今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、八幡浜市農林課 世界マーマレード大会推進室マーマレード普及推進専門官の宇都宮勝博さん。「日本で唯一の肩書き」と話す宇都宮さんは昨年、愛媛に移住されたばかりですが、今年で第8回を数える日本初のマーマレード品評会「ダルメインWorldマーマレードアワード&フェスティバル」には初回から関わってこられました。その経緯や奥深い世界を「八幡浜とマーマレード」をテーマに、「味は香り」「マーマレードの本場イギリスと八幡浜との違いとは」「まもなく締め切り」というキーワードで掘り下げていただきます。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。
佐伯)皮が大事っていう意味で言うと、今話題の「紅プリンセス」とか「甘平」とか、ちょっと前に食べられる「紅まどんな」とかもそうですけど、皮が薄いじゃないですか。ああいうのは、マーマレードには向かない?
宇都宮)はい。はっきり言いますが、向きません!けっこう私もマーマレード教室とか勉強会やってるんですけど、「アマチュアの方、初心者の方はやめてください」と、「絶対できませんから」と(笑)
佐伯)へ~、そうなんだ!
宇都宮)というぐらい、皮が薄いとペクチン質という、いわゆるとろみ成分が少ないので、いくら頑張っても固まらないんですよ。
佐伯)へえ~。いやだって「紅プリンセス」とか「紅まどんな」とか、そもそもその果肉自体がゼリーみたいって例えられるじゃないですか。だから何かちょっと頑張ったらどうなのかなと思うけど、あれは難しい。
宇都宮)本当に難しいフルーツ。ただやっぱりね、中身美味しいから皆さんチャレンジしたくなるんですよ。
佐伯)でしょうね!
宇都宮)毎回、毎年必ずたくさんの応募があるんですよ。ほとんど駄目なので。
佐伯)あら~。そうですか。
宇都宮)ただやっぱりそれをですね、きちんと作ってこられるプロの方がいらっしゃる。
佐伯)へえ~!
宇都宮)驚きですけど。
佐伯)そのあたりの腕の見せ所っていうのがコンテストの醍醐味なんでしょうね。一方で初心者でも作れるような、マーマレードに適した柑橘っていいますと?
宇都宮)やっぱり皮がしっかり厚いものが、ペクチン質をたっぷり含んでいってゼリー化しやすい。それからやっぱり中身の酸っぱいもの。あんまり甘い方ではなくて酸っぱい系。日本でいうと夏ミカンだとか八朔だとか、一部好きな方もいらっしゃるんでしょうけど、あんまり一般受けしなくなった…
佐伯)そうかな!?(笑)まあ、甘いことを追求するとね。私。八朔大好きですけど。
宇都宮)私も好きなんですけどね。
佐伯)そうですか!あのちょっとね、酸味と苦味がいいんですけどね。
宇都宮)あの辺りのフルーツを使うと酸味もシャキッとしていって、ペクチン質もたっぷりあって、比較的マーマレードを作りやすい。
佐伯)へ~。八朔マーマレード、いいですね。
宇都宮)おいしいですよ。
佐伯)でも食べたことない、考えてみたら。
宇都宮)でも、去年も多分この2000数百本の中で八朔っていうのは、おそらく10本じゃきかないぐらい、もっと出てきたと思います。
佐伯)そうなんですね。
宇都宮)知っておられる人はちゃんと知っておられて、上手に作っておられますよ。
佐伯)なるほど。その大会で高得点を得ようと思ったら、どういったところがポイントに?
宇都宮)そうですね、マーマレードのポイント、一つはやっぱり綺麗に煮込んで、皮の下ごしらえを丁寧にやれば、実は外から、瓶から外から見てですね、少し透明感があって反対側から光を当てるとキラッと光るような状態、これが非常にマーマレードの命と言われています。
佐伯)へえ~。
宇都宮)これはね、英国大会と共通なんですよ。
佐伯)透明感。
宇都宮)ここは一つ、けっこう外観のポイントが点数もけっこうあって。
佐伯)そうですか。さっきおっしゃった、なんかその煮込みすぎると…みたいな感じのこともおっしゃってましたけれども、何か過ぎると濁りそうですね。
宇都宮)そうですね、皮の中からまた繊維質が出てきてしまったりとか、あるいは煮込みすると加熱でちょっと色が茶色っぽくなってくる。
佐伯)変色。
宇都宮)変色ありますので、もう透明感じゃなくて全体が濁ってしまうのがありますので、それもやっぱりウィークポイントになってしまう。
佐伯)そうならないけどしっかり火は通してっていうところのタイミング…
宇都宮)ちゃんと砂糖が煮込む、火は通さなきゃいけないけど、そこから後は日持ちができる最低限の熱で仕上げるっていう、このメリハリがですね、非常にポイントです。
佐伯)しかもさっきおっしゃったように、ちゃんと固まってないといけないっていうところなんですね。
[ Playlist ]
Belle & Sebastian – There’s Too Much Love
Norah Jones – Once I Had A Laugh
Todd Rundgren – It Wouldn’t Have Made Any Difference
Selected By Haruhiko Ohno




