今週は「坂の上の雲ミュージアム」から生放送!松山市シティプロモーションアドバイザーの赤松隆一郎さんと松山市シティプロモーション推進課の篠崎亮さんをお迎えして、松山市のブランドスローガン「幸せになろう。」の誕生秘話や込められた思いなどを伺いました。松山市出身のシンガーソングライターであり、クリエイティブディレクター、CMプランナーとして数々の心に残る作品を生み出してきた赤松さんが、令和の今だから伝えたいメッセージやふるさとへの想い。スローガンの最後にある「。」にも理由があったり…。誰もの心の中にあって、だけど普段は意識していないかもしれない「幸せ」について改めて見つめ直す、そんなあったかい雰囲気のトークが広がる一時間でした。

番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。


篠崎)令和に入ってやっぱ世の中が変わってコロナ禍になって、社会状況とか皆さんの暮らしが一変してっていうこともあって、元々このブランド戦略というのが10年間の計画っていうこともあって、ちょうど変わる、変えるタイミングっていうところもあったので、そこでちょっと今回新しい戦略を作り直して「これからのまちをどう進めていくか」っていうところを考えていこうと。その軸に新しいスローガンを作ろうというところが、今回この新しい「幸せになろう。」を作ろうとしたきっかけ、経緯ですね

佐伯)そこで白羽の矢が立ったのが、シティプロモーションアドバイザーの赤松隆一郎さんということで…

赤松)白羽の矢だったんだ(笑)。ちょっとどんな矢かわからないけど、とりあえず矢は立てられた、そんな感じはしましたけど。

佐伯)で、赤松さんが打ち立てたのが「幸せになろう。」という…

赤松)そうですね、まあ打ち立てたというか、なんかこう…それが出てきたっていう感じもあったというか。いま篠崎さんが言われたように「いい、加減。まつやま」(以前のブランドスローガン)っていう松山のいいところ、今っていう佐伯さんがおっしゃってたように、ちょうどいい言葉の感じっていうのがあって、それは松山の現在地っていうのをずっとこう示した言葉だったわけですけど、そうやって例えば町と、ちょうどいいサイズだったりとか、暮らしやすいみたいな「いい加減である」っていう結果、その人たちが暮らしていったり移住して移り住んできたりして、その先にそうした結果その「いい、加減。まつやま」の先に何があるのかっていうところを考えて、それが次の目指す場所になるっていうことかなと思ったんですよね。そんな中で、もちろんデータ的な調査とかもやったんですけど、でも一番大事にしたのは、移住されてる方の1on1のインタビューをしてるんですよ。直接シティプロの皆と僕も毎回必ず会って、それで大体1時間から1時間半ぐらい…

佐伯)一組ですか?

赤松)そうです。その移住されてる方の、暮らされてる方のお話を聞くんですよね。それをずっと聞いていく中で、その言葉を後で拾っていって、その中で皆の中で共通して出てきたものとか、それからタウンミーティングの中の議事録とかそういったものを全部テキストで見たやつから出てきたものとして、何かみんながぼんやり口に出してる言葉の中の考えに「幸せ」っていうことが浮かび上がってくるっていうのがあって。ここに行けば、ここなんじゃないかっていうふうに思ったっていうのがあるんですね。それが、あったんですよね。で、全然違うじゃないですか「いい、加減。まつやま」っていうこととね。そこで、でも「幸せになろう。」っていう、言ってしまえば町が、っていうか都市が何のために存在するのかっていう、そういう「町の存在意義」っていうところにまで踏み込んでるっていうことなんですよ。それはすごく根っこの部分というか、なんか「この町はこういう特徴があるから」とか「こんな町だからいいですよ」っていうところを超えてるというか。もうちょっとスコープを長くして、その先にそこで生きてる人たちが何のために、居心地のいい場所に住むのはなぜかとか、ちょうどいい町に、ちょうどいい松山に住んで生きていくのはなぜそうするのかってなった場合、それって、その人が幸せに幸福に生きていくっていうために町は存在するし、そのために市っていうのがあるっていうふうになると、すごく普遍的な当たり前のところに行ってしまったっていう(笑)

佐伯)しまった(笑)

赤松)しまったっていうか、いった(笑)。それはたぶん、これだけ皆さんの話を聞いてインタビューを聞いた上で、調査をしたり皆でいろいろ討議した上で出てきたものであれば、そこは間違いないはずだっていうふうに。間違いないっていうふうに確信をもつことは簡単でですけど、それは間違いないはずだというふうに信じているという状態ですね。

佐伯)ああ、そうなんですね。いま伺っていて確かに「いい、加減。まつやま」という素敵なスローガン、それは「今ここ、すごくいいとこだよ」っていうことが発信された。で、その先、これからっていうのを見据えたスローガンっていうところ、ものすごくそうなんだなって腹落ちしたんですけど。なおかついろんな方にたっぷりお話を聞かれて、根底は…今ほら多様性の時代だから、価値観とか目指してるところとかって本当に人それぞれじゃないですか。だけど「幸せになりたい」っていうのは、これ誰しもに根底として通じてる、そのところをちゃんと拾われたスローガンだなっていうので、逆にね、ハッとします。

赤松)そうなんです、なんかこう…もちろん発表したときにいろんな声があるわけですよね。いちばん言われがちというか、「それはそうですよね」って1回受け止めるんですけど、「それってどこの町でも言われることじゃないですか」っていう。

佐伯)あ~。まあ「人として」って感じですもんね。

赤松)つまりその「別にそれ松山だけじゃなくて、どこの市でも町でも言われることですよね。そんなことをわざわざ松山で言う必要が何があるんでしょうか?」みたいなことを言われる。そういうご意見もあるし、ただ、それについてももう散々我々も議論もしたし、そこについても一つの答えを持っていて。それは何かというと「なんでそれだけ普遍的に皆がどの町でも言えることを、なぜ言わないんだ」っていうことなんですよ。

佐伯)ああ、逆説的に。

赤松)そうです、そうです。それだけ大事なことで、それだけ普遍で当たり前で根っこになければいけないことを、どこでも言えることだからと言って、誰もそれを掲げていないってどうしてですかっていう。だったら、それを誰しもがこの先掲げるようになるときが来る前に、どこよりも早くそれについて掲げて動き始めるっていうことが、松山が今やれることだっていうふうに我々は思ったし、僕もそこについてはやっぱりそういう迷いというかがあったときにそういう気持ちがあったので、これはいけるはずっていうふうにやっぱ思ったっていうのがあります。


[ Playlist ]
The Colour Field – Thinking Of You
Danny Kortchmar – For Sentimental Reasons
Athlete – El Salvador

Selected By Haruhiko Ohno


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