先週に続き、TBSのアナウンス責任者会で話題に上った話。

「10回」という読み方。
アナウンサーとしては、
「じゅっかい」が正しいでしょうか。
それとも、「じっかい」でしょうか。

私が入社した頃は、
10回は「じっかい」、20回は「にじっかい」と厳しく教えられ、
「じゅっかい」なんて、普段の会話でも出てしまうと
「“じっかい”でしょ」と言い直されていました。
そんな経験から、後輩たちがニュースの下読みをしているとき、
「じゅっかい」という読み方が聞こえてくると、
「じっ・か・い」と言い直させていましたが、
何度教えても、いつの間にか「じゅっかい」と読んでいるんですねー。

そういえば、いま、どの局のアナウンサーの読みを聞いていても、
「じゅっかい」と読む人が、大勢を占めているようです。

TBSの吉川美代子アナによると、
「じゅっかい」と聞いて、違和感を感じる人は60歳以上に多く、
それ以下の人は、何も感じないそうです。

うーんつまり、わたしなどは、その世代の読み方が
絶対に正しいと思い込んでいたのですね。

NHKのアクセント辞典を見てみると、
「じっかい」、「じゅっかい」、両方の読み方をよしとしています。

ちょっと前まで、「食べれる」といった「ら抜き言葉」が
批判の対象になっていたりしましたが、
いまでは、年配の人でも、ら抜きの言葉を
当たり前のように使ってたりします。

言葉というのは、「何かを相手に伝える」ことが最大の使命ですから、
「時代の中で、合理的に形を変える」もの、かもしれませんね。

なので、「じゅっかい」と読んでも、
間違いではないし、乱れているわけでもない。

いつの間にか、アクセント辞典から「じっかい」という読み方が
消えてしまう時代になるかもしれないし、「今は過渡期なんでしょうねー」
との結論になりました。

ちなみに、
「十手」は、「じゅって」ではなく、「じって」。
「十把ひとからげ」は「じゅっぱ」ではなく、「じっぱ」が正しいのです。
これは、間違えないでくださいね。

先週今週と、ぷちマニアックな話題でした。
・・・といっても、コレがいちおう本業です。
←数年前に行った、山口県沖の小島にある一軒宿。眉間のシワがさらに増えそうなことが多かった今週。美しい自然の中で、この汚れ切った心を洗いたいわ。