今週は、3年ぶりの開催となる愛媛マラソン前日の放送!ということで、坂の上に訪ねて来て下さったのは、愛媛陸上競技協会会長の濱崎栄則さん。今や全国屈指の人気大会となった愛媛マラソンを、「アスリート向けから市民マラソンへ」「おもてなしはブームから文化に」「感動の名場面」という3つのキーワードで深堀り!これを聞けば、第60回という節目を迎える愛媛マラソンが更に面白くなる、そんなエピソードの数々が飛び出しました。
佐伯)では三つめのキーワードです、「感動の名場面」。これはもう濱崎さんなんか、いろんな場面がありすぎてなかなか挙げられないんじゃないですか、逆に(笑)
濱崎)そうですね、特に印象深いのが第55回大会に公務員ランナー、今やもうプロとして走ってますけど、川内優輝選手が出場してくれまして、この時に2時間9分54秒の大会新記録、52年ぶりの記録更新もしていただきました。
佐伯)そうでしたね~。あの時はもう実況してる人もみんな興奮して。解説でお馴染みの竹本先生それからスタジオにいた土佐礼子さんもですね、普段はとてもお二人とも冷静なんですが、あの時ばかりは「行け~!」「今頑張ったら10分きれる!」みたいな(笑)、大記録に向けて大興奮だったっていうのをよく記憶しています。
濱崎)実は私この時に審判長車に乗ってまして…
佐伯)はい!
濱崎)本当にもう声を出す訳にはいけない、けど出したい、という状況でした!
佐伯)そうでしたか!だって2時間9分54秒っていう…、この2時間10分をきるって言うのが本当に大記録で、この1秒2秒のせめぎ合いっていうとこでハラハラご本人もされてたんじゃないですかね。
濱崎)川内選手はですね、出走する前に「四国で一番良い記録を出しますよ!」という風に公言をしてくれてました。その中で、もう一つ裏話がありまして…
佐伯)はい。
濱崎)実はこの年、都道府県対抗男子駅伝が広島であったんですけど、その選手として、新居浜出身の早稲田大学の鈴木洋平君という箱根を走った選手がいました。駅伝に私も激励ということで行ってたんですが、「実はあの川内選手が愛媛マラソンを走るんだ」と、「君も愛媛マラソンにエントリーしてるけど、やはり初マラソンだから自己記録の目標を持って走るのか?」というふうに尋ねますと、「全くそんなこと考えてません!」と。
佐伯)へ~。
濱崎)「じゃあ、お願いがある」と。「川内選手が四国で一番いい記録を出しますと言ってくれてるから、できればハーフでもいいから勝負してくれないか」というお願いをしたんです。彼は「いいですよ、行きます!」という二つ返事で快く引き受けてくださいまして、実際、当日20km過ぎまで抜きつ抜かれつのすごい勝負をいたしまして…
佐伯)え~!あの抜きつ抜かれつの展開っていうのは、濱崎さんが鈴木選手に声をかけて…
濱崎)ちょっと仕掛けました(笑)
佐伯)え~っ!そうだったんですね!その鈴木選手の頑張りもあって、川内選手も頑張って…
濱崎)そうですね、あの…文化の森の折り返しの所で川内選手が時計を確認しまして、自分でもビックリするような記録で通過してたので、そこから…先ほど申しましたように私審判長車に乗ってたんですけど、もう全く目の色が変わりまして真剣に取り組んでくださいました。あの平田の坂なんかは、本当に歯を食いしばって頑張って下さいました。
佐伯)それで生まれたのが、あの2時10分切り!2時間9分54秒という大記録、これは52年ぶりの記録更新ということでしたが…
濱崎)いや~記録更新というより、この記録そのものが素晴らしい記録ですよね。
佐伯)凄いですよね。だから、今後逆に50年抜けないんじゃないかと(笑)
濱崎)だと思います。
佐伯)ぐらいの、確かに名場面ですね。
濱崎)鈴木君も前半だけでなく後半も頑張りまして、愛媛県内最高記録を樹立して2位でフィニッシュされました。
佐伯)いや~、思い出しましたよ。そういう記録のかかった名場面ということでは、こちら代表的な場面ですよね。
[ Playlist ]
Emilie-Claire Barlow – What a Little Moonlight Can Do
Donny Hathaway – Love, Love, Love
The Jessica Stuart Few – (Don’t Live Just For The) Weekend
Abyssinians – This Land Is For Everyone
Selected By Haruhiko Ohno