今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、松山のチョコレート専門店「ショコラトリーツムギ」の亀田将太さん。シェフパティシエである亀田さんに、チョコレートの歴史や最新情報などについて詳しく伺いました。バレンタイン直前ということで、手作りチョコをグレードアップする秘訣も教えてもらいましたよ。


 

佐伯)自分で作るっていう方も、特にこの時期いらっしゃると思うんですけれども、きょうはせっかくなのでプロである亀田さんからアドバイスみたいなものいただけるでしょうか?

亀田)ちょっと難しいんですけども「テンパリング」っていう作業に挑戦して行ったらどうかなと思います。

佐伯)テンパリング…これは?

亀田)テンパリングっていうのはチョコレートに含まれるカカオバターの結晶を最も安定した状態にする温度作業のことなんですけども…

佐伯)え~、なんか難しそう。

亀田)これをすることによって、光沢があって美しいなめらかな口当たりのチョコレートを作ることができるんですよ。

佐伯)あ、確かにさっき見せていただいたTSUMUGIのチョコレートでも、ものすごくツヤツヤの表面になっているものがあったんですけれども、そういう風にするためにはテンパリングっていうのが必要だっていうことですか?

亀田)そうですね。あのツヤだったりとか口当たりのなめらかさを作るには、テンパリングっていう作業が一番大事なところになってくるんですよ。

佐伯)具体的にはどうすればいいんでしょうか?

亀田)これはまずチョコレートを、ちょっとパーセンテージによっては変わってくるんですけども、スイートのチョコレートで行こうと思ったら50°cぐらいまで温度を上げてもらってチョコを溶かして、それからちょっと26℃から27℃ぐらいまで下げてもらって、その後もう1回30°cぐらいまで少し上げてもらうっていう。

佐伯)え、どうしたらいいんですか?あの、私がかつて作った時は、板チョコを削って湯煎で溶かして…

亀田)それでも大丈夫です。

佐伯)それで大丈夫ですか。溶かして、それを50℃ぐらいまで一旦して…

亀田)その後に水か、もしくは氷水でちょっと冷やしてもらって、そしてまた湯煎でちょっとだけ温度上げていただくっていう作業になるんですけども。これをやるときにやっぱり湯煎とかを使うと水がどうしても入ってしまう可能性があるんですけども…

佐伯)あれ、気を使いますよね。

亀田)そうなんですよ、水が入ると分離してしまって、もうどうやってもちょっと美味しいチョコレートが作れなくなるので。今でしたら電子レンジとか使われる方もいますし。

佐伯)へ~。

亀田)そうすることによって、やっぱり水が入ることがなくなるので。

佐伯)たしかに。

亀田)そういうのも作り方の秘訣ではありますね。

佐伯)なるほど。じゃ、50℃まで上げて、次に26~27℃に下げて、30℃まであとちょっともう1回上げて、というのが入るだけで、なめらかさだとか光沢が変わってくるんですね。今年作ろうと思ってる方、ぜひ参考になさってください!あと合わせるもの?オリジナリティを追求するにあたって何かこんなものがいいですよっていうのあります?

亀田)そうですね、アーモンドだったりとかベリー系を合わせると、やっぱりチョコレートと相性がいいので、そのへんはよく使ってもいいのかなと思います。家でもよくやっぱり使われている商品にはなるので、アーモンドの実を入れるのもいいですし、ベリー系をピューレ状にして、それをチョコレートと混ぜてもおいしくできますね。

佐伯)なるほど。じゃ、きょうのアドバイスを是非参考にしていただいて今年、美味しい「おっ」と思わせるチョコレートを作ってみてください!

 


[ Playlist ]
Belle & Sebastian – There’s Too Much Love
Jocelyn Brown – Daydreaming
The Big Fish – Happy Ever After
Sharon Van Etten – One Day

Selected By Haruhiko Ohno


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