今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、南楽園の吉見翔太さん。これから見ごろを迎える「梅」をテーマに、お話を伺いました。南楽園には15種類160本の紅白梅が植えられていて、現在「梅まつり」が開催されています。古くは花見といえば梅見をさしていたというほど、日本人の心に根差した花のひとつ。いにしえの和歌にも数多く登場することからも、それが伺えます。そんな「梅」をめぐるあれこれを、「蝋梅は梅にあらず」「梅にまつわる伝説」「梅干しとうなぎ」というキーワードで切り取っていきます。

番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。


佐伯)私たちがよく知っている紅梅、それから白梅、簡単にそんなふうに言いますけれども、やっぱりその花の色って各々違ってますよね。

吉見)はい、鑑賞用と食用等がございまして、鑑賞用の花梅、食用の実梅を合わせると、日本に現在ある梅の樹はおよそ350種類ほどあります。

佐伯)そんなにあるんですか!

吉見)はい。はっきりした赤や白の他にも様々な濃淡の花があり、品種改良や育成は江戸時代から行われていたほどです

佐伯)へ~。ちなみに南楽園で特に珍しい梅はどんなものがあるんでしょうか?

吉見)はい。それはですね、枝垂れ梅と呼ばれている種類がございます。梅が枝垂れるように伸びており、この美しい枝垂れ姿がですね、春に咲く淡いピンク色の花と相まって、とても幻想的な景色を作り出してくれます。

佐伯)なるほど。やっぱり普通に咲いている梅とは全く趣が違いますね。

吉見)はい、こちらの枝垂れ梅は南楽園でも人気の種類です。

佐伯)それから?

吉見)その他にはですね、一本の木から赤と白の梅が咲く「源平咲き」という咲き方をする種類。

佐伯)はい!

吉見)そちらの品種をご紹介します。これはですね、突然変異によるもので、平安時代の源平合戦で源氏の白い旗、平氏の赤い旗を用いていたことに由来します。梅の他にはですね、桃、椿、ツツジなどに、この「源平咲き」が見られます。この「源平咲き」をする品種はですね、「思いのまま」と呼ばれる品種でして、一輪の中でですね、赤と白の花の両方が色づきます。

佐伯)吉見さん、私実際に南楽園に行って、この咲き方の梅見たことあるんですけれども、発見したときは「あれ?」って思って、「わー!」ってなるくらいのちょっと驚きがありますよね。やっぱりお客様もそんな反応多いんじゃないですか?

吉見)そうですね、「綺麗!」と驚かれたりしておりますね。この「思いのまま」はですね、品種改良の際に思っていた通りに花が咲かずに、梅の思いのままに何色か分かれて咲いたことから、この名前がつけられたといいます。

佐伯)名前もとっても素敵ですよね、「思いのまま」。ぜひ南楽園に行かれた際には探していただきたいと思いますが、これ何本ぐらいあるんですか?

吉見)こちらの品種は複数ございますので、ぜひ園内にいらした際にはご自身で見つけてみてください。

佐伯)なんか、見つけたら良いことがありそうなね、そんな感じをさせてくれる花ですよね。

 


[ Playlist ]
Sonya Kitchell – I’d Love You
Build An Ark – You’ve Gotta Have Freedom
Danny Kortchmar – For Sentimental Reasons
The Big Fish – Happy Ever After
Roy Ayers – Time And Space

Selected By Haruhiko Ohno


この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く