今年最初に坂の上に訪ねてきてくださったのは、株式会社小泉製菓代表取締役の小泉紗奈さん。松山の方には「こいずみの大判焼き」でおなじみの老舗菓子店で、4代目となる紗奈さんは、伝統を守りながら若い感性を活かした新たな挑戦にも取り組んでいます。ところで、大判焼き、回転焼き、今川焼き…など様々な呼び名で親しまれているアノお菓子。「大判焼き」という呼び名のルーツは愛媛にあることをご存じですか!?今回は「なぜ大判焼きと呼ぶのか?」「あんこは甘くなかった?」「あんこの可能性」をキーワードに、「あんこ文化」について語っていただきました。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。
佐伯)では、一つ目のキーワードです。「なぜ大判焼きと呼ぶのか?」確かにあんまり考えたことはなかったんですけど(笑)。いや、結構ボリュームがあるから大判なのかななんて思ったりはしますが、このあたりいかがなんでしょうか?
小泉)はい、そうなんです、大判焼きの由来としましては、昭和35年頃に松山市の調理機器メーカーである株式会社松山丸三さんが大判焼き機を…あの製造機とその周辺の器具を「大判焼き一式」っていうところでセット販売されていて、その名前の名付けのときに大判焼きっていうふうに名前を付けて発売されたっていうところが発祥となっています。
佐伯)じゃあ、私たちがいつもいただいているお菓子じゃなくって、それを作るための機械が大判焼き機だったってことなんですか?
小泉)そうなんです。
佐伯)へ~!
小泉)そのタイミングから丸三さんが各お店さんにその機械を販売されて、皆さんがそのまま「大判焼き」っていうふうに名前を使われて。
佐伯)え、じゃあこの呼び名は松山丸三発祥というか、愛媛発祥?
小泉)そうなんです。
佐伯)そうなんですか!それが広がっていったという?
小泉)そうなんです。今や全国の名前になっておりますよね。
佐伯)そうなんでしょうね。でも大判焼き、丸三さんが考えた大判焼きっていうのは、何でそれを大判焼きと…
小泉)はい、由来ですよね。私もある時点で調べたときに「へ~」って思ったお話なんですけど、実際あの昭和の販売する35年の少し前ですね、31年か33年ごろに愛媛県宇和島市を舞台にした大衆小説である「大番」っていう、あの獅子文六さんの小説がベストセラーとなりまして、その後映像化されたりとかしたヒット作品だったみたいなんですけれども、そのときのこの「大番」っていうところから着想を得られたようで、最初の名前があの大きい大判小判じゃなくって番号の番だったんですよね。最初大番焼きってその番号のほうで名付けようとされたみたいなんですけど、それでは芸がないと考えて、ちょっとひねられたんですね、松山丸三さん。で、ちょっとサイズの方の版という意味の「大判焼き」に名称変更されて、それが話題になったっていうふうに…
佐伯)へ~!じゃ、元の元をたどると獅子文六に繋がっているという。いや、ここにも何か愛媛のこだわりを感じますよね。ああ、そうですか。
小泉)はい、そうなんです。
佐伯)で、我々が大判焼きと呼んでいるあのお菓子自体は、いつ生まれた?
小泉)あの形のあの焼き饅頭はですね…
佐伯)焼き饅頭。
小泉)江戸時代の神田今川橋の近くで売られていたところから「今川焼き」っていうのを、はい、当時の商人が、その橋の由来で「今川焼き」ってつけられたっていうふうに私も伺ってるんですけど、そこが元々、大元ですね。
佐伯)江戸時代から!
小泉)江戸時代の大衆菓子です。
佐伯)へ~。今川橋のたもとで売られていたから「今川焼き」。東京に私、学生時代住んでたんですけど、確かに「今川焼き」っていう。でも私は「大判焼き」なんで、最初「今川焼き?」って思ったのを思い出しました(笑)。
小泉)はい、そうなんです。当時から大衆向けのおやつとして、四文銭っていう今でいう百均みたいな小銭で、その四文銭1個で二つ買えるっていうのが最初の始まりだったっていうのは伺ってます。
佐伯)そうなんですね。確かにあのお菓子って全国各地で呼び名がいろいろあるっていうのはね、皆さんご存知だと思うんですけれども、今出てきたそのもちろん我らが「大判焼き」それから「今川焼き」と、他にもいっぱいありますよね。
小泉)そうですね、もう本当いろいろ論争を繰り広げられてると思うんですけれども、「回転焼き」だったりとか、あとは姫路に行くとメーカーさんで「御座候」さんがいらっしゃいますね。
佐伯)聞いたことある!
小泉)こちらだけお店の登録商標とか、もう唯一無二のお名前でされてるところだと思うんですけれども。
佐伯)うちの母親なんかよく「太鼓まん」って言ってます。
小泉)そうですね、「太鼓まん」という名前も形状を模したお名前ですね。
佐伯)でも何とか焼き…「回転焼き」とか「今川焼き」とか「大判焼き」とかっていう中にあって、ちょっと御座候ってめちゃくちゃ異色ですよね(笑)
小泉)本当に御座候さんだけが本当メーカーさん独自のお名前で、創業が昭和25年で、こちらのお店は私が拝見…全国県外行くたびに私その地域の大判焼き、あの形のお饅頭は絶対に食べるようにしてるんですけど
佐伯)え~!
小泉)御座候さんのファンでもありまして。元々が屋号で、お客様に対して「お買い上げいただき、ありがたくござそうろう」という気持ちが込められている。そこから来た御座候という名前みたいなんです。
佐伯)そういう屋号なんですね。なので御座候っていうのがそのままお菓子の名前にもつけられたということですか?
小泉)そうみたいですね。
佐伯)でもね、その名前がいろいろあるというところから考えても、もう日本中に愛されてるお菓子という。
小泉)はい、各地域の馴染みの大判焼き屋さん今川焼き屋さんが必ずありますからね。
佐伯)ああ、そうでしょうね。
[ Playlist ]
Jack Penate – Learning Lines
The Big Fish – Happy Ever After
Norah Jones – Toes
Selected By Haruhiko Ohno




