今週、坂の上に訪ねて来てくださったのは、一般社団法人E.Cオーシャンズ代表理事の岩田功次さんです。SDGs=持続可能開発目標が世界で意識されるようになるとともに、海洋プラスチックゴミ問題も大きな社会の課題になっています。無人島などの接近しにくい海岸に、船で近づいてごみを回収する専門的な団体であるE.Cオーシャンズの活動から見える、愛媛の現状を伺いました。


 

佐伯)東日本大震災が発生した後、あの津波で流された瓦礫ですとか大きなゴミですとかが世界中の色々な所に漂着するというニュース、覚えている方もいらっしゃると思います。無人島に漂着しているゴミっていうのは、どういったものがあるんですか、実際。

岩田)そうですね、瀬戸内海でも西日本豪雨がありました。あの時には岡山の方でも大変な状況でしたし、愛媛県でも野村のダムの関係で肱川が氾濫。肱川の流域にあったガスボンベが海に流れ出たっていうのがありましたね。ああいう風なのが来ます、もうたくさん来ます。で、佐田岬なのに中国地方の山の中のコンテナが来たりとか。

佐伯)ええ?

岩田)そういうんですよ、ぐるぐる回ってますから。いろいろ瀬戸内海流域のゴミは、災害ごみも色んな所で見つかります。

佐伯)そうなんですね。災害時に使われたものがまたこちらに流出してっていうこともあるんですね。

岩田)もちろんそうですね。流れたものが海に来る。あと災害でちょっと心配してるのが土のう袋、あとブルーシートですね。これなんかがずっと放置されて風にバタバタしたりすると、それ自体がマイクロプラスチックになる。

佐伯)はぁ。

岩田)もう紫外線で朽ちてしまってクズクズになったら、さてどこに行くでしょう?

佐伯)どこに行くんでしょう、風に飛ばされて…

岩田)飛ばされて飛ばされて、結局、川から海に流れていく。かたまりではなくて粒粒が流れていく。

佐伯)先ほど見せていただいた、もう本当に1 mm にももしかして満たないぐらいの大きさのものもたくさんあって、それって回収できないですよね。

岩田)できないですよ。

佐伯)この小ささでどこか飛んでいってしまったら。

岩田)私、意識起こしのための子どもたちの親子行事でこんな拾うようなことをしようとしてますけど、実際にこれを拾うなんてことはとんでもないことです。

佐伯)そうですよね。

岩田)まあまあ復旧してね、日本中の至るところでこういう風なのを拾う人が出てきたら少しは良くなるかもしれないですけどね、なかなか難しいことですね。

佐伯)実際に、その土のう袋がちょっと朽ちてしまったゴミ、それからブルーシートも混じってますか、見せていただいたんですけれども。これ、なんだろう…イメージとしては
紙をシュレッダーに、細かいシュレッダーにかけたみたいな形になってるんですね、自然と。

岩田)それこそ普通のビニール紐なんて、紫外線にさらされるような外に縛ってると、もう手で触ったら粉々になってしまうでしょ。

佐伯)ああ、朽ちて。

岩田)そうそう、あの状況と同じですね。ブルーシートも災害用の土のう袋も同じです。

佐伯)じゃあ、敢えて捨てるんじゃなくても、そうして飛ばされて行ったらどうなるかとか、いろんなことを考えて、私たち利用する側も手を打たないといけないってことですよね。

岩田)そうですね、これはもうプラスチック使い捨ての容器をやめるとか、災害用のブルーシートももっと…もしも飛ばされても自然に帰るようなものにするとか。まあプラスチック自体がもう今世の中に溢れてますので、これ自体をどうにかするっていう風なことを考えるのと、まあ今自然界にあるものはできるだけ拾えるようにしたい。出さない、あと拾う、リサイクルできるものはきちんとリサイクルする。それぞれの個人が意識を持ってやるっていう風な社会になったらいいですね。

佐伯)実際に今日お持ちいただいているその標本を子供たちと一緒に作られたということなんですけれども、どんなふうにしてその標本作りというのはなさるんですか?

岩田)これですね、まだ開発したばっかしで、これから子供達としようと思ってることなんですけど、実は私たちが拾っている浜辺の漂着ゴミは、全部「浮く」漂着ごみがあの浜辺に来てます。

佐伯)浮いて流されて漂着している。

岩田)で、大きいゴミは拾うんですけど、その下に細かいゴミが砂と共にある。だから、大きな桶に海水を入れて、そこの下の砂と一緒にスコップで水の中に入れると、小さいプラスチックが全部浮くんですよ。

佐伯)砂に混じってるものが。

岩田)そうそう。だから全部それを網ですくう。網も1ミリぐらいの網ではすくえない。もっともっと小さいものは、本当にもう布ですくうような感じですね。

佐伯)あ、目の細かい、なんかもうストッキングみたいな網ですよね。これですくって…

岩田)それがこれですね。

佐伯)そうしていったら、このマイクロプラスチックが目に見える形で出てくると。

岩田)そう。だから目に見えないとなんか恐ろしいけど、目に見えたらもっと意識が高くなるでしょ。

佐伯)そうですよね、こんなに混じってたのかっていう。

岩田)プラスチックね、ちっさいの顕微鏡で見たりするとキラキラして綺麗です。

佐伯)でもまあ綺麗とも言ってられない状況があるって事を今日は教えていただいてますけれども…

岩田)それを知らせたいところですね。

佐伯)ゴミ拾いの活動などについての YouTube でも発信されてるということなんですけれども。

岩田)私たちの活動は「E.Cオーシャンズ」で検索していただいたら、どんなことしてるのかっていうのは見れるような状況にはなってます。で、今後ですね、子供達と楽しい思い出の授業をした時には出していきたいなと。いやですもんね、しんどそうなのばっかし見せられるのは。

佐伯)そうですよね、まずは関心を持ってもらって、そこから自分でできること考えてもらって。

岩田)だから意識を高めるとかっていうことに、今一生懸命力を注いでるとこですね。

 

 


[ Playlist ]
Rasa – A Perfect Love
The Submarines – Clouds
Neil Young – Harvest Moon
Scissor Sisters – Take Your Mama
Sade – By Your Side

Selected By Haruhiko Ohno


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