今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、愛媛人物博物館学芸員の末武朝則さん。愛媛県生涯学習センター内にある愛媛人物博物館では現在、昭和100周年記念企画が開催中です。チラシを見ると、この番組でも取り上げた十河信二や高橋龍太郎、高畑誠一のほかに、文化や芸能、スポ―ツなど幅広いジャンルで活躍した人物に関する展示がされているようです。そこで今回は、その企画展のタイトル『戦後昭和を駆け抜けた愛媛の偉人たち』をテーマに、見どころなどを末武さんに解説していただきます。キーワードは「世界に羽ばたいたプリマドンナ今井久仁恵」「文部行政の刷新 安倍能成」「戦後愛媛のメダリストたち」の3つです。
※番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。
佐伯)ちなみに生まれた年が?
末武)お生まれはですね、明治16年のお生まれです。
佐伯)なるほど、そのくらいの生まれとなると、松山中学にいた頃って…漱石さんがいらした頃とかとは関わりがあるんでしょうか?
末武)漱石さんはですね、後々に高浜虚子などの繋がりからですね、安倍能成自体は知り合うことになったようそうです。
佐伯)あ、後に知り合うんですね。じゃあ、夏目漱石とも交流のあった人物と考えられるんですか?
末武)実はですね、安倍さんなんですが漱石門下生ということでですね、その中でも四天王って言われるぐらい門下生の中ではかなり…
佐伯)四天王に数えられるって言ったら、かなり深い交流ですよね。
末武)ただですね、のちのち安倍さんはですね、漱石さんと心底腹を割って話したのはなかったんじゃないかみたいなことをですね、自分の著書の中で述べられたりもしておりますんで、やはり安倍さんから見ても漱石さんっていうのはちょっと雲の上の人じゃないですけど、ちょっと何かあったのかもしれないですね。
佐伯)四天王でさえも。そんなスゴイ存在だったというのがわかりますね。
末武)ただですね、安倍さん自体はですね、やはり漱石さんの門下生の中で非常に認められた存在でもあったようで、東京の新宿区に「漱石誕生の碑」っていうのがあるんですが、そちらの文字をですね、安倍さんが揮毫しております。
佐伯)へえ!そうなんですか。なかなか腹を割った話はできないくらい尊敬していた漱石さんの、その生誕の地の碑に揮毫するっていうのはものすごく何か巡り合わせを感じるっていうか…
末武)一つ面白いエピソードがあるんですが、実はですね、この漱石さんが伊豆の修善寺で体調を崩されてるときに、安倍さんがですね、いの一番にお見舞いというか駆けつけたそうなんです。そうするとですね、漱石さん、「安倍能成」の文字をもじって、「あんばいよくなる」っていうふうに読んでですね、非常に喜んだっていうふうに伝わっております。
佐伯)さすが文豪、そんなユーモアも(笑)
末武)体調が悪くてもそんなふうなことまで頭が行くっていうのは、やっぱり漱石さんすごかったんだろうなっていうことですね。
佐伯)でも修善寺の療養にももう一番に駆けつけるような、そういった人物だったという。しかもその揮毫を頼まれるぐらいですから後に、書を書くこともすごく達筆だったということでしょうか。
末武)安倍さんですね、書を書くことが非常に好きだったというか好んでおりまして、頼まれると、もうすぐにさっと書いてたということでですね、県内にも非常に、学校ですとかそういったところを中心にですね、多くの書が残っておりまして。実は松山東高等学校さんの方にもですね、額に入ったものですとか、書の軸が残っておりまして。実は今回ですね、そちらの方をお借りして展示の方もさせていただいております。
佐伯)そうですか。いや安倍先生の胸像は記憶にあったんですが、それらの所についてはちょっと記憶になかったので、これはいい機会ですね。
末武)普段ですね、松山東高等学校の裏手の方の明教館っていう建物があるんですが
佐伯)藩校にちなんだ、ね。
末武)あちらの方の資料館の方にですね、保管されております。
佐伯)それを今回はこの記念企画展で見ることができるということなんですね。ほかにも他にも何でしょう、教育者としての特筆すべきエピソードなどはありますか。
末武)そうですね、この方ですね、哲学者・教育者の中の教育者としてはですね、皇室の方が通われる学校っていうと、昭和時代ですと学習院っていうふうにもうお決まりでした。そちらのですね、学習院大学の院長先生、普通の大学でいうと学長とか総長みたいな役職ですね。それをですね、20年ほど勤められております。
佐伯)ずいぶん長く。
末武)その間にですね、今の上皇さまですね。上皇さまも指導されたという。
佐伯)そうですか。そういった人物が愛媛から生まれていたということ。その安倍能成がしたためた書なども今回はご覧いただけるということです。
[ Playlist ]
Donavon Frankenreiter – Shine
Roos Jonker – New Dress
Sade – All About Our Love
Charlotte Gainsbourg – In The End
Seu Jorge – Ziggy Stardust
Selected By Haruhiko Ohno




