今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、砥部町出身の映画監督・大森研一さん。今月7日、監督の故郷である砥部町を舞台に、焼き物で巨大な聖火台をつくる家族の再生物語を描いた映画「未来へのかたち」が、全国公開されました。愛媛を舞台に数々の映画を制作してきた大森さんですが、特に生まれ故郷の砥部を舞台にした今作への思いは相当なもの。オール砥部町ロケで撮影期間はたった2週間!制作秘話や見どころをたっぷりお伺いしました。


 

佐伯)実際に、あの大きな砥部焼、大作を作られるっていうのが得意な白潟八洲彦さんという方が砥部にいらっしゃるんですけれども、この方もご協力…

大森)そうですね、もうまさに。僕的には勝手な想像で、そんな勝手なことを映画の都合でね、「作って下さいよー」なんて言ったら怒られるかなと思ってたんですけど、何よりもその白潟先生が「作るよ」って真っ先に言ってくださったんで、「あれ!?」って拍子抜けじゃないんですけど「作ってくださるんだ…」って。そして、その白潟先生にとっては、なかなかねやっぱり数メートル もするようないわゆる「大物づくり」って言うんですけども、これを砥部焼で作る機会っていうのはやっぱりそんなにないみたいなんですよね。なので、この先もあるかどうか実際わからないと、そういった中で今砥部焼でそのいわれる大物を作れる方っていうの白潟先生しかいらっしゃらないので、これを若手の陶芸家作家さん達にどっかでやっぱり伝えなきゃいけないと思っていたみたいでして、「今回の映画の時っていうのはすごくいいきっかけになったんだよ」って言ってくださるんですけど。僕自身も何度も通わせて頂いて、撮影の前からずっとその皆さん若手の方が、もちろん昼間はそれぞれ働いていらっしゃいますので、夜な夜な集まってずっと作り続けて下さったので、まあその中で白潟先生が指導頂きながら作り方と言いますか、どういう風にあの巨大なものが、すごく長い時間かかりますので、もちろん成形して焼いて、その焼き加減、時間のかけ方…どれくらい期間を取って乾かすのかとかも含めてですけど、それを身をもって皆さん伝わっていったんじゃないかなと思います。

佐伯)白潟さんというのは、現代の名工にも選ばれている凄い職人さんで。実際に大物の砥部焼「生命の碧い星」、地球の形をかたどった本当に大きな作品を制作されて、それが実際に国連に展示をされているというすごい方なんですけれども、白潟さんにもちょっと取材などでお話しさせて頂いたことがあるんですが、確かにお話させて頂いてる時はすごく気さくな優しい方で。

大森)うん、そうですね。

佐伯)なんですけど、さっきおっしゃった「あ、作るよ」っておっしゃった部分っていうのが、劇中で橋爪功さんが「やったらええがぁ」って言うところとちょっと重なってくるなぁなんて思ってたんですけれども。白潟さんは実際にこの映画はもうご覧になった?

大森)そうですね、見て下さいました。

佐伯)感想なんておっしゃってました?

大森)「いや~、ええもんが出来たわい」的に言ってくださいましたけどね(笑)。何よりやっぱりすごく大きなものを作っていくっていうのが、映画の中に映像で残せたっていうのも大きかったと思うんですけど。で砥部焼の窯元さん達っていうのは「映画になるって言うのはやっぱりすごい並々ならぬ感動がある」という風におっしゃってましたね。
佐伯)映画の中でも家族の差異性の物語というストーリーがもちろんあるんですけれども、その裏で動いていた皆さんの部分っていうのも、これドラマというか映画になり得るくらいな…

大森)そうなんですよ。なので本当に裏では同じような事が起こっていた、もう一個のドキュメンタリー番組が本当に作れるぐらいな出来事がたくさん起こっていたっていうことですね。結構ね、今まで愛媛で色んな…宇和島であったり新居浜であったりっていう経験を僕も培わせて頂いたので、それを本当に結集したようなのが今回の砥部映画だったんですけど、皆さんのその力っていうのが、裏で支えてくださったその場面っていうのは、本当にもう一個作りたいぐらいですね、映像作品を。

 

 

 


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Selected By Haruhiko Ohno


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