今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、松山市三津浜地域を盛り上げるボランティア団体「平成船手組」の渡部裕司会長。三津浜は、松山市の「坂の上の雲」フィールドミュージアム構想サブセンターゾーンでもあります。今回は3年ぶりとなる「こなもんサミット」開催決定を受けて、日本コナモン協会による「コナモン100選」にも入っている三津浜焼きについて、そのルーツやソウルフードとしての魅力などを深掘り!「幼い頃は半径100mに3~4軒のお好み焼き屋さんがあった」という時代を体験している佐伯アナもノリノリで「三津浜焼きワールド」を展開しました。
佐伯)お好み焼きは関西風と広島風があるけど、三津浜焼きはどっちかっていうと広島風に近いですよね。
渡部)そうですよね。
佐伯)よく「広島風と何が違うんか?」みたいなことも聞かれるんですけど…
渡部)そうですよね。じつは広島のお好み焼きの皆さんとも色々討論したこともあったりするんですが、港繋がりで、三津浜も広島と航路の関係でこういったお好み焼きの文化がですね、交流したのかなって言われています。海を挟んで「こんなんやった」「あんなんやった」いうところで、少し具の内容が違ったり焼き方が違ったりしてきたんだと思います。で、今言ったように広島焼きと三津浜焼き、一言で何が違うかと言うとですね、焼く順番が違います!
佐伯)と言いますと…
渡部)広島はですね、薄いクレープ状の生地にですね、いきなりキャベツがのって、そこに例えば天かすであったりネギであったり肉であったりをのっけた上で、横でソバを炒めて、そばにのせると。
佐伯)ああ、そうですね。
渡部)麺にのせると。に対して三津浜はですね、薄いクレープ状の生地に、しっかりと味付けた麺が先にのってくる。
佐伯)そっか、そうですね。
渡部)そのあとキャベツがのって…
佐伯)確かに!
渡部)ここがですね、焼き方が少し…そこの違いが。
佐伯)広島は、生地→キャベツ→麺があるみたいな感じですけど、三津浜焼は生地の上に麺があってその上にキャベツがのるという…
渡部)そうなんです。
佐伯)順番が違うんですね。
渡部)順番が違う。っていうのをですね、我々が活動する時に「何が違うんか」というところを皆で考えて十か条みたいなのも作ったりしてですね、そういった違いを…例えばちくわが入ってたり、二つ折りにするとか…
佐伯)あー、はいはいはいはい。
渡部)これまあ二つ折りもですね、おばちゃんたちが玄関先の狭い鉄板でやるときに、食べて頂きながら焼く。
佐伯)鉄板の上でね。
渡部)焼く時の鉄板の有効利用なんかって言われてもいますね。
佐伯)あ、二つに畳んだ方が、食べてる人が使うスペースが少なくて済むということですか(笑)。合理的な。
渡部)そんなことでなかったのかなという説が多いですね。あと二つに折り曲げることで、最初にソースを塗ったとこを中に折り曲げます。で、外にもソースを。
佐伯)ああ、塗りますね。
渡部)これがやっぱり味がしっかりして、ソースがジューシーになってくるというような感じで、二つ折りもですね、三津浜焼の一つの特徴じゃないかなと思いますね。
佐伯)確かに!で、すいません渡辺さん、番組の最初の方に「台付き!」「肉玉(にくたま)!」っていう会話をさせてもらったんですけど、「台付き」っていうのは広島では言わないんですか?
渡部)広島は言わないですね。
佐伯)そうなんですか、あれ三津だけなんですか?
渡部)三津の方が、薄いクレープの生地を「台」と見立てて…
佐伯)はいはい、私もそう思ってました。
渡部)だから、その「台」があるのが「台付き」で、そこにうどんが入ったりソバが入ったり。これを「ソバの台付き」「うどんの台付き」とかいうような言い方を三津のお好み焼き屋さんはします。メニューにも、ちゃんと「台付き」って。
佐伯)生地がないやつ、いわゆる焼うどん的なものは、あれは「うどんのバラ」とか言いますよね。
渡部)「バラ」と言うんですよ!それがまあまあ面白くて、「台」が無いから「バラ」なんですよね。
二人)「バラバラ」の!!
佐伯)そうですよね(笑)
渡部)また麺がないのを「素焼き」と言うんですよね。
佐伯)ああ、「素焼き」って言います!
渡部)だから三津浜のお好み焼き屋さんに行くとですね、「うどんの台付きの肉玉」とかね。最近は豚玉とかってあるんですけどね。
佐伯)そうそう、大阪のお好み焼きって、肉玉って言うか豚と卵っていうのがなんか基本みたいなイメージありますけど、私は子供のとき三津浜焼よく食べてましたが「肉玉」ってあれ牛肉…
渡部)そうですよね。これも僕らのメンバーの中で結構色々口論になった話です。
佐伯)そうなんだ!
渡部)「肉玉の『肉』言うて、どっちの肉や?」みたいなね。当時はですね、肉玉=牛肉やった気がしますね。
佐伯)ですよね、昔はね。
渡部)豚ってなんかあまりなかったような気がしますよね。
佐伯)で、なんか牛脂で焼いてた気がするんですよね。
渡部)そうなんですよね、だから肉でも赤い…
佐伯)そうそう
渡部)カスカスの言うたら怒られるんですが…
佐伯)赤身のね(笑)
渡部)赤肉ね。赤肉を焼くと焦げ付いたりして、その横に牛脂がついてて、その牛脂を最初に鉄板でね、してたような気がします。
佐伯)だから幼い時の記憶だと牛脂も入ってたような気がする。
渡部)たとえば僕の説ですけどね、その牛脂を、どっかのおばちゃんが刻んで入れたら美味しかったみたいなとこじゃないかなって思いますけどね、今の牛脂入りっていうのはね。で、古くからある地元の三津浜のお肉屋さんについ最近ですね、お好み焼き屋さんにお肉を卸してるんですけど、「どのぐらいから豚肉卸し始めました?」ということを聞いたことあるんです。そうするとそこのお店の大将が「関西焼きの『まぜ焼き』がお好み焼き屋さんのメニューに入って来始めたぐらいに豚バラの注文を受けるようになった」って言ってました。
佐伯)じゃあ、やっぱりもともとの三津浜焼きの時は…
渡部)牛肉。
佐伯)牛肉やったんですね!
渡部)赤肉って言ってました、大将が。
佐伯)へ~。ちなみにそのお肉屋さんって「さがら」ですか?
渡部)ピンポンです!!これ三津の人まあまあウケると思う(笑)
佐伯)三津の人に向けて、ゴメンナサイ、ピンポイントな話題でして(笑)
渡部)三津の肉屋と言えば
佐伯)さがら、なんです(笑)
[ Playlist ]
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Sim Redmond Band – Life is Water
細野晴臣 – Tutti Frutti
Selected By Haruhiko Ohno