今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、愛媛大学次世代人材育成拠点地域未来教育部門特定教授の小田哲志さん。令和6年度に発足した次世代人材教育拠点の中で、地域未来教育部門というのは、地域未来教育の機能を強化し、人口減少加速エリアの教育課程開発を通して魅力化推進の事業を実践するなどして注目されています。今回は「教育と地方創生」をテーマに、「上黒岩岩陰遺跡のポテンシャル」「黒板アート体験」「中学生たちが英語でボランティア」をキーワードに、久万高原町での取り組みについてお話を伺いました。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。
佐伯)上黒岩岩陰遺跡を通して、どんな地域創生が可能だとお考えですか?
小田)上黒岩岩陰遺跡には大きく四つの価値があると私は考えています。まず一つは岩陰のヴィーナス、先ほど申し上げた女神石です。これは女性がもう本当に1万年以上活躍していた…つまり、今、男女共同参画社会が大事だと言ってなかなか達成できないでいる、それがこの地では1万年以上行われていたんだろうという想像。そして二つ目が頭蓋骨陥没骨折とか、腕に骨折のある障害者と思われる人骨がきちんと埋葬されていたという骨が見つかっているんだそうです。つまり当時だったら、それこそ弱肉強食で弱い人は淘汰されていってしまいがちだと思うんですけれども、その方々が障害を持ってる中でも生き続けていたという証拠なんだそうです。これを見るとやはり今叫ばれているダイバーシティがここに展開されていたんだろうと。それから犬と同じ場所に埋葬された、埋葬犬って言われたやつですね。これも動物と人間が共生されていたと。つまり、ペットではないんですけど同士であったり戦友だったり、そういう意味合いがあったんだろうと思いますけれども、こういうことが現実として展開されていたと。それから先ほどの腰骨に槍が刺さっていたという骨ですね。これも事故なのか争いなのかわかりませんけれども、なぜ平和な世界にこういうものがあったのかなんて考えることができるんじゃないかと思うんですけれども。やっぱりそれこそ何でしょう、こういうことを考える場として、縄文人が投げかけるテーマ、縄文人からの問いかけのような気がするんですよ。今の時代何してんのみたいな。それをここにきて、耳を傾けながら、自然の音を聞きながら、深く考えていく、そんな場にできたらいいんじゃないかなと。出土品の意味を考えながら、感じ考え行動する教育&まちおこしみたいな。それが観光に繋がるんじゃないかなというような多くの意味を持ってる。それを期待しているというところです。
佐伯)実際にその場所に足を運んで、さっき教えていただいた四つの価値が現代社会にも投げかけられているメッセージだっていうあたりを考えてもらう。すごくいい取り組みだなと思うんですけれども、その場所に足を運んでもらうための面白い取り組みっていうのもされてるんですよね。
小田)そうですね。実は昨年度からやったんですけど、これは伊東正次くんっていう同級生の画家の発想なんですけど、イメージとしては「ねぶた祭」のねぶたを思い出してもらったらと思うんですが、この岩陰文化の里には旧山中家という古民家、建ってから300年ぐらい経ってる古民家があるんですけど、そこに伊東くんの縄文絵をはめて内側からライトアップして、ほのかにその周辺環境に夜、美しく輝くという。そんな取り組みをしてるんです。また岩陰の方ではですね、アート・オブ・ライトっていう、これも昨年度から始めたんですが、まず大きな上黒岩の岩陰にライトアップして、それから岩陰だったり周辺施設に…プロジェクションマッピングと言わなかったのは、ちょっとプロジェクションマッピングと言って期待されて「来たらそうでもないな」っていう話になっちゃいけないので(笑)、「そうだ、アート・オブ・ライトにしよう」っていうことで名前を変えて、命名したという。
佐伯)アート・オブ・ライト、いいじゃないですか。
小田)なので、そういう番組を、短い番組を作って流すというのを去年のクリスマスにしたんですね。
佐伯)どんな映像だったんですか、中身は?
小田)これは遺跡にですね、プロジェクターでライトアップしたんですけれども、これは犬や猫、または犬や猫とその飼い主の写真、仲むつまじくペットと飼い主さんが写ってるとか、家族で一緒に写ってるとか、そういう写真を投影したんです。
佐伯)さっきおっしゃった、この上黒岩岩陰遺跡で人間と犬が共生してたっていう、その地で
上映することに意味がありますね。
小田)そうなんですよ。先ほど言った四つの意義の中で、どれが一番初めに取り組みやすいかなと思ったのが、このペットと共生をしている写真を投影することだったんですけれども、何か感じるものがあるんじゃないかということで取り組まさせていただいたということです。
[ Playlist ]
Edu Lobo – Upa Neguinho
Rickie Lee Jones – On The Street Where You Live
Aztec Camera – Orchid Girler
Sim Redmond Band – Life is Wat
Selected By Haruhiko Ohno




