今週は「坂の上の雲ミュージアム」からの生放送!広報担当の村上比奈子さんと清水綾乃さんをゲストに、小説「坂の上の雲」の主人公である秋山好古、真之、正岡子規の幼少期から学生時代についてのエピソードを伺いました。それぞれの逸話を調べる中で、お二人は特に、「泣きみそで鼻タレ」と言われた子ども時代を経て、自分に厳しく「単純明快」を貫いた好古推し(・・)になったそう!そして真之と子規には、こんな「ザ・青春時代」な出来事が…。


佐伯)野球にも興じていました、そして“推し活”もしてました(笑)。他には…

村上)当時学生たちはお金はなかったのですが、わずかなお金で出かける“仲間たちとの旅”も楽しみのひとつでした。

佐伯)旅?

村上)はい。ある晩のこと、子規の下宿に集っておしゃべりをしていた時、「先日の江ノ島無銭旅行が実に面白かった」と友人の一人が語り出します。「お金がないから食べることも泊まることもできず、ただただひたすら歩き続けていた」と。それを聞いていた真之が突然、仲間たちとの鎌倉行きを思いたちました!無銭旅行の始まりです。そのまま思い立って鎌倉行きを目指したんですが、夜11時ごろに神田猿楽町の下宿を出発し、午前2時ごろ品川を通過。その頃はもうすでに靴を引きずりながらぼたぼた歩き、出発した時の勢いはもうありませんでした。

佐伯)え~っと、夜11時に出発したんですね!?じゃあ、もうその場の集まってワイワイ言ってたところのノリのまま。

村上)そうですね。

佐伯)そこがちょっと若さ故って感じですよね。

村上)そうですよね~(笑)。で、東京を出発してからの初めてのご飯が、なんと翌日の昼ごはんだということで、お腹を空かせてずっと歩いていたんだと思うんですが、お昼頃には戸塚の手前までは行ったんですが、ゴールの鎌倉まではまだまだ距離のある所でした。

佐伯)東京の誰かの下宿で盛り上がってたんですよね、子規の下宿か。子規の下宿があったのが?出発地点が?

村上)神田猿楽町ですね。

佐伯)神田、東京都内ですよね。で、神田を出て戸塚までってどれぐらい距離あるんですか?

村上)調べてみますと…戸塚までが43 km。

佐伯)…まあまあですね。

村上)で、ゴールの鎌倉まではと言うと52 km。

佐伯)あと10 km ぐらい。

村上)そうですね、もうちょっとだったから頑張ったら…

佐伯)すいません、私ごとなんですけれども、大学時代に大学のイベントで「ナイトハイク」っていうのがありまして、東京・渋谷から神奈川県の厚木市まで、これも40数キロだと思うんですけど、歩いたことあるんですけど…

村上)すごいです。

佐伯)いやいや、でもまだ歩けたような気がするんですけど(笑)。でも子規たちは諦めてしまったのですか。

村上)そうなんですよ、ここまで来たのだから、まあ努力も自分なりにしたということで、引き返しても笑われないだろうということで、もう帰ることにして。お金もなかったんですが、なんとかかき集めて4人分の汽車賃にして、最後に神奈川の停車場まで歩いて汽車に乗り込んで、そこから東京に戻るという珍道中だったそうです。

佐伯)比奈子さんも、これまでいろんなウォークイベントなんかもしてたと思うんですけど…

村上)そうですね、はい、ちょっと随分前なんですが佐田岬ウォーキングっていうのがありまして、そちらで49 km 歩きました。

佐伯)あ、子規たちより歩いてる!

村上)佐伯さんと一緒ぐらいです(笑)

佐伯)まあ!

清水)でも、道は綺麗だし(笑)

佐伯)今はね。

清水)靴もいいし…、ちょっと違うかもしれないですね、昔とは(笑)

佐伯)あ、そうか。靴じゃないかもですもんね、もしかしたら草履とかだったかもしれないし(笑)。いや~だけどそう考えると、夜通し、急に思いついて夜明かししても歩くぞ~みたいなのって、今も昔もホント青春時代って眩しいですね~。

二人)そうですね。

清水)思いついたのがすごいですよね、夜に「するぞ!」っていうのが。

佐伯)そういう学生時代を過ごしながら、それぞれの日本一を目指してまた歩んでいくというところなんですね。


[ Playlist ]
Badly Drawn Boy – The Time of Times
Laura Marling – Cross Your Fingers
Earl Sixteen – A Love That I Can Feel
Phoenix – Summer Days

Selected By Haruhiko Ohno


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