今週、坂の上に訪ねて来て下さったのは、肱川あらし予報会会長の濱田毅さん。大洲市長浜に発生する冬の風物詩「肱川あらし」。「日本三大川あらし」のひとつとされています。長浜生まれ長浜育ちの濱田さんですが、身近な存在すぎて「肱川あらし」の価値に気づいたのは十数年前。そこから体験会の実施に取り組むとともに、あらしの発生の有無を予測する「肱川あらし予報会」を結成。シーズン中は毎日欠かす事なくYoutubeでの発信を続けています。「肱川あらし」発生予測、その裏側を教えて頂くと…。


佐伯)霧が発生するポイント、条件ですよね、これ何が重要になってくるんですか?

濱田)やはりですね、これ我々が予報する時にもいつも思うんですけど、やっぱり前日の気温、っていうか日照時間ですよね。結局日がたくさん光の力があれば陸地も海面も熱で温められて、その温度の下がり方によって気圧の差が出てくるので、光の力って非常に大きいんですよね。だから放射冷却が起きるためには、夜間から早朝にかけて雲があったら放射冷却が起こりにくいんですよ。お布団かぶるのと一緒なんですよ。お布団がなかったら冷える。だからまずはそういう放射冷却が起きるっていうことと、あと重要なポイントは南風が吹くってことですね。だから発生する我々の見極めで1番わかりやすいパターンはですね、冬になると西高東低の気圧配置、縦縞の気圧配置が続いて、それがですね、「だんだん明日から緩んできます」「明日は移動性高気圧に覆われます」ってすっぽりと天気図が高気圧に覆われた時にチャンスなんですよね、ひとつのね。ただ我々は風の向きとか湿度とか気象情報で見ていわゆる予報するんですけど、極地風ですのでなかなかぴったりと「あの場所で、どの風が吹いて、どの湿度」っていうのがちょっとなかなか読めないんですよね。だからある意味で、現地におってしか分からないこともありますので。

佐伯)そうですか。あと湿度とかはどうなんですか?

濱田)湿度は大事ですね。

佐伯)大事?

濱田)簡単に言うと80%以上は、湿度が高くないと水蒸気が発生しませんので。空気中に含まれて霧にならないので湿度は大事ですね。乾いた空気の時には霧が発生しないので。

佐伯)はい。湿度と南風と、あとは放射冷却が起きるかどうか、だから前の日は晴れてないといけないとか、ホント色々複雑に絡み合うんですね。

濱田)そうですね。あと潮の満ち引きっていうか、ちょうど発生する時刻が上げ潮っていうか、だんだん満潮になるに連れて海の水が川のほうに流れていきますので。そうするとやっぱ海水のほうが温かいんですね、川の水よりか。だからそういう意味でうまい具合に混ざって。で、気温と水温の違いで放射霧が出るっていうか。

佐伯)今おっしゃったデータ的な物っていうのがもちろん大事になってくると思うんですが、ただ濱田さんぐらいずっと追いかけてると、っていうか地元に住んでらっしゃると、「あ、これ明日出るんじゃないかな」みたいな、こう肌感みたいなのでわかったりしないんですか?

濱田)なるほど。あの実はね、もう一人いる(予報会の)竹内さんというのが実は体感派なんですよ。

佐伯)へ~。

濱田)私はデータ派なんですね。というのは、竹内さんのご自宅はですね、ちょうど肱川の近くにありまして。赤橋の近くにあるんですけど、いつもそのいわゆる風向きとかを肌で感じて、特に前の対岸に見える山、はなきり山っていう人間が仰向けになったような山があるんですけど、その見え方で彼は「くっきりと見える日は明日出る」とか夕方そういう形で予報しますね。

佐伯)そうなんですね!

濱田)あと肌に感じる湿度とか。私の場合はどっちかと言うと天気図とか、ちょっといい加減なんですけど(笑)あとは体感で感じるとすれば前日の日照時間というか、「きょうは結構日が当たる時間が多かった」とかそういう感じですよね。

佐伯)面白いですよね、そういうお二人がそれぞれに予報を発信されてるっていう…

濱田)そうなんですよ、だから違う時はね、僕の方が正しいと思うんですけど次の日に結果が出ますので(笑)答え合わせをするのも楽しいですよね。

佐伯)お二人が「出る」「出ない」分かれた時にはどっちかは当たるから…

濱田)そこは安心してるんですね(笑)

佐伯)そこは100%っていうのはあると思うんですけど(笑)、どっちも「出る」ってなった時とか、どっちも「出ません」みたいになったときの当たる確率ってどのくらい?

濱田)うーん、けっこういいんじゃないか…まあ85%以上はいってると思うんですけど…

佐伯)それスゴイですよね!じゃぁぜひぜひYoutube、皆さんもチェックしてみて頂けたらと思います。

   

 

 


[ Playlist ]
SLY MONGOOSE – Make Your Mind Up, Little Girl
Cat Power – After It All
Duffy – Delayed Devotion
Phoenix – Love For Granted

Selected By Haruhiko Ohno


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