今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、松山地方気象台台長の高見佳浩さん。近年、世界中で大雨や猛暑など“異常気象”とされる現象が相次ぎ、それに伴う災害が各地で発生しています。一方で、元日に発生した能登半島での地震、初の南海トラフ地震臨時情報が発表された豊後水道での地震など、地震への対応も私たちの大きな課題です。そこで、今週は「気象と地域防災」をテーマに、「初めての南海トラフ臨時情報」「気象情報の新しい発信」「地域防災に注力」というキーワードで、高見さんに最新情報をお伺いしました。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。


佐伯)最近、本当にすごい雨が…っていうことが全国各地で起こってるんですけれども、この雨の強さ。先ほど愛媛県は雨が少ない地域ですよっていうお話あったと思うんですけれども、ちなみに今日「この時間、結構降ってるな」と私は思って、雨雲レーダーだったり天気情報をインターネットで調べてみると、5ミリとか6ミリとか降るとなんか「ちゃんと降ってるな」っていう感覚になるなって感じてるんですけれども、気象台では「このぐらい降ったらこういう雨ですよ」っていうような表現の基準っていうのは決まってるんですか?

高見)これ雨の強さとか降り方についてはですね、受け手がイメージしやすいような表現を使っていますし、このイメージをですね、記者さんが使っていただいて、受け手側にわかりやすく説明してもらってます。例えばですね、1時間に10ミリから20ミリの雨、これ気象用語で「やや強い雨」というふうに説明するんですけども、これだけでは伝わらないので、記者さんとかアナウンサーの方が「ザーザーと降る雨ですよ」というふうに言い換えてもらってます。段階的に強い方を説明していきますと、20ミリから30ミリの雨の場合は「強い雨」というんですけども、これを「土砂降り」とか「傘をさしても濡れる」というふうに表現してもらってます。それから30ミリから50ミリですね、「激しい雨」というふうな予報用語なんですけど、これを「バケツをひっくり返したように降る」というふうに説明いただいてます。

佐伯)あれが30から50…

高見)そうなんですよね。それから警報級の50ミリから80ミリのような雨が降る場合はですね、「非常に激しい雨」というふうに言うんですけども、表現的には「滝のように降る」というふうな表現をしてもらってます。この場合ですね、水しぶきであたりが一面が白っぽくなってですね、視界も悪くなると思いますし、「車の運転は危険ですよ」という呼びかけにも使ってもらってます。

佐伯)はい。この50ミリから80ミリが警報級の雨というふうに考えられるんですね。

高見)そうなりますね。それから、もう今やもう80ミリ以上の雨も珍しくなくなってきましたけども、こういった雨につきましては「猛烈な雨」という予報用語があるんですけども、この表現としましては「息苦しくなるような圧迫感がある」「恐怖を感じるような雨ですよ」っていうような表現がなされています。

佐伯)10月の下旬にも、宮崎県で1時間に120ミリといった雨が観測されるなど、本当にもう80ミリを超えてくると命に危険が迫るような雨というふうに考えられるんですね。あと強い雨っていうことで言いますと、よく「ゲリラ豪雨」、こんな言葉も聞くようになってきました。これはどういう定義になってるんですか。

高見)実はですね、「ゲリラ豪雨」という表現なんですけども、気象庁的には使ってません。

佐伯)そうでしたか。

高見)「ゲリラ豪雨」とか「爆弾低気圧」などというふうにマスコミが表現されてますけども、こういった表現はですね、戦争や軍事を連想させるため使わないでおこうという取り決めがあります。

佐伯)あ、そうなんですね。

高見)この「ゲリラ豪雨」につきましては、気象庁的には「局地的大雨」というふうに表現しておりまして、一方で爆弾低気圧につきましては「急速に発達した低気圧」というふうな呼び方をしています。

佐伯)じゃ、あれは気象庁、気象台が使う正式な用語ではなかったんですね。

高見)そうなんですよ、やっぱりインパクトがある表現をどうしてもしたくて、民間の方がそういうふうに呼んでいるのだと思います。

 


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Selected By Haruhiko Ohno


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