今週、坂の上に訪ねて来てくださったのは、株式会社リプルエフェクト代表取締役の山田敬宏さん。プロダクトデザイン事務所の代表で、かつ「松山テイクアウト部」の立上げメンバーのお一人です。松山市周辺の飲食店のテイクアウト情報を発信し、コロナ禍で苦労する飲食店と市民を結ぶ取組みとして注目される「松山テイクアウト部」。さらに、「宅タク便」という、全国初の仕組みにも挑戦されているんです。
佐伯)「宅タク便」。宅配便の宅、お宅の宅に、カタカナのタクで「宅タク便」ということなんですけれども、こちらはどんなサービスなんですか?
山田)先ほど申し上げた「テイクアウト部」に登録して頂いた店舗さんの中で、どうしてもデリバリーができないって店舗さんも結構あるんですね。デリバリーのスタッフを抱えられないっていうお店さんが。ならば、そういうとこに関しても何かということで、「宅タク」の宅はお宅の宅、真ん中のカタカナのタクは「タクシー」のタク。
佐伯)あ、タクシーのタク!
山田)タクシーがお店まで注文した食べ物を取りに行って、そのタクシーが自宅まで持ってきてくれるというデリバリーサービスになります。
佐伯)この場合、そのテイクアウト商品+タクシー料金がかかってくるって言う考えですか、利用者にしてみれば。
山田)じつは県外で同じようなサービスがあって、それは今まさにおっしゃった通り、タクシー料金が別途かかるっていうのがあるんですが、我々はこれ日本初の形って聞いてるんですけど、企業さんからいっぱいの寄付金をいただきまして、その寄付金の中でタクシー代の部分を、デリバリーの商品に関してはケアしていくと。ですので、お店からご自宅が4.4 km 以内であれば無料で、となります。
佐伯)その宅配料と言うかデリバリー料金は無料なんですか?
山田)そうなんです。ただ、お店で2000円以上買ってねっていうのはあるんですけども。
佐伯)2000円以上注文すると4.4 km 以内であれば配送料が無料であると。画期的ですよね!
山田)そうですね。
佐伯)さっきおっしゃった寄付金を出してくださっている企業っていうのは、そのテイクアウト商品を出してるお店っていうのとはまた全然別の企業なんでしょう?
山田)全然関係なく愛媛県内でも大きな会社さんとか中堅どころの会社さんとかがCSR っていう形で。
佐伯)社会貢献活動にという。
山田)はい、その一環として賛同いただきまして寄付をいただいてるって言う形です。
佐伯)これすごい仕組みですね。
山田)そうですね。先ほど申し上げたとおり、まだ日本で他のところでやってるって言うのを聞いてませんし、他の地域からの議員さんとか、あとはそういう職員さんの方からの問い合わせが結構あるというのを聞いてます。
佐伯)タクシー業者さんも、あれだけ外出自粛っていうのが言われてますとタクシーを利用する方自体もすごく減っていたので・・・。タクシー事業者さんにも寄付金の中から幾許かっていうことでしょう?
山田)そうです、もちろんタクシー会社さんにボランティアでやってくれっていうのも酷な話なので。テイクアウト部を動かしていた間の話の中にですね、タクシー業者さんもかなり疲弊してると、ちょっとしんどい思いしてると。中にはもう廃業されたタクシー業者さんもあるんだよと。で私はまぁ聞いた話でしかないですけども、松山市内のタクシーが100台ぐらい、コロナ前と今とでは減ってるって言う話もあるぐらいで。そこで何らかの形で一つ支援が出来ればっていうのもありました。
佐伯)じゃ、テイクアウト商品のデリバリーをしたいけれども、配送の要員・方法がないっていうお店も助かる。それからタクシーの会社も助かる。そして企業でCSR の道を色々考えてらっしゃるところにも、その道筋の一つとして選んでいただける。すごいですね。
山田)そうですね、すごいですね(笑)。
佐伯)じゃ、この仕組みを考えつかれたってことですか?
山田)そうですね、考えついたのは実際はグループっていうかチームの中にいらっしゃる方が考えられて、実は同時にもう一つ別のルートからもタクシー業者さんを助けられないかっていう相談が私の方にありまして、それがたまたま重なった時がありまして。で、ネットで会議をずっとしてるんですけど、ネット会議の中でそういうのがあって、そしたら先ほど申した通り皆動きが早いんでね、とにかく明日行こう!みたいなノリで、急にもう次の日にはタクシー会社に行って「こんなんあるんだけど」っていう話をしたとか、そういうレベルの話ですね。
[ Playlist ]
Stereophonics – Nice to be out
Batteaux – Tell Her She’s Lovely
Bonnie Raitt – Papa Come Quick (Jody And Chico)
The Fifth Avenue Band – One Way Or The Other
Mark Murphy – Why Don’t You Do Right
Selected By Haruhiko Ohno