今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、メディアプロデューサーの藤田晴彦さん。現在はエフナン南海放送ラジオやテレビでも、プレゼンター・リポーターとして活躍されている藤田さんですが、松山大学在学中に大きな音楽コンテストで入賞を重ねメジャーデビューを飾った、愛媛のレジェンドアーティストでもあります。そんな晴さんをお招きして、今回のテーマは「愛媛の音楽シーン」。中でも1980年代から90年代にかけて熱く盛り上がっていた、愛媛のアマチュアミュージックシーンのエピソードは、40代後半以上の世代にとっては胸アツ!そんな当時の晴さんたちを支えてくれた方の一人を偲んで年明けに開催されるライブには、こんな思いが込められていて…。


佐伯)「杉本茂ライブ~昭和を共に生きた仲間たち~」?

藤田)「杉本茂追悼ライブ」!

佐伯)ということなんですけれども、改めて、皆が思いを寄せ合って14組のバンドが集まるって言う、この杉本さんという方、どんな方だったんですか?

藤田)杉本さんはね、楽器屋さんの店長だったけども、みんなの兄貴とかお父さんみたいな存在でしたね。親身になって、僕らがさっき言ったコンテストで全国大会で優勝して賞金もらったんですけど、その賞金でね、当時はCDがまだ…その自分たちでCDを作るなんてのはとんでもない時代に、杉本さんに頼んでCDを作ってもらったんですけど、その時にもね、少しでもお金がかからないようにいろんな工夫をしながら夜中まで一緒にレコーディングをしたりとか。今この歳にならないとわかんないことが多くてですね。例えば夏祭りの準備をする時に僕らも準備をする世代でしょ、地域の北条駅前の夏祭りなんかのね、みんなで子供たちのためにいろんな準備をするんですよ。

佐伯)はい、今ね。

藤田)で、子供の頃は遊ぶのがメインだったから、誰かが準備してくれてるなんてことは考えたこともなかったでしょ。けど今になって、準備する側になったら「そうか、あの時のバンドのコンテストの時も、みんな杉本さんたちがちゃんと準備してくれて、ポスターなんかも作って貼ってくれたり、そういうことから当日のあれも全部いろんな大人がいろんな協力をしてくれたおかげで、僕らはああやってなんかキャーキャー言われてたんだなと思うと、本当に頭が下がりますよね。

佐伯)ああ、そうなんですね。その杉本さんの楽器店からも、いろんな音楽を愛する人が集まっては旅立ってみたいな感じに…

藤田)そうですね。そういうバンドが今回14バンド集まるんですけれども。

佐伯)ちなみにその14バンドっていうのは教えてもらってもいいですか?

藤田)じゃあ出演順にご紹介しましょう!当時ね、餓鬼道っていう…

佐伯)餓鬼道!?

藤田)大街道をおどろおどろしい格好で白塗りの、顔とか真っ白に塗った怖いお兄ちゃんたちが歩いてたんですって。僕はまだその時高校生だから、今治だったからわからないんですけど、そういうもう今のビジュアル系の元祖みたいなバンドの先輩たちが、オープニングアクトで出ていただきます。で、一番最初に出てくるのが、南海放送のパーソナリティとしてもおなじみの正岡省吾さんwithクレイジーパパ。で、濃縮果汁還元バンド、このバンドはね、当時東雲短大のバンドだった記憶があるんですけど。3バンド目が頑固一徹。このバンドもCBSソニーコンテストの四国大会で優勝するようなバンドでした。4バンド目がNegative Option、5番目がSINCERE、6番目がParty Party、7番目がteam kentos。

佐伯)あ、なんか聞いたことある。ケントスってありましたよね?

藤田)はい、全日空ホテル、昔の。あの地下にケントスっていうオールディーズバーがあったんですけど、そこのオールディーズのバンドも出てくれます。で、ナショナルキッド。このバンドもね、四国大会で優勝して後に、イカ天の後に始まる三宅裕司さんがやってたテレビ番組、全国ネットの番組なんかにも出て賞をもらったバンドですね。9番目がHYSTERC CLUB。このバンドは結成して2週間で四国大会で優勝して、すぐまた2週間後に解散をしたという…

佐伯)なにそれ!?

藤田)私がボーカル。

佐伯)なんですか、それ!

藤田)僕20歳の時にやってた。このバンドで初めて僕、南海放送ラジオで20歳の時にレギュラー番組を持たせていただいて、「TSUTAYAレンタルベスト10 青春ストリート」っていう…

佐伯)あ、なんか聞いたことある、青春ストリート!

藤田)多分ね、りさちゃん高校生の時。

佐伯)そうなんだ、そっか。

藤田)僕らがやってたんですよ、この番組。

佐伯)え~~~~!

藤田)天山にTSUTAYAさんがあって。あそこの天山のTSUTAYAさんがスポンサーさんでやってた番組だったんですけど、はい。で、10番目がSuteteco Craction。これはさっきのクラクションの前身になったバンドです。

佐伯)そうだ!それで聞き覚えがあったんだ。

藤田)Suteteco Craction。で、11バンド目がきよひとさん。きよひとさんは現在、松山千春さんのバッグでキーボードを弾いている現役バリバリのプロのミュージシャンです。で、12バンド目がANASTAR。ANASTARのボーカルは、サロンキティのオーナー伊賀さんが務めている、四国ナンバーワンの当時、パンクバンドです。で、13バンド目にWIZKIDS。さっき言った東芝EMIからデビューした元プロバンド。で、僕らが大トリ、14バンド目がTHE COKES。

佐伯)いや~、なんかレジェンド級の皆さんが一気に揃うっていう、これはやっぱり「杉本さんのために」って言うところでこれだけのメンバーが集まる…

藤田)そうね、それもありますけど伊賀さんが言ってたのは、いちばんの目的は「アラフィフ世代を元気にしたい」っていう風に言ってましたよね。

佐伯)ありがたいなぁ。

 

 


[ Playlist ]
Coke Escovedo – I Wouldn’t Change A Thing
Bibio – Raxeira
Ken Boothe – My Love

Selected By Haruhiko Ohno


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