今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、松山ローカル大学代表の宮嶋那帆さん。数年前まで南海放送アナウンサーとして私と机を並べて仕事をしていた宮嶋さんですが、現在はフリーアナウンサーとして活動する一方、今年7月に立ちあげたのが「地方の若い経営者に学びの場を提供する」松山ローカル大学です。他の設立メンバーはソーシャル経済メディアの元CEOをはじめ実際に経営を手掛けている面々で、「私は教わることばかり」と謙遜する宮嶋さんですが、この事業を通して地域を強くしていきたいという熱量に、話を聞いていて圧倒されるほどでした!そんな宮嶋さんが代表を務める松山ローカル大学について、今回は「衝撃を受けた実例」「DXと言われても」「目からウロコの視点」という3つのキーワードで紐解いてもらいました。
佐伯)キーワード1つ目の「衝撃を受けた実例」というのは、何が印象に残ってます?
宮嶋)大きな3つの柱っていうところで、「地方の最先端から学ぶ」「地方でプロから学ぶ」「地方がキャッチアップすべき潮流を学ぶ」の中の、「地方の最先端を学ぶ」っていう軸でですね、 香川県、お隣、三豊市でですね、古田秘馬さんという地方創生の第一人者の方が来てくれた 回があるんですよ。で、この三豊市っていうのは「日本のウユニ塩湖・父母ヶ浜」…聞いたことありますか?
佐伯)あります、あります!水面にきれいに、夕日か朝日かわかんないけど、が反射してる映える写真で…
宮嶋)そう、ガラスのように、ミラーのような形で…
佐伯)ですよね。
宮嶋)映える写真で結構インスタだったりとか、SNSでもすごく有名になったとこがあるんですけど。
佐伯)行ってみたいと思ってたんですよ。
宮嶋)あそこですね、じつはもともとは観光客が年間5000人ぐらいだったんですよ。
佐伯)年間?
宮嶋)少ない…ですよね。なんですけども、その古田秘馬さんの仕掛けによって、年間50万人になった!
佐伯)え~!
宮嶋)もう全国区になった。それってどうしてそんなことになったんですか、すごくないですか っていうところでお話をいただいたっていうところなんですけど。
佐伯)だって、あのウユニ塩湖みたいに、鏡みたいに映るのって自然の現象だから元々あったものですよね?
宮嶋)もともとあったものなんですけど、じゃあどうしてそれが出来たかっていう話だったんですけども、そのウユニ塩湖みたいなのって元々あるんだけども、そこの近くに何もなかったっていうところで、ちょっとこう海の家だったりとか、そういったなんか来た時に食べられる食事の移動販売の店だったりとか、みたいなのをまずやったところから始まったんですけど。それでまあ、たまたまバズったというか、ウユニ塩湖みたいにミラーみたいで映えるみたいなのは、本当に古田さんも「それラッキーだったんだ」って言うんですけど。でもそれでどんどん人が来たんだけども、そこに宿泊施設がないから、みんな日帰りで。
佐伯)まあ、そうなりますよね。
宮嶋)そうなんですよ、帰っていくから結局地域にお金は落ちない。じゃあホテルを作ろう…
佐伯)え?
宮嶋)ってなったんだけど、ホテルって言っても地方だったら、外資の会社が入ってくるとか大手が入ってくるってなったら結局そこのお金って外に出てしまうから、「それって意味ないよね」っていうところで。ポイントとしては「共助の仕組み」で、いろんな企業がお金を出し合ってそのホテルを作ったんです。「浦島ビレッジ」 っていうところ。
佐伯)浦島ビレッジ?浦島太郎の?
宮嶋)浦島太郎の(笑)。浦島太郎の伝説が残る島があって、そこに浦島ビレッジというのを作られたっていうことなんですけども。そこにはですね、その共助というところで、地元のバス会社だったりとかスーパーの会社だったりとか色んなところ、11社が手を組んでちょっとずつお金を出資して、それを作って。しかも出資したところにちゃんと利益が行くように、バス会社が送迎をしたり、スーパーのところが食材を提供してそこでバーベキューしてもらったりという感じで、循環をうまく作ったっていうところで。
佐伯)へ~。
宮嶋)そうなんです。なので、「その共助の仕組みって地方にとってめちゃくちゃ再現性があるよね」っていうようなお話をしてもらって。
佐伯)一気に大資本を呼んでくるってなるとなかなかね、大変でしょうけれども、地元の方が…「ここを何とかしたいんだ」っていう思いもいっぱい集まってくるってことですよね。
宮嶋)そうなんです。だから、そういう風に回すことで、やっぱり地域でちゃんとお金も人もいろんな思いも回して行こうっていうところを学ばせていただいて、「なるほどな~」みたいなところがありました。
[ Playlist ]
Ásgeir – In The Silence
The Rolling Stones – As Tears Go By
Sonya Kitchell – Cold Day
Selected By Haruhiko Ohno