今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、「大三島みんなのワイナリー」の醸造家、川田佑輔さん。そう、川田さんはミカンの島・大三島で、ぶどうを栽培し醸造まで行う「完全大三島産」のワインづくりに取り組んでいるんです。川田さんには、ワインそのものの魅力から大三島ワインの特長など奥深い世界を御紹介頂きました。そして、気になる大三島ワインの味わいは?
佐伯)ついに、この時間がやって参りました。きょうはワインをお持ちいただいておりまして、試飲タイムということで、リスナーの皆さんをちょっと勝手に代表させていただいて私、試飲をさせていただきますね(笑)。きょうお持ちいただいたのは、どういうワインでしょう?
川田)はい、きょうはですね、去年仕込みました2019年度のマスカット・ベーリー A とシャルドネを混醸したものになります。
佐伯)へ~。
川田)マスカット・ベーリー A は赤用品種、シャルドネは白用の品種なんですけれども、そちらを混醸することで赤ワインとして仕上げたものになります。
佐伯)え、面白いですね。
川田)ベーリー A のイチゴのようなフレッシュな香りとシャルドネの白ワインらしい溌剌とした香りが調和されていて、非常に飲みやすいワインに仕上がってると思います。
佐伯)そうですか。
川田)~コルクを抜こうとする~ …あ、コルクが割れそう!?ちょっと待ってください。
~ポン!(コルクが抜ける音)
佐伯)お~、いい音!
川田)ちょっと、すごい大きな音が出ましたけど(笑)~ワインを注ぐ音
佐伯)あ、ほんとだ!すごくフルーティーな香りがしますね!
川田)そうですよね。マスカット・ベーリー A ってもともと日本の国産品種なんですけれども、特徴としてはイチゴの香りとよく言われるんですよ。
佐伯)へ~。
川田)そういったイチゴの香り。で、あとはシャルドネのちょっとトロピカルな香りが良く混ざりあって、すごくフルーティな香りになってると思います。
佐伯)そして、注いでいただいた色もすごく綺麗ですね。
川田)ありがとうございます。
佐伯)ルビーを思わせる。
川田)ええ、ルビー色の。
佐伯)ではでは、いただきます。
~試飲~
あぁ、飲みやすい。
川田)ありがとうございます。
佐伯)あの、赤ワインって、もっとこう重いイメージがあるんですけど、さすがにシャルドネ、その白ワイン種とブレンドされてるから…
川田)そうですね、品種によっては結構重みがあってよくお肉と合わせるってイメージなんですけれども、このマスカット・ベーリー A という品種自体が結構軽やかな品種で渋みも少ないですので、すごく飲みやすい、うん、楽しんでいただけるかなと思います。お料理との相性も非常に良くて、お料理を邪魔せずに調和してくれるっていうような、そういったワインでもありますので。
佐伯)本当に口当たりが軽やかで、でも香りはものすごく華やかですね。あ、こういう味わいがあるんですね。このワインが、えっと2019年の…
川田)マスカット・ベーリー A、シャルドネの「島紅(しまんか)」という名前のワインになります。
佐伯)しまんか?
川田)はい、島の紅と書いて「島紅(しまんか)」という造語なんですけれども。
佐伯)わぁ、これちょっとなんか…ついぐいぐい飲んじゃいますね。
川田)そうですね(笑)、結構するするっと身体に入っていくワインかと思います。
佐伯)私そんなにお酒強いほうじゃないので、あんまりパンチがきいてるやつは躊躇しちゃうんですけど、これは思わず飲み進めてしまうタイプの(笑)、美味しいワインですね。でも、あんまり他で飲んだことのない味わいかも。
川田)本当ですか!ああ、ありがとうございます。結構あの、国産の日本のワインの特徴としては、よく海外のワインと比べられると薄いとか水みたいって表現はよく言われてしまうんですね。ま、海外の方がやっぱり気候条件的に日本と違ってますんで、もっと凝縮したぶどうが取れるので味わいがしっかり出るんですけれども、ただ日本のワインは海外のワインと比べれば決して味わい的にはそんなにしっかりはしていないんですけれども、非常に繊細で、飲み疲れない。飲んでいても全然疲れない、自然に飲めるような味わいのワインがやっぱり多いので、そういったところはやっぱり海外のワインとは大きな違いかなとは思います。
佐伯)まさしく。で、ちょっと思ったのが、これ2019年ヴィンテージワインということなんですけど。ヴィンテージっていう単語だけ聞くと古い物なのかなと思ったら、2019年ヴィンテージワイン?
川田)もともとヴィンテージというのは「年」という意味になりますので、2019年ヴィンテージというのは、まぁただの2019年の年のワインっていう意味合いになるので。
佐伯)あ、そういうことなんですね。
川田)そうですね。ただ、ワイン飲まれてる方だと、特別な年号がついているというのはやはり自分のお誕生日の生まれ年であったり何かの記念のワインになりますので、ヴィンテージと言うと今から遡ってを指す言葉になるので古いというイメージが多分ついてくるものになってくるのかなと思います。
佐伯)ところで開けていただく時に拝見してたんですけど、これ私がよく見てるワインって、コルクのまわりって、なんて言うんでしょ、なんか金属…薄い金属みたいなので巻かれてて、それを剥いてコルクに刺してっていう感じなんですけど、これ、その金属じゃないですよね?
川田)そうですね、弊社のワインはコルクの部分をですね、蝋で封印をしておりまして…
佐伯)あ、これ蝋なんですね。
川田)そうですね、蝋でキャップをしております。
佐伯)そういうのってよくあるんですか?
川田)結構少ないとは思うんですけれども。
佐伯)初めて見たかも。
川田)あ、そうですか(笑)。あの蝋でキャップをしますと、結構一本一本やっぱり違った形になってくると。その作り手の手の跡が見えるというような思いを込めて、蝋にさせて頂いております。すごく少数の生産で、一本一本がやっぱり自分にとってはもう我が子みたいなワインですので、その一本一本というのはそれぞれ違うワインですので、その違った個性を、特徴を、思いとして蝋で表現させていただきたいと思って、この蝋のキャップを使用しております。
佐伯)うわぁ、この封の仕方にもこだわりがあるんですね。
川田)やっぱり蝋の付け方によって形が変わったりだとかね、それぞれの変化がありますんで、同じワインであってもやっぱりそういった特別感のある一本になってくるのかなと思います。
佐伯)まさに。
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Selected By Haruhiko Ohno