今回、坂の上に訪ねて来て下さったのは、おそらく日本で唯一人の「お弁当作家」尾原ミナさん。「お弁当作家」を名乗るきっかけになった20年前の意外な出来事や食をテーマにした様々な活動について伺うとともに、映えるお弁当づくりのコツについても教えて頂きました!
佐伯)そろそろ「映えポイント」を色々教えていただければと思うんですが、どういう風に盛り付けというか、お弁当の場合は詰めていくと、美味しそうに見えるのか?
尾原)まあ色を華やかにすることにこだわりすぎないっていうところもあるんですけど…
佐伯)へ~、そうなんですか?
尾原)なんだろう、明るければいいってわけでもなくて、やっぱりあのモノトーンとのバランスがあると思います。
佐伯)モノトーン?
尾原)ふふふ。白と黒、っていうか茶色でいいんですけど、そういうののバランスに赤緑黄色みたいなところの5色があればもう完璧なんですけど。
佐伯)だいたい、まあ茶色くなりがちですよね。
尾原)ご飯があって、なんか揚げ物みたいな。
佐伯)そうそう揚げ物とか、お肉もね、なんか焼いたら茶色いし。
尾原)そこに、あと赤い物と緑の物と黄色い物があったら、だいたい華やかになると思います。
佐伯)あ、そういう簡単な考え方でいいんですか。じゃ、ご飯と揚げ物と卵焼きとブロッコリーとプチトマトがあったら、もうOKって感じですか?
尾原)はい。
佐伯)ものすごいハードル低くなりましたね。
尾原)で、もっと華やかにしたいと思ったら、赤とオレンジ、というか赤からちょっとずらした色みたいな。黄色と、黄色だけどなんかもうちょっとトーンが違う、なんかちょっと黄色っぽいやつとか。緑も、濃い緑のものと、ちょっと薄いのとかっていう、もう一色そこに足して行くとまたより華やかになるみたいなのの倍々みたいな感じですね。
佐伯)そう考えたらものすごくベーシックはシンプルなんですね。今のを聞いて「明日からちょっとだけカラフル弁当に出来るわ」っていう方もいらっしゃるかもしれません。ちなみに最近は、それこそさっき話した冷凍がすごく発達しているので、冷凍食品も利用しながらお弁当を作ってるって言う方もずいぶん多いと思うんですけれども、とにかく時間をあまりかけたくないっていう人にぴったりのおかずって何ですかね?
尾原)なんか、お好きなドレッシングとかを…
佐伯)ドレッシング?
尾原)はい、見つけられたらいいんじゃないんでしょうか。ドレッシングとか、なんでもいいですよ調味料。なんとか味噌みたいなのでもいいんですけど、茹でた野菜にそれをかけたり混ぜたりしたら出来上がりみたいな。人参とかもただ千切りにしてちょっと茹でて、お気に入りのドレッシングと和えて一品とか。じゃがいもとかもね、蒸したりマッシュして、なんとか味噌みたいなのに、にんにく味噌とかなんか今頃ご飯が進むようなのありますよね、ああいうのとかと混ぜて出来上がり!みたいな。けっこう一品として。
佐伯)あ、それ発想の転換ですね。具材じゃなくて調味料のほうを主として、相手を変えていく。なるほど!それだったらもう、一個好きなものを見つけたら食材を変えるだけでいっぱいバリエーションが増えますもんね。いいこと聞きましたね、コレは。じゃ、そのほか…あと便利な食材。これ取り入れると良いよっていうのって…
尾原)でも何はなくともタマゴですよね(笑)
佐伯)やっぱり!
尾原)タマゴってね、ほんと便利ですよね。
佐伯)はい!何にでもなりますもんね。
尾原)何にでもなりますよね。卵焼きを作るのが面倒だっておっしゃる方は、ゆで卵でもほら最近なんか味玉みたいに、麺つゆに漬けたりとか。あれも麺つゆだけじゃなくってなんか浅漬けの素みたいなのあるじゃないですか、ああいうサワー系とかでも合うと思うんですよ。そういうのとかに色々漬け込むと。それこそ味噌漬けにしたっていいと思うんですけど。
佐伯)はあ、ゆで卵だけプイっと入れてるより、ただ味噌に入れといて一晩でも寝かせといただけなのに、なんかすごく手が込んだみたいな感じになりますね。
尾原)はい、美味しくお味もいいし、あまってもまたお家でね、うどんやラーメンかなんかした時にね、ちょっと入れてもいいし。それを細かく刻んで、一回なんかそれこそ余っちゃったと思ってポテトサラダにしたけど味がよく付いてより良かったんで。タマゴってやっぱり何にでも使えると思いました。
佐伯)もう王様ですね。
尾原)はい(笑)。
[ Playlist ]
Sharon Jones & The Dap Kings – Better Things
Belle & Sebastian – Asleep On A Sunbeam
Keller Williams – Love Handles
Seigen Ono – On The Sunny Side Of The Street
Mario Biondi & The High Five Quintet – On A Clear Day
Selected By Haruhiko Ohno