今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、バラの花束通販ショップ「ベルローズ」代表の岡野ゆきさん。今まさに見ごろを迎えているバラについてのお話をアレコレお伺いしました。一説には2万種以上もあるというバラには、もちろん流行もあり、品種改良もあり、どんどん進化しているそうです。また、岡野さんのバラは皇室に贈られたこともあるそうで…。
佐伯)きょうスタジオにお持ちいただいている花々が、今まさに人気のお花ということなんですがちょっとご紹介いただけますか?
岡野)今3種類持ってきているんですが、それぞれちょっと形が違っています。
佐伯)そうですね、まずはこの白っぽい花びらで、縁取りのところだけとっても綺麗なピンク色に染まっているという、このお花は?
岡野)これは「バルセロナ」という品種なんですけれども、この蕾の形で私たち出荷をしているというか切るんですね。そしたら、もうこのお花はどんどんふっくらと…今咲いてるほうも持ってきているんですが、こういう風に開くまでに結構な時間がかかるんです。なので変化も楽しめて、そしてすごく長持ちもする品種で、香りはちょっとしないんですけれども、切り花の初心者の方にはとっても人気なので、私は「まずコレをお試しください」という風におすすめすると、皆さんこのバルセロナの大ファンになって、「またバルセロナありませんか」っていう風に来られますね。
佐伯)そうですか。蕾の状態ですと花びらは、まだ白い部分が目立っていて…
岡野)グリーンがかった…
佐伯)ですよね。これが開いてくると、その縁取りの所のピンクが鮮やかに目に入ってくるという、その変化が楽しめるわけですね。そして、そのお隣にあるのが紫のバラ!
岡野)こちらは「ブルーミルフィーユ」という品種なんですけれども、ミルフィーユという名前がついているだけに、すごく花びらがぎっしりミルフィーユ状に咲いていると思うんですけれども。これはすごく長持ちをするのと、落ち着いたニュアンスカラーということで人気なんですが…
佐伯)あ、長持ちするんですね。
岡野)はい、「バルセロナ」とは違って、ここまでミルフィーユ状態が見えてから切って出荷をしてます。
佐伯)じゃ、バルセロナよりは少し蕾が開いた状態で出荷をなさるという。
岡野)はい。
佐伯)あの、昭和の少女にとって未完の大作の『ガラスの仮面』という少女漫画がありまして…
岡野)ご存知なんですね(笑)
佐伯)もちろんです!で、この紫のバラっていうのが、主人公の少女を応援してくれる方がそっと贈ってくれる花ということで、もう本当に憧れの存在ですけど、紫のバラってやっぱり素敵ですね。
岡野)そうですね、日本人の方ってやはり紫が好きな方が多いらしいですね。
佐伯)すごく高貴な感じがします。
岡野)やはり昔から高貴な色として一番上の…紫色っていうのは色ですけれども、すごくその中でも落ち着いて長持ちするということで人気です。
佐伯)「ブルーミルフィーユ」。これはちょっと日本人の DNA にも働きかけてくるようなお花なんですね(笑)。そしてもう一つが深紅の…
岡野)これは「キララ」っていう品種なんです。
佐伯)キララ!
岡野)「キララ」はご覧頂いているように、これも「ブルーミルフィーユ」以上に花びら数が多いんですが、中の芯が見えているぐらいなんですね。すごく花びらが開かせて切る理由は、木についている時でないと自分で開けないんですよ。これだけの花びらがあるので、切って水だけだとしんどくて自分で開けないので蕾で終わってしまうんです。なので、こうやって芯まで見えてきたらやっと切るみたいな事なんです。ただ、このままなんです、ずっと。切ってしまってお家で飾っていると、先ほどの「バルセロナ」とは違って変化があるわけではなく、じっとしてる感じですね。
佐伯)この咲いた状態で長持ちするっていうことなんですね。
岡野)そうです。
佐伯)それぞれやっぱり個性が違いますね。そのほか、どういったバラがありますか?
岡野)スプレーバラももちろんあったりとか、早く咲いてしまうから蕾のうちに切ってしまうバラとか、色々種類は育てています。
佐伯)なんでも皇室にゆかりのあるバラもあるとか?
岡野)ありがとうございます。ちょっと今日もお持ちできなかったんですけれども、「ラ・カンパネラ」というピアノ曲にもなっている名前がついているバラなんですが…
佐伯)リストの。
岡野)はい、あのヒラヒラとしたドレスみたいなオレンジ色のバラなんですけれども。こちらは、美智子さまがピアノを習われているんですけれども、そのピアノの講師の先生とご縁のあるうちのお客様がプライベートで、皇居の方に美智子様のピアノの御縁で2回ほど行かれた事があって。平成13年と18年と、その時に手土産として持って行っていただいたんですけど、私は手土産って知らずにお渡しして、お客様が皇室の方に持って行かれたんですよ。
佐伯)まあ!
岡野)言ってはいけない、事前にそのお花に例えば何か仕掛けられてはいけないので事前に多分これがプレゼントですからっていうふうに生産者には伝えられなくて。その方も「ホテルに飾るから送ってほしい」っていう風におっしゃったんですよ。
佐伯)そうだったんですか。
岡野)それで私も、だから「そうなんですね。ホテルに飾るんだったら」って、まあそんなラッピングもせず、なんかヒャヒャってこう包んで送ったら、後でそういう風におっしゃってね、「それだったらちゃんとラッピングしたのに!」って(笑)。だから私たちの本当に考えを超えると言うか、もう何て言うんですかね、勝手にバラたちが出かけて行ったみたいな感じです。
佐伯)でも、そのピアノ曲の名前のついたバラが結ぶ、今の上皇后陛下との御縁っていうことで不思議ですね。
岡野)不思議です、はい。
[ Playlist ]
Kings Of Convenience – Peacetime Resistance
Fernanda Porto – Auto-Retrato
Batteaux – Tell Her She’s Lovely
Mark Murphy – Why Don’t You Do Right
Oasis – Songbird
Selected By Haruhiko Ohno