ゲスト:えひめ結婚支援センター 藤崎朱美さん
今週、坂の上に訪ねて来てくださったのは、えひめ結婚支援センターの藤崎朱美さん。晩婚化、少子高齢化が進む令和時代の婚活事情について、お話をお伺いしました。イマドキの婚活、プロポーズは男性から?女性から?
佐伯)これまでの成婚率が11年間で1100組を超えているという、ものすごいデータを伺ったんですけれども、これはやっぱり「えひめ結婚支援センターならではのシステム」みたいものがあるんですか?
藤崎)そうですね、あのボランティア推進員さんという方がいらっしゃるんですね。この方達が現在274人いらっしゃって、この方達がいるからこそ成功につながっているかなと思うんですね。このボランティアさんというのは本当に名前の通り無償でいろいろと働いてくださってる方で、えーっと、まあ「おせっかいおばさん」ですか、簡単に言うと(笑)。イベントとかお見合いで「どの人がいいの?じゃこの人と話してみる?」とかいうことで、いろいろお世話焼いてくださる方なんですけど、その方たちが本当に色々とね、世話を焼いてくださって成婚になっている感じですよね。
佐伯)どういった年齢の方々なんですか?
藤崎)年齢はだいたい五十代六十代の人が多いです。やっぱり自分も同じ年頃のお子さんがいらっしゃるので他人事とは思えないとか、あるいは若者の恋愛事情を知りたいとか社会貢献でとか、いろんな意味で申し込んでくださってるんですけども、皆さんですね、この仕事が楽しいと。で「結婚しました!ありがとうございました」って言われると嬉しいと。だからやめられないって意見はよくあります。
佐伯)その方たちの、いわばアナログ的なご支援があり、一方で先ほど出会いにLINEを活用してっていうのもありましたけれど、デジタル、今だからみたいなシステムもあるんですか?
藤崎)そうなんですね。あのビッグデータっていうのを今活用しておりまして、総務省の地域情報化大賞2015年の特別賞を受賞したんです。“愛媛方式”としてね、今非常に全国でも注目を集めてるんですけど。あの国立情報学研究所のアルゴリズム研究家の宇野先生という方がいらっしゃいまして、その方が私たちの会員の150万件の行動履歴を全部データとして活用しまして、参加者ひとりひとりに合う可能性のある異性を、「この人はこの人がいいんじゃないの?」っていう風な異性を見つけるシステムをですね、構築して下さったんです。
佐伯)例えば、じゃあ「どういう条件で検索したか」とか「何回参加申し込みをしたか」というデータのことも?
藤崎)そうです、全て!それをデータ分析して、例えば「あなたにはこの人が合うんじゃないですか?」っていうことをご案内してくださるんです。
佐伯)そこまで!
藤崎)そう、だから例えば、よくほら商品を購入したら「あなたにはこの商品ももしかしたら」っていうのがあるじゃないですか。あれが、お相手の方にも意思があるので、こっちの好み好まれと相手方の好み好まれを合わせて生まれたデータをお伝えするということです。分かりやすく言うと、例えば私は身長170cm以上の方がいいよということで、その方たちを色々と私は探すわけなんですけども、アルゴリズムが「いやいや、169cmでこの人いいんじゃないですか」って教えてくれたら、もしかするとその人がすごいいい人かもしれない。それだけの身長差でね。で、その人はうまくいくかもしれないですよね。だから、自分の固定概念だけではなくて、自分に「気づき」を与えてくれるような、そんなシステムなんですよね。
佐伯)それが愛媛方式?
藤崎)そうなんですよ。これだったら自分がこの人っていうんじゃなくって、システムが教えてくれたから、例えばうまくいかなくても「いや、私が選んだ人じゃないから」ということで、言い訳にもなるので(笑)。非常にこれ皆さんに今使って頂いてるシステムなんですけれども、カップリング率も高いです。
佐伯)よく、さっきおっしゃった、検索履歴などからその人の興味のありそうな分野の広告をスマホで表示する、みたいなものですよね。そういうものが評価されているのって、成約率が高いから。ということでデジタルのコマーシャル市場ってどんどん今伸びてると言われてるんですけど、ということは婚活市場においても、そうなってくると成婚率が高くなっていくんですか?藤崎)高くなってます。そのビッグデータからのオススメ機能を使って。
佐伯)オススメ機能!
藤崎)そうなんです。検索した方は、やっぱり普段のカップリング率より高くなってます。
佐伯)やっぱりそうなんですね!
藤崎)特に女性にオススメしてるんですね、「女性からお申し込みしてください」っていうことを。男性って、申し込まれたら断らない方が多いんですよ。
佐伯)そうなんですか!?
藤崎)男性に聞くと。男性ってやっぱり女性から「好きですよ。気になってますよ。」って言われたら、大体「じゃあ僕もいいかもしれないな→いいな→いいかもしれない!」っていうことで、割と付き合ってくださる方が多いらしいんですよ。
佐伯)女性は、そうはいかない?
藤崎)女性は逆に、「この人がいいかもって言ってるけどもどう?」って言っても、「いや、私はこの人はタイプじゃないんで」って。
佐伯)そこは女性の方がはっきりしてるんですね。
藤崎)男性は割と、(好きと)言われたらこっちを向いてくれる人がほとんどらしいです。
佐伯)まあ!なんとも有用な情報(笑)。じゃぁ、以前は男性がプロポーズするもんだと、男性が告白するもんだって言うのかありましたけど、今そういうんじゃないんだと。
藤崎)そうですね、最近は女性からプロポーズすることも多いですね。特に男性からプロポーズできない方が多いんですね。ま、この今の不安な時代で、いつまでもこの会社にいるかどうかも分からないとかそういった不安定な時に、なかなか男性からプロポーズができない方が多いんですね。なので女性が「一緒これから家庭を作っていきましょう」っていうことでプロポーズして結婚される方が多くなってきてますね。
[ Playlist ]
Kurt Elling – Cool Yule
The Pogues – Fairytale Of New York
The French Impressionists – Santa Baby
Tracey Thorn – Like a Snowman
Paul McCartney – Wonderful Christmastime
Selected By Haruhiko Ohno