今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、四国中央市にある「暁雨館」館長の三宅威(たけし)さん。郷土資料館的な役割の暁雨館では、郷土の偉人について、さらに赤石山系の岩石や鉱物を展示しています。このたび、地元を流れる関川で見つけることができる石のパンフレットを作成されたということで、今回は「石」をテーマにお話を伺いました。あなたは、「県の石」って、御存知ですか???
三宅)佐伯さん、県の石ってあるのをご存知ですか?
佐伯)愛媛県の石?
三宅)はい。
佐伯)それは特産とか…
三宅)そういうものです、産出するものなんですけど。
佐伯)「県の花」とか「県の鳥」とかはありますけど、「県の石」もあるんですか?
三宅)あるんです。
佐伯)へ~。
三宅)じつはこれ、2016年に日本地質学会というところが各都道府県全部、47都道府県全部あるんですけど、産出する岩石とか鉱物などを「県の石」として認定しているんです。3部門 あって、「岩石」とそれから「鉱物」と「化石」が一つずつ選ばれてるんですけど…
佐伯)いやいや知りませんでした。
三宅)愛媛県はですね、「岩石」はエクロジャイトという、こういう石なんですけど。
佐伯) eclogite…
三宅)失礼しました、発音いいですね(笑)
佐伯)いや、そうなんかなと思って(笑)。グリーンっぽいですね、これ。
三宅)じつは、さっき変性の話をしたんですけど、この柘榴石(ざくろいし)と、それからこのオンファス輝石というものが、いわゆる変性されて、高圧とか高熱で一緒になって、こういう風な石になってくるんです。
佐伯)は~。もともとの、もっと緑が濃くてキラキラしてる石と、柘榴石っていうのは本当に柘榴の粒みたいな濃い赤色っぽい石、これが熱やらなんやらで変性して、新しいエクロジャイトに。エクロジャイトになったら、ちょっと待ってください、これ断面見ると確かにグリーンは少し薄めになってますけど、その間にちょっと赤い斑点みたいに…これが混ざり合ってるっていう証なんですね。へ~。これが愛媛県の石の一つ。
三宅)そうです。
佐伯)岩石、エクロジャイト。
三宅)エクロジャイト、これは関川で見つかります。
佐伯)ほ~。こんな石、見たことなかったかも。
三宅)なかなか見つからない石ですから。
佐伯)貴重なものなんですね。
三宅)で、「鉱物」の部門では輝安鉱(きあんこう)というものなんですけど、これは希少金属の、ここに銀で光っている所あると思うんですけど、これがアンチモンという、これを含む鉱物なんです。
佐伯)はい、ちょっといいですか、現物をお持ちいただいてますけど…うわっ、ガラスみたいにキラキラに光ってますね。
三宅)はい、そうなんです。
佐伯)これも「愛媛の石」なんですね。
三宅)これが西条に市之川鉱山っていうのがありまして、そこが国内では最大級の産出する場所だったんです。
佐伯)そうなんですか!
三宅)これは新聞で、西条高校輝安KOU房と科学部が一緒になって輝安鉱の魅力を伝える活動をしている、なんかいうのも記事になって。
佐伯) へ~。「輝く」に「安心」の安、「鉱物」の鉱と書いて輝安鉱。こんな石見つけたら、特にこれ子供だけじゃなくて大人も嬉しくなっちゃうようなキラキラですね。
三宅)そうですね、ものすごく。女性もキラキラ好きですからね。
佐伯)好きです(笑)。それから?
三宅)もう一つ「化石」部門なんですけど、これはイノセラムスという、白亜紀に生きてた二枚貝なんですけど分かりますか?
佐伯)あ、本当だ!貝の形そのままに化石になってる。
三宅)これが「県の石」の「化石」部門の化石になります。宇和島とかでよくとれるんですけど、これは四国中央市の天満海岸で見つけたと言って、地域の人が寄贈してくれました。
佐伯)じゃあ、本当に身近なところにあるものなんですね。
三宅)あるんです。昔はけっこうよくあったという話でした。
佐伯)この三つが「愛媛県の石」…エクロジャイト、輝安鉱、イノセラムスなんですね。いやぁ、勉強になりますね!
[ Playlist ]
The Style Council – Headstart For Happiness
Nicki Parrott – There’s A Kind Of Hush
Mario Biondi & The High Five Quintet – On A Clear Day
Baden Powell – Blues A Volante
Rumer – Blackbird
Selected By Haruhiko Ohno