今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、株式会社クリエ代表の出口友子さん。クリエ制作のライブコマース番組「デジタル愛媛ツアー」は、昨年「いよぎんビジネスプランコンテスト」でスタートアップ賞を受賞するなど注目を集めています。南海放送でも取り組みを始めていて反響をいただくなど、いま目が離せない急成長分野の「ライブコマース」について、詳しく教えてもらいました。


 

佐伯)ライブコマースについて伺っていますけれども、これいつ頃始まったものになるんでしょうか?

出口)そうですね、世界的にライブコマースで流れがありまして、日本では第二次ブームなんですね、今。

佐伯)え、いつ一次があったんですか?

出口)え~、気づかなかったんですか(笑)

佐伯)気づいてない…、最近知りました(笑)

出口)え~、これ第二次ブームですよ。最初、中国とかアメリカとかがスタートし、もちろん日本も実はスタートしてるんですね。

佐伯)いつ頃ですか?

出口)2016年とか2017年とか、コロナ前。

佐伯)え~、気づかなかった…。

出口)気づかなかったですか。本当に佐伯さんがそうおっしゃるのも仕方がないかなと思うくらいひっそり終わってるんですよね。

佐伯)それブームなんですか?ひっそり(笑)

出口)はい(笑)。そのまま中国とアメリカは実は盛り上がってまして、中国だと当たり前にライブコマースで物を売り買いする文化にもうすでになっている。

佐伯)なんか中国のライブコマース動画とか賑やかそうですね。

出口)やっぱり人口がまず10倍なので、ちょっと頑張ったら1000万人フォロワーとか起こり得るのと、文化が違うので。本当に何て言うんですかね、インフルエンサーを信用してる国なんですよね。現金がやっぱり信用できないので…

佐伯)電子取引なんですよね。

出口)電子取引こそ。お賽銭も今QR コードでお賽銭するらしいので。現金がなかなかっていう事情があって。日本が一次ブームで流行りきらなかったのは、現金とかに信用があって、やっぱりニコニコ現金払いっていうところもあったり。まぁあとやっぱり人口が少ないので、やっぱりまだまだ莫大な費用かかるものだったので当時は採算が合わずに撤退を。例でいうとメルカリチャンネル。

佐伯)おお、メルカリ。

出口)はい。もう2019年に撤退をしていたり、あの香取慎吾さんがCMされてますけどBASEも2020年に撤退していたり。ヤフーショッピングライブも2021年に撤退をしていたり。なのにクリエは、この中で2019年に始めるっていうね(笑)

佐伯)さっき“賭け”っておっしゃいましたけれども、まさにそんな中での…

出口)そうなんですよね。

佐伯)事業転換だったという。

出口)そうですよね、何を思ったんでしょうねぇ。

佐伯)何を思われたんですか?

出口)やっぱりブームって下火になった時こそチャンスはあると思っていて、みんながやり始めたら意味ないと思うんですよね。

佐伯)は~。

出口)統計で行くと流行って認知度が20%超えるまでがチャンスなんですって。もう20%超えちゃったら大手が参入してくるのでベンチャーに勝ち目が無いから。でも認知度が15%を切ってしまうと流行らないらしいんですよ。

佐伯)微妙な…

出口)そうなんですよ。15%から20%ぐらいの認知度のものを狙ってベンチャーはついていくべきだと東京で学んだので、ちょうどライブコマースの認知度が当時2019年が16か17%で。

佐伯)うわっ、まさに…

出口)行けるんじゃない?って(笑)

佐伯)で、設立をされた。

出口)はい。

佐伯)最初はどういうものだったんですか?

出口)スタートは、一緒に会社をやっている樋口っていうのがアパレルの服屋さんをやっていたので、当時は結構クラウドファンディングにチャレンジしようとしたり、アパレルでやろうとしてた時期もあるんですよね。そのころ時を同じくしてコロナ禍が発生しまして、我が社もご多分に漏れず苦境に陥り苦しい思いをしてた時に、愛媛県…当時私たち東京にいまして渋谷でワインを飲みながら仕事してたみたいな…

佐伯)まあ、オシャレな。

出口)はい、オシャレにしてたんですけど(笑)。そうこうしてるうちに愛媛の真鯛の鯛一郎クンっていう…

佐伯)はいはいはいはい!

出口)真鯛のブランドがフェイスブックで、困って行き場がない鯛一郎クンを買ってくださいっていう活動されていて、普通にクラウドファンディング支援をしたことがきっかけで。やっぱり調べていくと、天然じゃなくて養殖でされている中で、やっぱり育てなきゃ次の卵が取れないのに、でも育てても豊洲の市場が閉まってるので7割が出荷できなくて、殺さなきゃ次が入れられないってすごく苦しんでらっしゃるを見た時に、人としてね、ちゃんと助けないと良くないなと思って会いに。「お金払ったけど受け取りに来ました」っていう。こんだけデジタルデジタル言ってるんですけど。

佐伯)そこはリアルに。

出口)リアルに「受け取りに来ました」って会いに行って、養殖場も見せて頂いて。本当に色々見せて頂いた中で、やっぱりデジタルって言うんだったら自分の街を、ちゃんと向き合ってこんな時こそ支援しないと仕事してる意味がないなと思って。じゃあライブコマースをファッションでやろうと思ってたけど、宇和島から養殖マダイを売るぞ!っていうのが一番最初でした。

佐伯)じゃあ本当、故郷への思いがあっての、というところなんですね。

出口)そうですね、本当に。そうじゃなかったら東京で私たちもアパレルやってたかもしれない。

佐伯)そうこうしていると、今第二次ブームっておっしゃいましたけれども思った通りというか。

出口)うーん、思ったより早かったですね。

佐伯)そうですか。

出口)やっぱりコロナっていうところもあって、やっぱりZOOMのようなツールもあっという間に広がって。愛媛でZOOMをするのってサムライが写真撮ったら魂抜かれるみたいな、私も怖かった!

佐伯)ウソでしょ(笑)

出口)怖くなかったですか、ZOOM?

佐伯)いや、魂抜かれるとは思わないけど(笑)。

出口)ドキドキしませんでした?

佐伯)ちょっとね、伝わるのかどうかとか、途中で止まったりなんか変なことにならないのかっていう心配はありましたよね。

出口)だって「カメラONにしますか?」って聞かれますけど、ONにしないと向こうに誰がいるか分からないってムチャクチャ怖かったし。

佐伯)そうですか。

出口)向こうから私がどう見えるかも分からないのにONにしなきゃいけないってムチャクチャ怖い…、あ、そうか、テレビ出られてるから平気なのかな?

佐伯)え~???

出口)普段なんか一般の人が、自分があんだけ画面にいっぱいいっぱい映ることってないので…

佐伯)そういうことですか!?

出口)見慣れないんですよ、あの姿。

佐伯)はあ。

出口)私こんな寝グセあるんだ、とか。こんな声してるんだ、とか。

佐伯)それはね、皆さんおっしゃいますね。

出口)全然慣れなくて。でもそれが皆仕方がないからやり始めてくれたので。それで本当生産者さんも今70社以上の方と一緒にライブコマースさせて頂いたんですけど、やっぱ最初は結構怖いって言う方も…第二次ブームなんでしょうね、私たち結構二次ブーム痛感してますよ、本当来たな~って。

 

 


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Selected By Haruhiko Ohno


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