですよね。
佐伯)それで数も少ないから直接目にする機会もないし…というのもあるんですかね。
砂田)そうですね、ただ数をどんどん増やしていきたいんですけども、あのやっぱり働いてるワンちゃんって珍しいのもあるし、なかなか日本だと本当にごく最近ですよね、大きな犬でも家の中で飼ったりとか。あと皆さんがちゃんと躾をするとかっていうのがごく最近なので、補助犬を連れた人がレストランとかそういうとこに行くと、結構拒否が多いんですね。
佐伯)今もですか?
砂田)今もすごくあります。
佐伯)え~。
砂田)やっぱり拒否を受けちゃうとですね、障害者の方すごく傷つくんですよね。
佐伯)そうだと思います。
砂田)で、傷ついちゃうともうそこを利用できなくなっちゃうので、活動の場を広げるのが補助犬の役割なんですけど、それが逆に狭まっちゃうんですよね。ここは拒否されないからって要は行けるとこしか行かなくなっちゃって、新しいお店「あそこちょっとおしゃれなカフェできたから行ってみよう」みたいな、本当はそういうことをできるための犬なのに、「新しいカフェできたけど、行ってみたいけど拒否されたら嫌だからやめようかな」みたいな、そういう風になっちゃうということもあってなかなか増えにくいというか人の目に出にくいと言うか、っていう部分もあると思います。
佐伯)でも、この理解を広めていくためにはどのようになって行ったらいいんでしょうね?
砂田)まずですね、私がアメリカで経験したようにですね、周りの知ってる方がですね、やっぱりちょっと声かけてもらう。もうお節介につきるんですね。だからやっぱり店員さんと交渉して、もちろんそれで食事ができるようになる事が最近は多いんですけども、やっぱり店員さんがですね、「じゃあ本社に確認します」とか「店長に聞いてきます」とかって言ってる間ですね、10分とかずっと待たされるんですね、お店の先で。でも、もし知ってらっしゃる方でそこでお食事してる方がちょっとひと言店員さんに「店員さん、この介助犬はね、お店入れるんだよ」って言ってくれるとですね、やっぱり第三者が言ってくださると、そうすると受け入れる側も「あ、そうなんですか」ってなるのでもっとスムーズにいくし、その障害者の方も「ちゃんと受け入れてもらえた」って自分の味方が増えたと思うと嬉しくなるので、是非そのお節介を皆さんしていただけたらありがたいなと思います。
佐伯)きょうこのラジオを聴いて下さってる方は是非その応援団になって欲しいですね。
砂田)そうですね、はい!
佐伯)だって砂田さんからご覧になって介助犬というのはもうなくてはならない存在なんですもんね。
砂田)はい。
佐伯)利用される方ももっと気軽に利用できるように…
砂田)そうですね。これはもうすごく多いんですけど、私たち育てる側もたくさん情報をまだ発信しきれてないなと思うので、障害の軽い方は自分は(障害が)軽すぎてもっと重い方が(介助犬を)持つべきなんじゃないかなと思ってらっしゃるし、重い方は自分は重すぎて犬の世話ができないから持てないんじゃないかなって、勝手に諦めてる方が結構多いんですけども。耳が聞こえない方もそうですね。全く聞こえない方は犬に話しかけられないから、ちゃんとトレーニングできないんじゃないかなって思ってらっしゃるんですけど、実はワンちゃんって言葉じゃなくて体で会話するので、指差しの方がよく理解してくれるんですね。だから手話の方が得意なんですけど。なので全然耳が聞こえなくて発音できなくても犬ってコントロールできるし、逆に中途失聴とか難聴、ちょっと聞こえる人ですね、人工内耳の方とかだと、聞こえるんだからやっぱり(聴導犬を)持っちゃいけないんじゃないかと思ってらっしゃる方多いんですけど、もうアメリカの聴導犬なんて皆さんめちゃめちゃ聞こえてる人が持ってるんですね。だからそういうちゃんと正しい情報ってのがまだ広めていけてないので、ぜひ障害者手帳があれば基本的には、あとちょっと年齢制限もあるんですけれども、基本的には障害者手帳があれば誰でもトライはできますという風に思ってもらえたらいいかなと思います。
佐伯)こういうことがもっともっと本当広まっていって、当たり前に私たちの社会の中に聴導犬、介助犬、もちろん盲導犬もですけど、存在するようになってくるとまた可能性がどんどん広がってくるような気がしますね。
[ Playlist ]
Niza – Radio Star
Cat Power – After It All
The Rolling Stones – As Tears Go By
Norah Jones – Once I Had A Laugh
Selected By Haruhiko Ohno