今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、西条市でアウトドア・アクティビティを提供するプロジェクト「東予人」主宰の大須賀一仁さん。海あり山ありの豊かな自然を生かした、自転車のお散歩(!)というイメージのポタリングやカヌーなどのアクティビティは魅力いっぱい。でも、大須賀さんにかかると、アウトドアって「野外でのレクリエーション」ばかりではなくなるんです!
佐伯)先ほどアウトドアと林業の結びつきっていう取り組みをご紹介いただきましたけれども、あとちょっと気になる写真がありまして。皆様、あの…頭を綺麗に剃っていらっしゃる…。
大須賀)お坊様ですね。
佐伯)お坊さんですね、やっぱり!お坊さんとの集まりで…これは何の集まりなんですか?
大須賀)ちょうど去年の2月なんですけども、愛媛県の若手のお坊さんたちの集まりの中で、色々やっぱり普段からお寺の役割とか勉強会っていうのが開かれてまして、仲良くなった方と「アウトドアとお寺って何か一緒にできへんかな?」というのはご相談いただいたんですね。
佐伯)アウトドアとお寺、はぁ。
大須賀)そちらの副住職ご自身もキャンプ大好きだったりするんですけれども。西予でね、大雨での水害が出たりとかいうのを受けて、愛媛県のお寺さん同士の中でその時にも動かれたそうなんですけれども、災害に備えたりしていくっていうことを自分たちで作ろうということで。で、これモンベルのアウトドアオアシスのところの会議室を借りてやったんですけれどもね、実際にお寺さんは、例えば大きな避難所と違って赤ちゃんとか障害者とかお年寄りとか、そういった方々が身近に避難できる場所として使えるんじゃないかとか。それからお寺の宗派にもよるんですけれども、朝は護摩木を炊かれたりとか、火を使われることも非常に慣れてらっしゃる方が多い。「じゃあキャンプで薪に火をつけるより、お坊さんの方が火をつけるの上手じゃない?」という話になって。
佐伯)え~(笑)、はい。
大須賀)たとえばお寺ごとに、防災のお金の高いものを揃えるんじゃなくって、山で使われていない…例えば手入れできてない放置林から出した木をそのまま薪としてストックしといてもらったりとか、そういうことで災害に備えていけるよね、というような話をしました。この時も、西条市にありますクロスポイントさんという山のプロの方にも来て頂いて、例えばリスク管理の部分で、雨が多いと情報が出る前に自分たちで判断して避難を先にしようとか、いろんな呼びかけもしてもらったんですけど、それも完全にアウトドアのリスクマネジメントの視点なんですね。だから「繋がること」っていうのがきっかけやと思って、それぞれお寺さんだけの勉強会、アウトドアだけの勉強会やるよりも、じゃあくっつけたらこんなこと共通点いっぱいあるよねっていうことを見つけ出して、みんなである意味提言的にして、実際に実践に結びつけていけばということで。今度は実際にお寺さんと一緒に避難訓練やりましょかと。そんなことも今計画中です。
佐伯)そうですかぁ。本当にアウトドアっていう単語だけを聞くと、それこそキャンプであったりとか、アクティビティのことをパッと思い浮かべる方がほとんどだと思うんですけれども、大須賀さんたちの活動を聞いていますと色んな所で結びついて、アウトドアってとっても身近なものなんだなっていうのを今日改めて感じました。
大須賀)ありがとうございます!
[ Playlist ]
É Arenas – Permission for Indifference
Chet Baker – That Old Feeling
Sade – By Your Side
Neil Young – Harvest Moon
Selected By Haruhiko Ohno