今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、松山エアモデラーズクラブ会長の藤岡正さん。5月5日の「模型の日」を前に、模型作りの楽しさを広く伝える活動をされている藤岡さんに、「プラモデル」をテーマにお話を伺いました。その愛好家は「モデラー」と呼ばれ、模型自体が好きなタイプと、飛行機やバイクなどの本物が好きでそれに近づけることにこだわるタイプがある!なんていうお話から、プラモデルを通して広がる世界について、その深~い世界観を語って頂きました。キーワードは「プラモデル今昔物語」「量産型とは言わせない」「プラモデルが教えてくれること」の3つ。藤岡さんご自慢の1台を見せていただくと、こんなこだわりが…。
佐伯)今(実際のプラモデルを)思い浮かべながらお話ししていただいたと思うんですけれども、相当頬が緩んでらっしゃいまして「お好きなんだな」っていうのが分かりましたけれども(笑)。藤岡さんもいろんな種類のものを作られるんですか?
藤岡)私はですね、メインは飛行機なんですけど、自分がバイクにも乗ってて、日本一周もバイクでしたんですよ。
佐伯)おお!
藤岡)そういうことでバイクにも乗るので、バイク乗るようになってからバイクの模型作るようになりました。
佐伯)それはじゃあ「自分の好きなものを作る」っていうところのタイプに入りますか?
藤岡)そうですね。
佐伯)あ、今日それでいくつか模型持ってきていただいたんですけれども、白いバイク。これ藤岡さん製。
藤岡)そうです。
佐伯)何分の1ですか、これは?
藤岡)これね、9分の1って言ってイタリアのバイクをイタリアの模型会社が作ったやつです。
佐伯)これね、ラジオを聞きの皆さん、ものすごく細かいです。タイヤの…なんて言ったらいいんでしょうか、中にこういっぱい…
藤岡)スポークですかね。
佐伯)あ、スポーク!そうそう。
藤岡)自転車でもありますけど、タイヤのところに針金みたいな細い…
佐伯)そうそう!
藤岡)これはですね、もともとのプラモデルって、型にプラスチック流し込んで製造しているわけですよね、鯛焼きです。
佐伯)鯛焼き(笑)
藤岡)鯛焼きに入れるのはあんこと小麦粉ですけど、中にプラスチックを高圧で注入したらプラモデルが成型されるんですけど、どうしてもその成型の都合があって、細い部品はプラが流れないんで難しいんですよね、細く作るのが。
佐伯)だって、これ何分の1ミリって感じですよね。
藤岡)そうです。これ、全部切ってのけて、虫ピンで貼り直したんです、1本1本。
佐伯)えっ!!
藤岡)だからどこまで作り込むかっていうのは、もうそれはようせんからっていう人もいるかもしれないし、まぁ私も最初はそうだったんですけど、だんだんやってみて、もう今は普通にできます。
佐伯)は~、虫ピンでアレンジしてるんだ。あとブレーキのところもちゃんと、そのコードが…細いコードがちゃんと出てるし。
藤岡)そうですね、これもオリジナルのパーツはちょっと太いんですよ。
佐伯)はいはいはい。
藤岡)だけどバイクのコードって、アクセルワイヤーとかブレーキワイヤーとかクラッチワイヤーとか意外に太さ違うんですけど、それも合わせた何種類かの太さのワイヤーを用意して全部やり変えました。
佐伯)え、スゴイ!あと、タンクのところから出てマフラーに向けて出てる…
藤岡)排気管ですね、エグゾーストパイプ。
佐伯)のところも色合いが、なんか場所によって違いますよね。
藤岡)あ、これ昔のバイクは、…今のバイクは排気管が「二重になっているから変色しないんですけど、昔のバイクって乗り込んでいくと焼けるんですよ。特にエンジンに近い側が焼けていくんで、しかもなんか虹色になっていく。
佐伯)ああ!そうなってる。
藤岡)だから、そういう風な感じにここは塗っちゃいました。
佐伯)え~、すごいですね!私が気になったところって全部、藤岡さんがアレンジしたとこなんですね。
藤岡)そうですね、なかなかお目が高い!
佐伯)アハハ(笑)ちょっと私も自分でそう思ってしまったけど。
藤岡)あとですね、もうちょっとこれ動くんですよ、サスペンションが…
佐伯)え?あ、本当だ。
藤岡)前も。
佐伯)いわゆるサスが効いてるわけですね、すごい!
藤岡)サスペンション効きます(笑)
佐伯)こういうとこが「俺が作ったのは他のと違うぞ」っていう腕の見せ所なんですか。
藤岡)ですよね。これやりだしたら特にスポークの張り替えは、これしないとオリジナルのはちょっと太すぎてオモチャっぽいので。これ海のところに持って行ったりして写真撮って、フェイスブックとかにアップすると実写と間違われます、バイクは。
佐伯)え~、スゴイ!
藤岡)飛行機はなかなかあれですけど、バイクはね、それやると間違われます。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。
[ Playlist ]
The Beatles – Here comes the sun
Stereophonics – Nice to be out
The Fifth Avenue Band – One Way Or The Other
Beth Orton – Love Like Laughter
Selected By Haruhiko Ohno