今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、Little Branch代表の小澤奏さん。「えひめの森と暮らす」をコンセプトに活動する小澤さんに「愛媛の森林」をテーマにしたお話を伺いました。大学で森林科学を研究した小澤さんのトークから、私たちの暮らしに森林がどれほど重要な影響を与えているか、どんな風に森林と関わってほしいか、などの想いが伝わってきました。今回のキーワードは「愛媛は森林県」「森の役割」「森と暮らす」の3つ。これを聴けば、あなたも森へ足を運びたくなる…はず!
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。


小澤)北欧とかアメリカとか、そういったところでは林業っていうと、もう平坦なところで行われるんですね。「木の畑」ってよく聞くんですけど。

佐伯)そうなんですか?

小澤)なので、日本だと森=山なんで、急傾斜地に分け行ってやるのと平坦なとこでやるのでは、やっぱ全く効率が違うので、そういう意味でもやっぱり外国産材はたくさんのものを流通させるっていうのに強みがあったっていうところで有利ですよね、だいぶん。

佐伯)なるほど。そういう差がある中で、日本の森林、林業とかっていうのを、どういうところを目指していったらいいっていうことになってるんですか?

小澤)一つの国産材っていうところでいくと、その良さを見直して積極的に使っていこうというのは、いろんなところで国産材使っていこうっていうのは聞かれると思うんですけれども、例えば国産材を使う良さっていうところを考えたら、ちょっと前に「ウッドショック」とかもありましたが…

佐伯)ウッドショック?

小澤)コロナのときに世界的な木材需要が高まって、日本はけっこう木材の輸入国ですけど、木材が入ってこなくなったっていうときに、木材の価格がバッと上がって、そのときに国産材も値段は上がったんですけど。やっぱり輸入に頼ってると、そういう国際情勢に左右されて手に入らなくなった急に、とかいうこともある中で、国産材の方がそういった影響を受けにくいとか。あとやっぱり遠くから運搬してくるっていうことはそれだけエネルギーを使って運んでくる、環境負荷の部分ですとか。国産のものとかその地域の木を使うっていうことは、その地域の木を切ってまた植えるという林業のサイクルを促進できるということで、二重の意味で環境の向上とか、またその地域の経済を応援するっていうことにも繋がりますし。

佐伯)なるほど。

小澤)性能的にもですね、やっぱりその地域で育った木は、その地域の環境に適応して育ってきてるわけなんで、木材っていうとやっぱり家に使うっていうのが多いんですけど、そういうときもやっぱり環境への耐久性っていう意味でも、その土地の木が適しているっていうのは理かなってるかなと。というところもあるので、建築業界でもやっぱり国産材の活用を積極的に取り組んでいこうっていうところはたくさんありますし、何よりその消費者が国産材を、とか地域の材を使いたいって思ってくれる、そう要望してくれることっていうのがすごい大事なので。国産材を使っていくっていう面に関しては、皆さんが使って欲しいな(笑)

佐伯)なるほどね、木材も地産地消が理にかなっていると。そうか、やっぱり使わんといかんのですね。

小澤)そうですね。特に花粉症の人ほど。今、植え替えすると、なんか低花粉スギとか、そういう苗木に…

佐伯)そんなのあるんですか!

小澤)なのでスギ花粉症とかって、なんかもう「スギ~」みたいな感じで、なんかそういう人こそ。材は関係ないんでね、花粉は。地域のスギをどんどん使えば、どんどん植え変わって低花粉スギなるかもとか。

佐伯)へ~!

小澤)それこそ奥山の方なんかは、だんだん広葉樹にね、戻していくみたいなのが進めば、多少ね…。つらいですもんね、花粉症が。

佐伯)花粉症つらい方こそ使いましょう、木を!

小澤)スギの木を使う(笑)!

 

 


[ Playlist ]
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Selected By Haruhiko Ohno


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