今週は、坂の上の雲ミュージアム特設ブースからの生放送!愛媛大学国際連携推進機構アジア・アフリカ交流センターのセンター長で、愛媛大学SDGs推進室副室長の小林修さん=おさむちゃん!をゲストにお招きして、ズバリ「SDGs」をテーマにお話を伺いました。2015年に国連総会で全会一致で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標。その概念は浸透してきたようにも感じますが、2030年までに達成しようという目標に向けて、17項目のうち多くはなかなか進んでいないのが現状だとか。スタートからちょうど折り返しポイントを過ぎた今、私たちに何ができるのでしょうか。


佐伯)SDGs、なかなか進んでないというのが先ほど分かりました。これ、どういう理由でしょうか?

小林)そうですね、理由は考えると色々あります。ただ私が申し上げたいのは、私たち市民一人一人が…この「市民」って言った時にも、普通は僕たち「松山市民」とか、居住地の市民っていう言い方をするんですが、SDGsの時には「地球市民」っていう意識が重要だなって思います。だから「地球市民」一人一人として、やはり解決に向けた行動ができるかっていう、そこが 一番大切なところで、進まない理由は僕たち一人一人がそういう行動に踏み切れていないっていう…

佐伯)どこか他人事というか。

小林)そうですね。そこは、だけど分かるんです。僕だって踏み切れてないことが色々あります。だって、お給料は限られているし、何かにかけるお金っていうのは、皆さんどれだけかけられるかっていうことで出来るか出来ないかって行動が決まりますよね。なんですが、ちょっと努力すると出来ることも結構たくさんあって。ちょっと努力すると出来ることすら出来てないっていうのが結構大きな問題としてあるんじゃないのかなという風に思います。

佐伯)最初に立てた目標の「2030年までに」というところまで半分、残り7年ということですが、ここで解決しなきゃいけないっていうのはどういうことをあげられます?

小林)今も申し上げたみたいに、今当たり前のようにして日々送ってる暮らしの中から、ちょっとSDGsのゴールがね、あのカラフルなゴールが頭に浮かぶっていう、まずそこを意識いただいて、世界では今あるいは自分たちの足元ではこういう課題があるっていうのを常に意識しながら日々をちょっと過ごしていただく。と言ってもね、四六時中あのゴールを見ながら、部屋の壁にトイレの壁に貼っときなさいとか、そこまでは言わないんですが、ちょっと一度気になっていただければ、なんかの拍子でふっと「あ、そういえば今、世界ではああいうことがあって、足元で地球温暖化でああいうことがあって、だったら電気をちょっと消してみよう」と。あるいは何か新しい電気製品を買う時に、今電器さん行けば消費電力とか省エネとかああいうのが出てますからね。なんですが、ちょっと省エネ効率の高いものは、エアコンでもちょっと高いんですよ。だから無理しなさいとは言わないんですが、言われてみれば、それがちょっと高いけども、今ちょっと高くあるものを買っとけば、ちょっと地球のためにとか未来のためになるなと思ったら、是非ちょっとそういう投資をしていただきたいというふうに思うんですよ。

佐伯)あの、エアコン買ったんです。

小林)はいはい、今年?

佐伯)今年。そしたら電器屋さんそう言ってました。消費電力のことを考えると、今この初期投資が多少高くても最終的にはそちらの方がメリットがあると、ちゃんと説明を受けました。

小林)なので、結果的には自分たちに返ってくるということでもあるので、そういった点で言うと そういう選択がちょっと厳しいんですけど、その金額だけで考えるんじゃなくて、それが未来のためにとか他の人のためにっていう、その繋がりのことまで考えて、いろんな巡り巡ってっていう繋がりのことまで考えて選択をする。それが塵も積もればで、誰か偉い人がこうやりましょうって言って決めて皆が嫌々というよりは、皆さん一人一人、今世界人口がもう 80億超えたって言われていて、それこそ中国の人口をインドが超えたって話がありますけど、80億の人たちがちょっとそういったような行動をしたら、はるかにどこか一カ国のリーダーが何か変えるよりは、よっぽど効果がありますよ。

佐伯)そうですね。これからの時代、もう今もそうですけれども「ブーカVUCAの時代」って言われていて、いわゆる先行き不透明な時代って言われてるじゃないですか。そこを、これから未来へ向けて生き抜いていくための1つの大きな指針になりますよね、SDGsっていうのはね。

小林)結局は解決するためにも人の力が必要で、皆が何かの形で解決に向けたことが出来るはずなんです。なんでも出来る人っていうのはいなくて、色んな語学が得意、数学が得意、歴史が得意、そういった色んな人が集まると大きな問題が解決できる。ただ重要なのは、一つの切り口では解決できない問題が多くなってくるのがVUCAの時代なんで。あの「ブーカ」っていうと、なんか聞くと長靴ブカブカとそういう…

佐伯)違う(笑)

小林)「VUCA」っていうのは英語の頭文字、ラジオの皆さん大丈夫ですかね、変動性(volatility)とか不確実性(uncertainty)とか複雑性(complexity)とか曖昧性(ambiguity)っていう英語の頭文字をとって「VUCA」っていう「VUCA時代」なんですけど、こういう時代においては一人一人がどう生きていくかっていうことも大切にして、その一人一人がどう生きていくかの先には一人一人がどうやって豊かな、well-beingな社会を暮らしていけるかということがあると思います。

佐伯)その先が、人類が持続可能かどうか、地球と共に、というところに繋がっていくんですね。

小林)そうですね。結局は地球っていうのを一つの生命体として考えた時には、僕たち地球に生きてるホモサピエンスっていう人類がこういうことをしてるから地球が破壊されてるって考え方もあるんですけれども、これは「それじゃあ地球上から人類がいなくなればいい」という話が SDGsではなくて、僕たち人類が豊かに地球と共に、あるいは地球の上で暮らし続けていくためには、他のすべての生き物、生態系と一緒にどれだけ持続的な生活をこれからもしていけるかっていうのがSDGsですよね。だから、そこを目指して皆さんで、一人一人の努力で小さな努力の積み重ねで達成していけたらいいのかなという風にちょっと思っています。

 


[ Playlist ]
Boz Scaggs – So Good To Be Here
Sade – All About Our Love
Selected By Haruhiko Ohno

Bob Dylan – Blowin’ in the Wind
(Request From Osamu Kobayashi)


この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く