今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、eSPORTSスペースプリーズ松山店のオーナー、谷本雅章さん。「eスポーツ」という言葉、よく耳にするけど本当のところどんなものなのかはっきりとは知らない、という方、じつは多いのではないでしょうか?しかし世界では競技人口が3億人を超え、経済産業省が2025年にeスポーツで3000億円の経済効果創出を目指すなど、その可能性は大いに広がっています。今回は「eスポーツとは何ぞや」から、その魅力、今後の展望までたっぷりと伺いました。


 

佐伯)谷本さんの話を聞くと「なるほど、eスポーツって本当これからどんどん伸びしろがあるんだなー」っていうのをお分かりいただけたかと思うんですけれども、ただ出始めの頃「eスポーツって言ってるけどゲームじゃん」っていうような風潮はあったと思うんです。これは大分払拭されてきたんですか?

谷本)いや、これですね、本当難しくて話し出すと多分3日ぐらいかかるんですけど(笑)

佐伯)手短にお願いします(笑)

谷本)スポーツっていうところになると、ちょっと話を遡ると、ゲームっていう中にeスポーツがあると思っていただいて結構です。ゲームはゲームで色んな遊び方があって、一人で楽しんだり皆でやるものもあるんですけど、「スポーツ」っていう印象が日本は割と汗をかくものだっていう…

佐伯)体を動かしてね。

谷本)そういうことです。でも実は「スポーツ」の意味って、検索していただいても出てくるんですけども、「気晴らし」だったり「楽しみ」だったり「遊ぶ」っていう意味合いがあったりするんですね。

佐伯)あ、そうなんですか!「運動」っていう意味じゃないんですね。

谷本)「運動」って意味ではないですね。「競い合う」とかいう意味合いもあるんですけど。それってやっぱり最初に入ってきた時に、どういう風に印象をみんな持ってるかなので。でも世界で言うと「スポーツ」は「競い合う」って意味合いも強いと思います。

佐伯)だから海外の方が先に、このeスポーツっていうのが盛んになっていたっていうのがあるんでしょうか?

谷本)そうなんですよね。あの「スポーツ」って意味にとらわれてる間に、じつは世界はどんどん進んで行っててですね、アメリカは国がeスポーツを「スポーツ」として認めてですね、「プロゲーマーはスポーツの選手ですよ」と。そういう風に国が言うと、やっぱりみんな意識変わるんですよ。あと先進国とされてる韓国・中国ではすごく発達してるんですけど、かっこいい憧れの存在で、実は女性ファンも非常に多いです。プロゲーマーが日本のジャニーズタレントのようにアイドル化したり。

佐伯)そうなんですか!まだまだ日本は、そこまでは行ってない。

谷本)そうですね。なんで、あのスター選手…こういう方になりたいなっていう、分かりやすく言うと野球でいうイチローさんだったり大谷さんだったり、ゴルフでいうと松山さんだったりっていうのがあるんですけど、こう一つ活躍する方が出るとみんな印象が変わるんじゃないかなと思っております。

佐伯)それはあるでしょうね。一方で、お子さんがね、すごく打ちこんでいると、親御さんの立場としては「ちょっとちょっと、ゲームばっかりしてないで」って言いたくなっちゃう親御さんがいるっていうのは何となく分かるんですよね(笑)

谷本)そうですね。私もですね、ゲームやってて親から本体取り上げられたりアダプターを隠されたりしたんですよね。

佐伯)そんな戦いがありましたか(笑)

谷本)ありました(笑)。「あれ、本体あるけど遊べないぞ!あ~、親は上手いこと考えたな~
」って当時は思ってたんですけども、やっぱり難しいんですね。このeスポーツって、いい面もあればもちろん悪い面もあったり、どう付き合うかっていうのが必ず大事になってくると思います。これだけ世の中にゲームというものが身近にある中で「やるな」っていうのも難しいと私思ってまして、どう付き合うかを親子の間で決めていくことが大事なのかなと考えております。

佐伯)ルール作り。

谷本)そうですね。最初にですね、そもそも論で言うとゲームって子供だけじゃ買えないわけですよ。親が許可を出して買ったりとか買ってあげたりというのがあるんですけども、そこでどうルールを作って行くかっていうのは大事なことで。まぁ一番ありがちなものが、子供が夢中になってるんですけども子供がどんなゲームをしてるか知らない。例えば先ほど話した「フォートナイト」。子どもがやってるけども親は内容を知らない。これ「不安だわ」と親はなりますよね。

佐伯)知らないことに(子どもが)夢中になってるというところからの不安。

谷本)そうですね。知らないと「遠ざけた方がいいんじゃないか」と親は判断をしてしまって取り上げてしまうっていうことがよくあるんですが、その内容を知っていればですね、プレイする時間だったりとかどういう風にやっていこうというのを親子で決めることができるので、まずちょっと知っていただくことも大事なのかなと思います。ほんと勝手に取り上げたりするのは一番悪い対応。親子関係が破綻してしまうというか、仲悪くなっちゃいますので。愛媛大学の先生も「そういうことはよくないよ」とおっしゃってました。どうしてもですね、親御さんと子どもさんがゲームの関係上手くいかんぞとなった場合って、いきなり病院に行く親御さんっていないですよね。

佐伯)まあ、そうですよね。

谷本)そうなると、私たちのような団体(一般社団法人愛媛県eスポーツ連合)に聞きに来たりとか。そういうことも私は答えるようにしてます。

佐伯)そこまでケアされてるんですか?

谷本)しないともうダメかなと。結局この受け口がはっきりしないので、親御さんってどうしていいか分かんない。ママ友に聞くわけにもいかない、お父さんの知り合いに聞くわけにもいかない、じゃあどうすんのってなったら、私たちのような人間がいるんだよと。気軽に聞いてくださいっていう風に言うことがベストなのかなと。なのでeスポーツの施設に、お母さんとお父さんが一緒に来て子供さんとですね、「この子ゲーム上手いんです。上手いんですけど、どういうことやってるかわかんないから教えて欲しい。実際どうなんですか」ってパターンもあったりして。だから「お子さんはこういうことやってて、ボイスチャットで世界の人と話しながらずっとやってるんですよ」って説明をすると、「そうだったんですね」と。じゃあこれからこういう時間の枠でやるようにしましょうよとか。それでやっぱり親子の会話が成立するようになるので、その辺りはやっぱり大事なのかなと思ってます。

  

 


[ Playlist ]
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Psapp – Chapter
Sly & The Family Stone – Runnin’ Away
Phoenix – Holdin’ On Together

Selected By Haruhiko Ohno


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