今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、今治市菊間町の瓦工房「かわらや菊貞」10代目の小泉信三さん。菊間では、節分の豆まきの際に「福は内、鬼も内」と掛け声を掛けるほど、鬼瓦は地域の大切な財産となっています。新年を迎えるにあたって、いぶし銀の瓦で作られる干支の置物も人気です。今回は「菊間瓦、今昔物語」をテーマに、伝統の鬼瓦や斬新な取組みについて、「お寺から民家へ」「瓦のいぶし銀って何?」「多様化する菊間瓦」をキーワードに語っていただきました。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。
佐伯)冒頭もお話ありましたけども干支の置物であったりだとか、あといろんな用途に発展していっているということでこのコーナーお伺いしていこうと思うんですけれども、例えばどんなものが最近だったらあります?
小泉)ちょっと変り種というか、ふつう鬼瓦は置物とかね、そういうのが多いんですけど、ただの置物ではなく、サウナストーンになります。8センチぐらいの球体、丸い形の鬼瓦があります。
佐伯)これ、南海放送のすぐ近くにある…
小泉)そうですね、喜助の湯さん。
佐伯)ですよね。鬼サウナってありますもんね。あれ、小泉さんが関わってらっしゃる?
小泉)はい、そうです。
佐伯)どういう経緯だったんですか?
小泉)もともと喜助の方から「瓦でサウナストーンができんですか」と依頼があったんですよ。
佐伯)はいはい。
小泉)その当時、私は耐熱材料を開発していて。直火ができるプレートとかね、そういう材料を開発したのが「経済レポート」に出て、それを喜助の方が見とって、それでサウナストーンもできるんじゃないかと、瓦でできるんじゃないかと。最初の依頼は8センチの球体で、ロウリュをするんでアロマ水が溜まるようにくぼみがあるデザインでっていう依頼だったんですよ。
佐伯)あ~。
小泉)で、それを作っていたんですけど、なんかただ単に丸を作るだけじゃちょっと面白くないんで、その丸の中に鬼の顔をつけたのを、「こんなんできました」と、ちょっと遊び心で喜助の方に見せたら、喜助の方がどんどんイメージが膨らんで、その鬼瓦を菊間の厄除けで有名な遍照院ですね、そこでご祈祷して、ご祈祷した鬼瓦を節分の時期に合わせて1ヶ月間イベントをしようと。で、そのロウリュをするアロマ水も内子産の邪気を払う「邪払」のエキスをかけて。遍照院でご祈祷した鬼瓦で、邪払のエキスをかけた“厄除けロウリュ”
佐伯)面白い!
小泉)それをやるように。
佐伯)ここしかないですよね。
小泉)全国でもないですね、松山と今治店両店で。
佐伯)でもそれって、サウナの方が「こんなんできんかな」っていうのがあって、小泉さんがそれに応えてしかもちょっと遊び心を見せたら、そこに更に乗っかってみたいな、話がトントン拍子に膨らんでいった感じですよね。
小泉)そうです、すごいですよ。今度1月の25日土曜日から1ヶ月間、厄除けロウリュ始まるんですけど、その厄除けロウリュは3年前、もう3年続いとんですけど、その後、鬼サウナ。
佐伯)そうですよね、
小泉)鬼瓦をモチーフにしたサウナ。赤い釉薬の鬼のところが110度。
佐伯)高温サウナですよね。
小泉)高温サウナです。と、青いのが90度。90度でも、もう普通の通常の温度です、熱いですけどね、そういう鬼瓦をモチーフにした鬼サウナがあって、その次にサウナ神社いうのが松山店の入口にありますけど、それも鬼瓦をモチーフにした。けっこう瓦をね、題材に繋がってやっていただいてますね。
[ Playlist ]
SLY MONGOOSE – Make Your Mind Up, Little Girl
Todd Rundgren – You Left Me Sore
Amos Lee – Keep It Loose, Keep It Tight
Ásgeir – In The Silence
Selected By Haruhiko Ohno