今週も、ゲストは直木賞作家の今村翔吾さん。伊予観光大使にも就任された今村さんに「直木賞作家・今村翔吾が描く愛媛の過去と未来」というテーマを、「神風だけではなかった」「作家視点の文化の掘り起こし」「歴史を現代とつなぐエンタメ」という3つのキーワードでお話を伺いました。そのトークの後編です。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。
佐伯)実は今日2月末に収録をさせていただいてるんですが、おとといですか、行われたトークショーでも「本屋さんを作ってほしい」という高校生のリクエストありましたよね。
今村)そうそう、藤岡未来くんやったっけ?
佐伯)名前もしっかり覚えてらして…
今村)覚えた覚えた(笑)なんかね、前々から松山に本屋さんを、商店街になくなったっていうことで
佐伯)商店街の中にはなくなった…
今村)ということで、なんかこう「商店街に本屋を戻してほしい」という声は、さっき言ったように僕、人との繋がりもあったんで、これはいただいてたんですけど
佐伯)そうなんですか。
今村)できるかなぁとかって考えてた中で、おとといのトークショーでその未来くんが質問で「本屋作ってほしい」って言ってくれたんよね。もう一瞬、僕も3秒ぐらい熟考したんやけど
佐伯)それ熟考ですか(笑)
今村)3秒熟考して、やっぱね、僕もずっと長年子どもを教えてきて、ダンスの先生として教えてきた中で、やっぱ「できひんことをできるっていう大人」にはなりたくなかったんよ。だから、できんことはできひんって言うし、けど「100%絶対やるわ」って安請け合いもしたくなかったけど、だから全力で、じゃあ取り組むわっていうことは言って、んで僕の「全力で取り組む」は「やる」んやけど基本的に。
佐伯)はい。
今村)うん、なんかこうね、人の力じゃない何かが介さない限りは何とかしてやろうと思ってるんだけど、だからもう早速それに向けて、そっちから滋賀県の事務所に連絡して、もう本屋を出店させるためのチームもまた作って、松山に出せないかなっていうことは考えてます。
佐伯)え、もう2日で!?
今村)2日で。
佐伯)2日で動き始めちゃったんですか!
今村)基本信長みたいな戦闘方法だから、僕(笑)
佐伯)すごいスピード感ですね(笑)
今村)基本的にどの事業も、行くとなったら桶狭間タイプで行くから!
佐伯)あらららら、そうなんですね(笑)でも確かに今、中央商店街に二つ百貨店があるんですが、百貨店の中には本屋さん…
今村)立派な本屋ありますよね。
佐伯)入ってますよね。ただ私が高校生ぐらいまで…の時には、商店街の中の本屋さんに教科書も買いに行くし、夏休みになれば読書感想文の本も買いに行くしっていうことで、暮らしの中に書店って確かにあったんですよね。
今村)そうね、なんかやっぱ書店って普通に本売っとくだけ、もちろん大型店舗はそれでいけるんだけど、中規模・小型はちょっとそれだけじゃやってけへんってのはニュースとかでもよく聞かれると思うんですけど、何かいろんな手法が必要で、そういう意味で言うと僕は今回、東京にある…僕3店舗全部屋号別なんですよね、九州の佐賀と、さっき言った大阪の箕面と、東京のやつと。その東京のタイプが一番いいかなと思って、これは昨年かな、昨年の4月に…佐藤可士和さんってご存知ですか?
佐伯)はい、もちろんです。
今村)佐藤可士和さんに僕は協力要請を願って、13枚の手紙でダメ元で「手伝ってほしい」ってお願いしたら手伝ってくださって、それが東京にできたんですよね、「ほんまる」っていう書店が。これを東京以外で初めてを松山かなって、今ちょっと思い始めてますね。
佐伯)うわ~。実は愛媛の今、ものすごく名産というか…
今村)今治タオル。
佐伯)そう!も、佐藤可士和さんの力で今治のタオルが復活したっていうご縁があるから、なんか今ゾクゾクっとしました。
今村)出版復興というか書店復興の思いを書いたんですよね。ほんなら可士和さんが「ぜひ一緒にやります、やりましょう」って連絡くださって。おととしから去年にかけてはずっと可士和さんと一緒にやってきて、それを今回ね、松山にってことで、もう既に可士和さんの事務所にもご連絡して、可士和さんも入ってくださるらしいんで。
佐伯)え~、そうなんですか!そこまで動きだした!
今村)はい、可士和さんもやっぱ「次どこ行こう?」って言ったときに、なんかいっぱい…このね、「ほんまる」に関してはご誘致いただいて、15地域20地域とか、もう会社とかも含めたら、もう大企業からも、電鉄系とかうちの中に入ってくれとか、再開発で「ほんまる」をとかって言ってくださったんですけど、やっぱり本来の趣旨って「必要とされてるところに出す」っていうことなんで、出版復興という。松山は先ほどおっしゃったように二つあるんだけど、僕はやっぱ商店街ってあってもいいんじゃないのって思ってますね。あの男の子の声がその全てかなって思います。
[ Playlist ]
Kitty Daisy & Lewis – Will I Ever
Stereophonics – Nice to be out
Inger Marie Gundersen – Will you still love me tomorrow
Badly Drawn Boy – The Further I Slide
Anita O’Day – You Turned The Tables On Me
Selected By Haruhiko Ohno