今週、坂の上に訪ねてきてくださったのは、松山子規会会長の佐伯健さん。松山子規会は、昭和18年に発足した歴史ある団体で、発起人は俳誌「ホトトギス」創刊者で子規の親友でもある柳原極堂!発足以来、月1回の例会を重ね、今年1000回を超えたそうです。そんな子規会の8代目会長を務める佐伯さんに「松山子規会 一千回の月命日」をテーマに、「子規五十年祭」「子規・漱石・極堂 生誕百年祭」「子規生誕百五十年『松山子規事典』」の3つのキーワードでお話を伺いました。

番組のトーク部分を、ラジコなどのポッドキャストでお楽しみいただけるようになりました!ぜひお聞きください。


佐伯AN)当時の貴重な写真もたくさん使われている・・・

佐伯会長)初めて出るものもあるんですよ。

AN) そうなんですね。例えばそれ…初めて出るのってどんな?

会長)そうですね、グラビアに出てる石手寺から道後への道とかね、それから昔の遍路橋の写真。あんまり出てないと思いますね。だから、子規が見たであろう写真を目指したもので言ったら、子規が愚陀仏庵にいた明治28年、これが最後に松山来たときですよね、帰省。あんまり写真はまだ一般的に撮られてなかった。写真が一般的に撮られだしたのは日露戦争以降らしいんですね。ですから今残ってる写真も、明治末期のものが一番古いって言ってもいい。ただ、景色に場所によっては10年間、子規のいたところが変わってませんから、それはね、子規が見た景色だろうということでですね、見ていただければと思います。

AN)そうですか。そんなふうに一つ一つ検証も重ねながら綴っていかれたわけなんですね。12年かかって、他にもいろんなご苦労あったかと思いますけれども…

会長)そうですね、やはり編集長が急逝されてしまった。

AN)途中でですか?

会長)そうなんですね、残念ながら77歳でですね、亡くなってしまわれたんですね。

AN)心残りだったでしょうね。

会長)そうなんです、2015年ですね。ですから、どうするかということですよね。和田先生(子規記念博物館初代館長の和田茂樹さんの長男で、子規研究者の克司さん)は京都にお住まいなので、毎月1回例会のときに来られて、その前後をご自分の調査、そしてこの編集委員会に宛てていたわけですね。ですから私はいつもパソコンを持ち歩いて、そこに全部データを入れてる。会員からも大方の人はもちろん手書きじゃなくて、Wordで入ってるのは送りますから入ってるんですが、全部和田先生のパソコンに入ってるわけです。

AN)まあ!

会長)誰もそれ取り出せないじゃないですか。そうなってですね、ご遺族のご長男のご了承をいただいて、ハードディスクをお借りしてですね、私がハードディスクから全部ダビングをしまして、その中からこの子規会の原稿を拾い上げていった。ですから八百何十、もちろんまとまってるとこもあるんですが散らばってるとこもあるということで、それをベースにして形作っていったということで、やっぱりその作業が一番大変だったかなと思いますね。

AN)そうですか。でも編集長が亡くなられて、その方針みたいなものは遺志を継がれてっていう形だったんですか?

会長)元々の和田先生が思っておられた子規事典って、もっと大きな枠でのというのがあったので、その中で構成されてましたから、それを引き継ぐことは到底できないですよね。和田先生自身もこれからたくさん書かれるつもりだったんです、足らないところを。そうなると、今ある原稿しかないもんですから、我々にできるものは何かということになって、これを編集員でですね、会長などが中心になって話して、松山発の子規事典にしようと。松山発に特化した子規事典にしようということで転換をですね、書いてることは一緒なんですけども、原稿は一緒なんですけどもグンと絞りました。逆に言えば、松山市でしかできない事典なんですね。

AN)そういう特徴のある事典になっていったということなんですね。でも本当にどこかこれ1ページ紹介するとすると、どこにしましょうかね。どのページも見応えというか、読み応えが…

会長)グラビアを見てみてももらってもいいんですけれども、やはり私としましてはね、301ページをご覧になっていただきますと、そこに正岡子規評伝…

AN)あ、ここですね。

会長)はい、それ和田克司先生の遺作といいますかね、正岡子規評伝であります。これはわずか4ページにですね、要約されてます。でもこれは克司先生は生涯をですね、子規研究にかけた方なんですね。著書もたくさん書かれてるんですけども、お父さんの茂樹先生に劣らずですね、非常に子規を愛した先生なんで、このわずか4ページでですね、余すところなくその生涯を書き表されてます。それを読みますとね、やっぱり和田先生の子規研究の全て、その膨大な子規調査研究の全てがですね、その背後にあることがよく理解ができます。なんかね戦慄を覚えますね。

AN)おお。

会長)これはあの、ちょっと読み飛ばすことができない。やっぱり、さらっと書かれてますけれども、それをここに至るまでの時間、労力を思いますとね、感無量になります。

 


[ Playlist ]
Nicki Parrott – There’s A Kind Of Hush
Duffy – Delayed Devotion
Minnie Riperton – Perfect Angel
Mario Biondi & The High Five Quintet – On A Clear Day

Selected By Haruhiko Ohno


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