今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、アートベンチャーエヒメ事務局で、株式会社NINOアートディレクターの二宮太一さん。アートベンチャーエヒメとは、愛媛県・東京芸術大学・県民が連携し、アートを通じて愛媛の未来を創造するアートコミュニケーションプロジェクト。その活動にかかわる「ひめラー」3期生が現在募集中ということですが、特に美術やアートに造形が深い方を対象にしているわけではないそうで…。今回は「アートベンチャーエヒメ」をテーマに、「全国に先駆けて」「ひめラーへの道」「アートを掛け合わす、ということ」という3つのテーマで、お話を伺います。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。
佐伯)アートコミュニケーター「ひめラー」あってのアートベンチャーエヒメということで、これまでアーティストの方が地域の人々と関わって作り上げたもの、どんなことが印象に残ってますか?
二宮)それで言うとアートベンチャーエヒメ2025っていうのが一番わかりやすいものなのかなと思っていて、アートベンチャーエヒメフェスの、そのフェスティバルにおいても「ひめラー」は大いに活躍してくれましたし、その中で特に「砥部ミュージアム通りゾーン」っていう会場があったんですけど、そこでアーティストの古武家賢太郎さんとグラフィックデザイナーの尾崎強志さんが「IGIRIS」というユニットで参加してくださったんですね。その方々は砥部っていうこともあって砥部焼に着目していただきまして、砥部焼の新たな模様を作ろうという「とべまちもよう」というのを考えようというような取り組み…アート作品を何か作るっていうことではなくて、地域の子供たちとコミュニケーションをとりながら、地域の子供たちが自分たちと一緒に新たな砥部焼の模様を考えようというようなことを、作品としてしていただいたんですね。
佐伯)あ~、その一緒に考えようっていうことが作品なんですね!
二宮)はい、なので子供たちと一緒に実際にはワークショップをして、砥部ミュージアム通りのゾーンの地域を巡って、いろいろ地域を深掘りしてみたり、いろんなところを観察したりして、子供たちと一緒に模様を考えていきました。
佐伯)砥部焼の模様っていうとたぶん多くの方が思い浮かべる、そもそもの唐草模様ってありますよね。だからそれとは違う新たな葉っぱの模様…
二宮)そうですね。何もそういう、僕たちが思うようなパッと出てくるようなものではなく、子供たちの柔軟な発想で新たな模様ができることを考えたいなというようなものです。
佐伯)でも子供たちも「新しい葉っぱの模様を作りましょう」って言っても、それこそ、それぞれにイメージする葉っぱって全然違うでしょうし…ね?
二宮)そうですね。実際にいろいろ大体1キロぐらいいろんな周辺を回ったんですけど
佐伯)あ、歩いて、実際に。
二宮)例えば砥部焼の昔使っていた登り窯の煙突に弦が巻かれてる、その煙突自体に着目した子であったりとか、途中にたまたまどんぐりの木があって、どんぐりの実がまだ茶色くなってないものがついたまんまの様子が、なんか初めて見たみたいで、それにすごく感銘を受けて、それを模様にしたりとかっていうようなことがいっぱい起こりましたね。
佐伯)同じ道を歩いても、子供たちそれぞれの着眼点も違うしっていうところが面白い!そこをアーティストの皆さんがどう汲み取っていくかみたいな。
二宮)そうですね。実際にこの作品っていうか、古武家賢太郎さんたちがやったものとしては、子供たちは子供たちで子供たちなりの模様を一緒に作る。それぞれ参加した子供たちが1人1人模様を作るし、古武家賢太郎さん自体もリサーチをして、一緒にしたときのそれで模様を作る。最後にはその子供たちの模様と、古武家賢太郎さんの作品を合わせた作品みたいなのも作って、ともに皆で作品を作り上げたって感じですね。
佐伯)まさに地域が一つになって作り上げたものっていう形になったんですね。だけどこれ、子供たちにとっても本当にかけがえのない経験ですよね。
二宮)そうですね、なんとはなしに見て、たまたま応募したけども、すごくとてもいい経験になったというような声もいただきましたし、とても良かったのかなと。
佐伯)ですよね。こういう取り組みに参加することで、普段あんまり意識してなかった砥部焼について改めて考えたりとか、それからその歩いてる道、自分の故郷にこんな木があるんだ、どんぐりってこんなになってるんだとか。何かを探して過ごすと、今まで見過ごしてたものが急に見えてきたりってあるじゃないですか。だからそういう意味では、故郷の見方とかも変わったんじゃないのかな。
二宮)そうですね。なんかとても子供たち自身も、通学路とかも含まれてたんですけど、そういうふうに見たことがなかったとか、こんなに植物がいっぱい植わってるんだとか、その新たな気づきとか。砥部焼自体も知らない子供たちもいるので。実際に絵付けをするんですけど、そういう手法であったり、新たな知らなかったことに触れることで、新たな地域の良さを知れる、すごくとてもいい機会になったんだなというふうに実感しました。
佐伯)もしかしたら、その子供たちの中から未来の砥部焼作家が!
二宮)そうですね、そうなると最高ですね(笑)




