今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、愛媛県ロゲイニング協会意表理事の青野昇三さん。制限時間内にチェックポイントをまわり、獲得したポイントを競う「ロゲイニング」。野外で密を避けて楽しめる分散型スポーツして注目を集めています。観光対策や街の活性化など様々な目的のロゲイニング大会が全国で行われているそうですが、ここ、愛媛でも…。
佐伯)観光客向けみたいなところはどうでしょうか?
青野)それは修学旅行ですね。
佐伯)修学旅行でロゲイニング?なんかこれ良さそうですね。
青野)これはですね、評判がメチャクチャいいんですよ。
佐伯)やっぱり!どの辺りから修学旅行に来られる?
青野)コロナの前…コロナがもう無茶苦茶になる前は都立高校が来てました。昨年はコロナの中で、広島の中学校。
佐伯)その修学旅行ロゲイニングは、他の一般的なロゲイニングと違う所っていうか特徴っていうとどんなところが挙げられます?
青野)まずですね、修学旅行は土地勘がないでしょ。
佐伯)まあ、そうですね、はい。
青野)そういう部分で、ロゲイニングの基本ルールを緩くしてます。例えば、まずチーム。学校自体が偶数の人数が多いんですよ。男女分けたり色々あるんですけど。で、学校側から5名と言わず6名に幅広げてくれんやろかって言われて、2名から6名でチーム編成を。で、普通はですね、人に道を聞いたらダメなんですよ。修学旅行はOKです。
佐伯)ま、全然知らない所から来るわけですからね。
青野)それと地元の人と仲良くやってほしいですからね。
佐伯)あ、そういう!
青野)触れ合うことも学習ですから。
佐伯)目的があるんですね。
青野)修学旅行っていうのは単なる旅行じゃないですからね。学習ですから。そういうふれあいも大事だろうと。いつもね、ロゲイニングで皆さん「えっ!?」て言うのがね、ロゲイニングの面白さはですね、道に迷うことなんですよ。
佐伯)え?さっと行った方が「やった~」って感じがしますけど。道に迷うとですね、人は覚えるんですよ、場所とかいろんなことを。頭に、もう一生残ります。するとですね、迷う=不安やから、人に道を聞くということがあるでしょ。それで地元の人と触れ合えるという、そういう学習を重きを置いてますからね。
佐伯)ちょっとでも人生みたいですね。
青野)そうですね。スカッとササっと出来てしまったことは割と忘れるけど、苦労したり時間がすごくかかってしまったりとかいう事の方が忘れない。
青野)そうです。私がよく言うのは生徒さんにね、「ロゲイニングしてると問題、自分らの課題が出てくるんですよ。こっちがいいかあっちがいいか、これがいいのかとか、進み方ですよね。問題が起きた、それを放置しない。解決していくということは、それは勉強と同じだよと。勉強ができるできないってのはそういうことなんだと。だから問題が出て放置しない、解決する、それがロゲイニングの面白さでもあるし、学校の勉強と一緒だよと。
佐伯)…深い。
青野)深いですよ!
佐伯)ですね。その学生さんたち、どんなコースを巡ったんですか?
青野)一番多いんがですね、道後・松山城のセットですね。もう一つ石手寺も含んであるんですよ。石手寺、道後、松山城って入れるとですね、やっぱり5時間。
佐伯)そんなかかりますか。
青野)かかります、歩きですからね。松山城と道後は路面電車使っても OK なんですけどね。ただ道後から石手寺でも100%歩きですから。そこでまた色々迷うということになると、5時間っていうのがもういっぱいですね。
佐伯)5時間かけて松山市内の名所旧跡いろんなところを、しかも地元の人にいろいろ教えてもらいながらまわるっていう、これは忘れられない思い出ですよね。
青野)だからもう本当に喜んで帰りますよ。
佐伯)子供たちも。ロゲイニングの証拠って言うかチェックポイントをまわったっていう証明で、その箇所箇所で写真も撮るわけでしょ。それもいい思い出になりますしね。
青野)記念写真になりますね。
佐伯)なんか巻物が出てきましたけど、青野さん!「伊予国いざ松山城出陣帳」って書いてありますけど、この巻物は何ですか!?
青野)それはですね、修学旅行の生徒用に作ってる巻物です。
佐伯)あ!ロゲイニングのポイントの写真とかルールとか地図とかが、巻物になってるってのがいいですね。
青野)そうなんです。
佐伯)じゃ、今後もこの修学旅行ロゲイニングっていうのは広がっていきそうですか?
青野)広がってますね。
佐伯)もう実際に。
青野)じつはですね、二年先まで予約が入っとんです。
佐伯)え、そうなんですか!
青野)ええ。年間、予約だけですよ、変更ありますけどだいたい1000人から1500人。
佐伯)へ~。じゃ、私たちも街中でこの巻物を持った修学旅行生に声かけられたら親切に。
青野)まぁ誰でも親切でしょ、松山の人は!
[ Playlist ]
Zaz – Le Long De La Route
Cesaria Evora – Modje Trofel
Rickie Lee Jones – Someone To Watch Over Me
Povo – Million Ways
Selected By Haruhiko Ohno