今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、デジタルハリウッドSTUDIO松山のマネージャーでコミュニティデザイナーの味村和哉さん。私たちが毎日目にしているHPやネット広告を始めとする「Webクリエイティブ」のデザインには、今どんな動きがあるのか?そもそもWebという言葉はどういう意味?など、今さら聞けない(!)基礎知識を色々教えて頂きました!
佐伯)よく耳にする「Web デザイン」という言葉なんですけれども、具体的に言うとどういったものになるんでしょうか?
味村)はい、この「Web」っていうものが何なのかというところにもなりますが、まぁいわゆる分かりやすく言うとホームページのデザイン…ホームページを見た時に「このお店美味しそうだなぁ」とか「この商品買ってみたいな」っていう風なところを分かりやすくユーザーさん=見ている人に分かりやすく伝えるためのデザイン、そんなのものを作ってます。
佐伯)同じように広告等って言うと紙のものもありますけれども、このデザインとは「Webデザイン」っていうのは全然違ってくるんでしょうね。
味村)そこで言うと、デザインの考え方的にはもちろん共通するところはたくさんあるんですけれども、一般的に絶対違うものとして紙って一度印刷してしまうと修正が…
佐伯)確かに。
味村)いっぱい貼らなきゃいけないですよね、貼ったり塗ったりしなきゃいけないんですが、ホームページの場合は逆に言うとそこは常に更新、書き換えるって言うことが出来ていくので、そこはね、すごく分かりやすいかと思うんですけど、そんなところも含めてとか、あと動きのある、紙をめくるのではなくてスライドさせていったりとか…
佐伯)スクロール、はい
味村)そうですねスクロールとか、あとクリックして次のページとか、そういった動きの違いっていうところもあるので、また作り方が少し異なってくるという感じですね。
佐伯)当然、私ども南海放送もホームページあります。それぞれの番組ごとだったり、あとイベントごとにホームページ。これをどんなデザインにするのかっていうのは、みんな頭を悩ませているところなんですけれども、今のトレンドっていうのはどういうところにありますか?
味村)そこのトレンド、もちろんちょっとした色の流行りはあるんですけれども、今もう当たり前になりつつあるのが、ひと昔ふた昔前だと携帯は携帯用のホームページ、パソコンはパソコン用のホームページって分かれていた。おそらく聞いてらっしゃる皆さんとかも、なんとなくそのイメージって…携帯で見るときサイトがあってってあるかなと思うんですけれども、今はもう見る人がパソコンで見てる人もいるしスマートフォンで見てる人もし、タブレット、iPad とかタブレットで見ている人もいるしって、全然こう何から見ているかっていうのがものすごくたくさんあるので、どの媒体というか、どの物から見てもちゃんとサイズが的確にその幅で表示されるように、これ「レスポンシブデザイン」って呼んではいるんですけれども、何から見てもちゃんときれいに見えるように設計されているのが、トレンドというよりはもう当たり前のようにそういうサイトを作っていると。
佐伯)ああ確かに、一昔前まではパソコンで開いたりしても「携帯サイトはこちら」みたいなボタンと言うか、そこをクリックしたら違うデザインの物にかわるっていうのありましたけど、今そういうの、ほとんどないですね。
味村)それこそ、まだその二つが混在してる時なんかに作られたパソコン用のサイトだと、両サイドが何か空白がやたら多いサイト…あれはやはり携帯で見た時にもちゃんと真ん中に収まるようにっていうところなんですけど、最近だとね、あんまり両サイド空いてるのってないかな。
佐伯)ですね。
味村)それはレスポンシブ対応っていうのがされている。
佐伯)なんかこう、しれ~っと変わっていってるんですね。今はパソコン持ってないっていう若い人も多くて、もう全部スマホとかタブレットでっていうところが占めてきてますもんね。
味村)そうなんです、なので私たちWebデザインを作る上でも、昔だったらパソコンから見ることを前提にだったのが、ここ最近はまずはスマートフォンから入ってって、でももっともっとじっくり調べたいとかそういった時にパソコンを使うっていう、我々は「スマホファースト」って呼んでますけど、そういった形で設計、デザインするときに意識しているところがあります。
佐伯)これホームページだけじゃなくて、映像についても同じような事が言えます?
味村)そこで言うと映像もまさに最近の若い世代は、という言い方がいいかどうかわかんないですけど、テレビがお家にないよ、でもパソコンはあるよって、で、スマートフォンがある。どっちかと言うとスマートフォンでもう何でもテレビ番組でも見てしまうっていう。YouTubeとか、あとNetflixだったりとかもういろんなものありますけれども、スマートフォンのサイズでやっぱりもう見るように、いわゆる動画も作っていくっていうのは主流になってきてますね。
佐伯)なるほど。ま、動画といいますとYouTube、みんなYouTube見ない日はないんじゃないかというぐらいですけれども、この中にも広告って出てくるじゃないですか。あのあたりのデザインというのも手掛けられているということですか?
味村)まさにあのあたりが一番メインとして、15秒とか30秒とか短い、はい。
佐伯)動画でいいますとYouTuber っていう存在が、もう子供たちの憧れになるくらい浸透していますけれども、言ったら誰でもクリエイターになれるという時代じゃないですか。そんな中で一つ知識を他の人よりも多く持ってるって、もうそれだけで優位性がありますよね。
味村)あともう一つ面白いなというか僕も思ってるのが、YouTube って一回見るとおすすめが流れてきますよね。あのおすすめを見た時に、あれって、我々の言葉でサムネイル画像っていうんですけど、あの画像次第でクリック率っていうか視聴率っていうのが全然変わってくるので、そこも含めて結構デザインってすごく重要。
佐伯)テレビ業界も当然配信の世界にも進出してるんですが、南海放送のNEWS CH.4という夕方のニュース番組の公式の YouTube チャンネルがあるんです。それもサムネイル画像、とにかくこういう動画だよっていうのをお知らせする、あのトップに出てくる画像ですよね、あれ次第で全然アクセス数とか見られる数が違ってくるんですよね。その辺を勉強すると大分違う。
味村)違います。それこそ、あとYouTube のテロップとテレビに出てくるテロップのサイズって全然実は違ってたりとか。
佐伯)YouTube の方が大きいですよね。明らかに。
味村)そうです。やっぱり小さな画面で見ることが前提になってるので、もしYouTube に出てくるテロップを大画面のテレビで見た時には「何だこれ、大きいな」みたいな形になるんですけど、やはりそういった部分も含めて「何で見てもらうか」っていうのを意識して、やっぱりデザイナーがデザインしていくことでやっぱり見てもらわないと。どんなにいい番組作っても見てもらわないと。その見てもらうためにはどういう風にすればウチのサイトを知ってもらえるとか、ウチのコンテンツを見てもらえる、番組を見てもらえるかっていうところはデザイナーの役割って非常に重要かなと思ってます。
[ Playlist ]
Suss von Ahn – Alone Again, Naturally
The Radio Dept. – What You Sell
Nicole Willis & The Soul Investigators – One In A Million
Radiohead – No Surprises
The Thrills – Don’t Play It Cool
Selected By Haruhiko Ohno